10月からフジテレビの深夜アニメ枠で再アニメ化して話題沸騰中の「うる星やつら」。1981年から放送されていた旧アニメは、全218話の長期シリーズで、秀逸な回がいくつも存在する。そこで今回は「うる星やつら」旧アニメの神回を3エピソード厳選して紹介。
■第19、20話「ときめきの聖夜」
まず紹介するのが、第19、20話の「ときめきの聖夜」。
クリスマスが近づいたある日、いつも通りラムに邪険な態度をとるあたる。それに我慢ならないメガネ率いるラム親衛隊は、あたるに対してある作戦を企てる。なんと架空の女子からのラブレターを送ることによって、あたるを罠に嵌めて制裁しようと企むのだ。
しかし、ラムはそれが偽のラブレターだと知り、その架空の女子の代わりにあたるの前に姿を現す。事の真相を話したうえで、手編みのマフラーをあたるに手渡した。そんなラムの姿を見て「ラムってこんなにかわいかったけ」とあたるは独白。その後、「もう少し一緒に歩かないか」とラムを誘うのだった。
ラムの一途な思いとあたるの心の揺れ動きっぷりが、最高にドギマギさせる描写だったと言えるこの回。ラストシーンに雪が降り始めたのも乙な演出だった。
■第67話「君去りし後」
続いては、第67話「君去りし後」を紹介。
ラムが地球にやって来て1年が経過した。ラム親衛隊は来訪1年を記念して、パーティを開くが、参加者のあたるの機嫌がどうも悪い。なんでも勝手に自分の家に住み着いて、押しかけ女房を気取り、虫の居所が悪ければ電撃を喰らわすラムにうんざりだと語るのだった。
あたるの力説っぷりにラムは、「バイバイ」と言い残し去っていく。家に戻ったあたるは、ラムがまだ帰ってきていないことに気づき、机の上にラムお手製の自分の人形があることを確認。言い過ぎたと反省するあたるだったが、その晩も翌日もラムが姿を見せることはなかった。
迷惑な存在だと思っていた相手が急に消えたときの空虚感を事細かく描写した傑作回。夜のまちを彷徨うあたるの姿は、どこか悲しげな様子であった。
■第87話「さよならの季節」
最後に紹介するのが第87話「さよならの季節」。
深刻な顔つきで悩むあたる。彼は学級委員から身を引こうとメガネに相談を持ち掛けることに。しかし、あろうことかメガネは、あたるがラムから身を引くと誤解してしまい狂喜乱舞。自分の想い人であるラムととうとう付き合えると思ったのだ。
ところがこれを聞いていたしのぶが、ラムとあたるを離れさせないよう裏で根回しをする。その後、事態は思わぬ方向に進んでしまい、最終的にはあたるが他校の生徒に拉致監禁されることに……。しかし、メガネは徹夜で制作したモビルスーツを装着し、身を粉にしてあたるを救うのだった。
全力で戦ったメガネ。だがあたるの話していた内容が学級委員のことだったと聞き、白骨&白髪化して呆然とするのであった。アニメ版のメインキャラのひとりであるメガネにスポットライトが当たった神ギャグ回だったと言えよう。