【小田和正が手掛けた人気ドラマ主題歌】「ラブ・ストーリーは突然に」だけじゃないんだ!

コラム

citrus 文月

 

人気バンド、オフコースの元フロントであり、ソロとしても精力的に活動しているシンガーソングライターの小田和正。数多くの名曲をリリースしてきた小田だが、「ラブ・ストーリーは突然に」のようなドラマ主題歌を何曲も担当したことでも知られている。

 

 

■『東京ラブストーリー』/「ラブ・ストーリーは突然に」

1991年2月6日に発売された6枚目のシングル「Oh! Yeah! /ラブ・ストーリーは突然に」に収録の「ラブ・ストーリーは突然に」は、小田の音楽人生のなかでも最高傑作のひとつ。フジテレビ系ドラマ『東京ラブストーリー』の主題歌となった本楽曲は、今もなお多くの人に愛され、後続のミュージシャンからもカバーされている名曲中の名曲だ。

鈴木保奈美と織田裕二のダブル主演で話題となった本作は、最高視聴率32.3%を記録し社会現象を巻き起こした恋愛ドラマの金字塔。本楽曲も同作の人気とともに大ヒットし、270万枚もの売り上げを記録した。

冒頭の印象的なギターのカッティングは耳からは離れなくなる秀逸なフレーズ。サビの部分は、小田の煽情的な高音ボイスと相まって一度聴くだけで口ずさみたくなるほどポップなメロディだ。カラオケで歌いたくなること間違いなしの楽曲であろう。

 

 

■『ファースト・キス』/「こころ」

「こころ」は2007年8月15日に発売された25枚目のシングル。フジテレビ系ドラマ『ファースト・キス』の主題歌に抜擢されており、「ラブ・ストーリーは突然に」以来久々となるオリコン週間1位を記録した作品であった。

本作は井上真央が演じる成功率50%の手術を勧められた主人公・美緒が、病気に負けず奮闘する「泣けるコメディー」と銘打たれた作品。「こころ」自体もポジティブな美緒の姿と重なる希望にあふれた歌詞になっているのである。

特に “世界中でいちばん大切な人に会った” というサビの歌詞は、小田の突き抜ける高音ボイスのおかげで本楽曲最大の見せ場となっている。聴いていくうちに暖かい気持ちに浸ることができる楽曲であろう。

 

 

■『遺留捜査』/「やさしい風が吹いたら」

2013年4月24日に発売された29枚目のシングル「その日が来るまで/やさしい風が吹いたら」に収録の「やさしい風が吹いたら」。テレビ朝日系ドラマ『遺留捜査』の主題歌として書き下ろされた本楽曲は、前作「グッバイ」より2年5か月ぶりに発売された。

『遺留捜査』は上川隆也主演の刑事ドラマシリーズ。被害者の遺留品を基に捜査を進めていくストーリーになっており、楽曲自体も二度と会えない人のことを思う切なさを感じさせるナンバーだ。

淡々と刻まれるハイハットの音と優しい音色のギターが、刻々と時が流れる様子を表現しているようで非常にセンチメンタル。そこに小田の爽やかな透明感のある歌声が乗せられるため、聴いていてリラックスできる万人向けのポップスに仕上がっているのである。