今やその名を知らない人は少ないであろうシンガーソングライターの米津玄師。「Lemon」、「Loser」などの名曲で知られる米津だが、実はニコニコ動画でボカロPとして活動していた時期もあったのだ……。その当時の名曲たちを紹介しよう。
■「マトリョシカ」
2010年8月19日にニコニコ動画で投稿された「マトリョシカ」。2022年5月13日時点で1350万再生を超えるこの曲は、ニコニコ動画で1000万再生を超えたVOCALOID曲に贈られるタグである「VOCALOID神話入り」に入った曲として知られている。
エキゾチックなメロディに歪んだサウンドのギターが絡まり合う、聴いていくうちにクセになる楽曲。歌詞は米津らしい文学的で意味深な文字が羅列されており、リスナーの想像力を膨らませる仕上がりとなっている。
ハチのみならず米津の曲のなかでもトップクラスに有名な曲なので、気になった人はぜひとも聴いてほしい。
■「パンダヒーロー」
「パンダヒーロー」は2011年1月23日にニコニコ動画で投稿された楽曲。ハチ名義でニコニコ動画へ投稿した楽曲のなかでは、2022年5月13日時点で822万超再生となっており、「マトリョシカ」、「アイネクライネ」、「砂の惑星 feat.初音ミク」、「ドーナツホール」、「ゴーゴー幽霊船」に続き、6番目に再生数が多い楽曲だ。
退廃的な世界観で左手に金属バットを持つ正義のヒーロー・パンダヒーローを描くこの曲。全体的にややくぐもったサウンドでありつつ、演奏自体は隙がない計算された構成であり、聴くたびに新たな発見がある。また、聴き終わった頃には、サビの「パッパッパラッパパパラパ」という歌詞を口ずさみたくなるだろう。
ちなみにこの曲のMVに登場するパンダヒーローは米津自身が描いていることでも有名。音楽以外に絵も描けるなんて……。米津は恐ろしい才能を持ったアーティストだと言えるだろう。
■「砂の惑星」
2017年7月21日にニコニコ動画、YouTubeで投稿された「砂の惑星」。この楽曲は所要日数6日5時間19分でミリオン再生を超えており、ニコニコ動画におけるVOCALOIDオリジナル楽曲において、歴代最速のミリオン再生を記録した曲として快挙を成し遂げた。
一度聴いたら耳から離れないピアノのフレーズが印象的な楽曲。荒々しいギターの音色と淡々と歌い続けるボーカルの対比が、この曲を異質な雰囲気へと演出させているものの、Bメロやサビでの盛り上がりはまさに王道の展開。ギャップに震えるエモーショナルな体験を味わえる。
また本楽曲は初音ミクと米津本人が歌っているそれぞれのバージョンがあるので、聴き比べてみるのも面白いだろう。