「恋」「SUN」などの大ヒット曲も…歌手・星野源の実力をまざまざと思い知るドラマ主題歌

コラム

citrus 文月

 

インストゥルメンタルバンド・SAKEROCKの元メンバーでシンガーソングライターの星野源。50~60’sのオールディーズをリスペクトした彼の楽曲は、人々の耳に馴染みやすく、ドラマの主題歌にタイアップされたることも多い。そこで今回は3曲をご紹介!

 

 

■「SUN」/『心がポキっとね』

「SUN」は2015年5月27日にリリースされたシングル。フジテレビ系ドラマ『心がポキっとね』の主題歌であり、タイトルどおり太陽のごとく終始明るい雰囲気の楽曲だ。ちなみに歌詞に登場する「Hey J」というフレーズは、ファンいわく、星野の敬愛するマイケル・ジャクソンにちなんでいるという。

『心がポキっとね』は、阿部サダヲ扮する小島春太は突如大手企業を辞め、家族も失い、アンティーク家具店で家具の修理を行うという物語。春太は過去の苦い経験がトラウマになり、ストレスを感じないように日々を過ごすようになる。本作は春太以外にも心に傷を負った大人たちが登場し、彼らと繰り広げるラブストーリーが本作の見どころとなっているのだ。

現代人のほろ苦さを色濃く映したドラマの内容に対し、「SUN」はひたすらに明るい曲。星野の愛するブラックミュージックの軽快なノリとシンプルなサウンドが、本作の根底にある暗さを隠し、“前向きに生きよう” というメッセージを伝えているようにさえ感じる。そんなハッピーな曲なのだ。

 

 

■「恋」/『逃げるは恥だが役に立つ』

2016年10月5日リリースの「恋」は、星野の最大のヒット曲となったシングル。自身が出演したTBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌であり、エンディングで本楽曲と同時に流れた “恋ダンス” は、ネット上で “踊ってみた” 動画が投稿され大きなブームとなった。

『逃げるは恥だが役に立つ』は、新垣結衣演じる妄想癖のある主人公・森山みくりが失業し、星野源演じる津崎平匡の家に “就職としての結婚” という形で住み込むようになる――という物語。ふたりは雇用主と従業員という立場でありながらも、徐々に心の距離を縮めていき、次第に本当に恋愛感情が芽生えることになるのだ。

東京事変のギター・長岡亮介(浮雲)によるクリーンなギターサウンドと、ドラムによるノリノリなテンポの刻み方が印象的な「恋」。歌詞は恋愛が多様化した現在に合わせた普遍性のあるものとなっており、星野いわく「すべての恋に当てはまるラブソング」とのことだ。恋する相手を思うすべての人々に向けた星野ならではの配慮が利いた曲だと言えるだろう。

 

 

■「不思議」/『着飾る恋には理由があって』

2021年6月23日にリリースされたシングル『不思議/創造』に収録の「不思議」。川口春奈・横浜流星主演のTBS系ドラマ『着飾る恋には理由があって』の主題歌として書き下ろされたこの曲は、星野自身がラブコメアニメの“キュン”とする気持ちを大事にしたラブソングとのこと。

『着飾る恋には理由があって』は、綺麗に自分を着飾りがちな真柴くるみ(演・川口春奈)とひとつ屋根の下でルームシェアすることになった藤野駿(演・横浜流星)など、価値観の違う人々との暮らしを描くラブストーリーだ。

そして「不思議」は、R&Bを基調とした王道のダンスポップサウンドに二転三転もする展開がクセになる一曲。星野自身も本楽曲について「ネクストレベルに行くんだっていう気概をサウンドにぶつける感じ」と語っており、コードやメロディを創意工夫して作曲したという。それでいて、歌詞は恋する相手を思う純粋な恋愛の歌になっているので、曲調も相まってドラマにぴったりな雰囲気となっているのである。