あのベートーヴェンも実践していた! 脳をフル回転させるための毎朝の習慣とは

 

 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。たとえクラシックに興味がなくても、この名前を知らない人はいないでしょう。音楽史上極めて重要な作曲家の1人といわれています。
 ベートーヴェンの作曲法は独特でした。鉛筆1本と五線紙を数枚ポケットに入れて散歩に出かけ、浮かんできた楽想を書きつけるというもの。散歩をしながら、まさに天からアイデアが降ってくるのを待つかのように、名曲を作り上げていきました。


 実は、この作曲法に一役買っていたといわれているのが、朝に飲むことを習慣づけていたコーヒーです。
 ベートーヴェンは、夜明けとともに起きて、朝食代わりに毎日コーヒーを飲みました。しかも、淹れ方に深いこだわりがあり、1杯につき必ずコーヒー豆は60粒。正確を期すために、1粒ずつ数えたそうです。
 「朝は豆60粒分のコーヒーを飲む」というルーティン。新しいアイデアを引き出すためには、脳をフル回転させることが必要であり、朝のルーティンをつくることで「朝食をどうするか」といった無駄な脳の思考を減らせます。
 コーヒー豆の香りには、活性酸素によって破壊された脳細胞を呼び戻す効果があります。活性酸素は睡眠不足や疲労の原因。つまり、朝飲む60粒分のコーヒーは、まだ立ち上がっていない脳を一気に覚醒させてくれるのです。


 ソウル大学の研究チームは、正常なネズミと24時間寝ていないネズミの2種類を用意し、コーヒー豆の香りを嗅がせて脳の状態を調べました。その結果、睡眠不足のネズミは、減少していたストレスから脳を守る分子が、香りを嗅ぐことによって回復したといいます。カフェインなどにリラックス効果があるのは知られていますが、コーヒーはその香りにもストレス減少効果があるのです。


 ベートーヴェンは音楽家として致命的な難聴を患いながらも『英雄』『運命』『田園』など全138の名曲を世に送り出した偉業の裏には、毎朝飲む豆60粒分のコーヒーがあったのです。