【夏はジブリ!】「トトロ」は鉄板として残り2作品は? 夏に観たい宮崎駿監督作品3選

コラム

citrus 文月

 

近年、『金曜ロードショー』(日本テレビ)では「夏はジブリ」と謳い、ジブリ作品を頻繁に放送している。たしかにジブリ作品は夏を題材にした作品が多く、どれも違った魅力と面白さがあるものばかり。そこで今回は「夏に観たいジブリ」3作品をご紹介。

 

 

■となりのトトロ

 

まず紹介するのが、1988年に公開され、ジブリの不朽の名作となった「となりのトトロ」。日本を代表するアニメ監督・宮崎駿が監督を務めた本作は、昭和30年代を題材にサツキ、メイ姉妹と不思議な生物・トトロとの交流を描くファンタジー作品だ(以下、紹介する作品はすべて宮崎の監督作品)。

 

ユーモラスで独特の可愛らしい見た目をしたトトロは、日本のみならず世界的に愛される存在になっており、スタジオジブリのシンボルにもなっている看板キャラクターだ。作中のメイのように、ふわふわしたトトロの身体に飛び込みたいと思った人も多いのではないだろうか。

 

日本の片田舎の夏が舞台の本作。トトロにしがみつきサツキとメイが夏の夜空を飛び回るシーンや、山猫とバスを合わせたような巨大な生物・ねこバスに乗って夕暮れを駆け巡る様は、夏にぴったりな描写だと言えよう。

 

 

■紅の豚

 

次は1992年公開の「紅の豚」をご紹介。本作は世界恐慌時代のイタリア、アドリア海をモデルに豚の姿をした退役軍人の飛行士であるポルコ・ロッソの活躍を描いた作品だ。

 

豚が主人公という異色の作品であるが、愛機の赤いサボイアに乗って暴れまわる空賊たちをなぎ倒すポルコの姿はとても爽快。またカーキ色のトレンチコートに、ソフト帽を着こなした彼の普段着のファッションも実にクールに見える。

 

コバルトブルーが煌めくアドリア海とその場所に生きる人々の群像劇が描かれる「紅の豚」は、一度見たら忘れられないひと夏の美しさと儚さを教えてくれる作品。 “カッコイイ豚” の活躍は必見だ。

 

 

■風立ちぬ

 

最後に紹介するのは、2013年公開の「風立ちぬ」。作家・堀辰雄の同名小説と実在した航空技術者であり、戦闘機・零戦の設計者となった堀越二郎を題材にした作品だ。

 

これまでのジブリ作品のようなファンタジーな世界観とは違い、日本の大正~昭和を舞台にした作品となっている本作。作中では第2次世界大戦へと突入するなかで、二郎がどのような体験をし、妻となる菜穂子とどんな恋をして、飛行機の設計に没入していったのかが事細かく描かれている。

 

出会いと別れを経て夢を追い続けた二郎の半生は、一瞬で過ぎ去ってしまう夏の季節とどこか重なる。ネタバレのため詳細は伏せるが、彼の愛した飛行機と妻の菜穂子、そのふたつの存在を踏まえて「生きねば。」という本作のキャッチフレーズに繋がるので、ラストまでしっかりと観ていただきたい。