日ハム大谷翔平、大活躍の裏に「横から目線」の指導術

人間関係

 

日本ハムの大谷翔平投手(22)が12月5日、来季の年俸を高卒5年目としては史上最高額となる2億7000万円で更改しました。投手として21試合に登板、10勝4敗、防御率1.86。打者として104試合に出場し、打率.322、22本塁打、67打点、7盗塁をマーク。ベストナインでは史上初となる投手と野手(DH)で選ばれ、MVPも獲得しました。これらの活躍に対する評価としての年俸が2億7000万円では「安すぎる」という意見が多いような気がします。球団の思惑はあるでしょうが、初めて200万人を突破した観客動員や「二刀流」としてのファンへのアピール、露出度を考えれば、確かにそうだったかもしれません。

 

この大谷の話題で見落とされがちなのが、関わった指導者たちの優秀さです。もちろん、大谷本人の資質の素晴らしさあればこそですが、彼の両親を始め、花巻東高校の佐々木洋監督、日本ハムの栗山英樹監督、それに現在の投手コーチである吉井理人氏らが、何より「横から目線」の指導をした(している)ことが大きいのです。

 

「コーチ」とは、どういう意味かご存知ですか。コーチとは、1. 公式馬車 2.(受験準備のために雇われる)家庭教師 3.(運動競技のための)指導者。コーチとは本来、「馬車」が第一義なのです。つまり、「指導を受ける者を運ぶ道具(乗り物)」なわけで、選手(部下、生徒など)が望むことを叶えてあげる指導者が本来のコーチの役目となります。

 

ところが日本の場合、「運ぶ人が主役」になりがちです。選手として成功した指導者が「オレはこれで成功したんだからお前もこれでやれ!」と教え子に押し付けます。ビジネスで成功した上司が「オレのやり方で間違いないんだから!」と部下に強要します。これは明らかに「上から目線」で、怒りやストレスを生み、ハラスメントとなります。女子サッカーのなでしこジャパンで成功した佐々木則夫元監督は、こう言っています。

 

「いつでも選手と同じ目の高さで、“横から目線”で接するように心がけていました。コーチが馬車なら選手は何だと思いますか。答えは“乗客”です。間違っても選手を“馬”と考えてはいけません。コーチ、つまり、指導者の仕事とは、選手を馬のようにムチで叩いて走らせるのではなく、乗客である選手たちを目標の地まで送り届けることです」

 

選手=クライアントという考え方が「横から目線」といえるでしょう。

 

選手(部下、生徒など)が言われたことができなかったり、やる気が感じられなかったりしても、ただ怒るのではなく、「なぜそのようになっているのか」をともに考える。彼らの「したいこと」を見つけ、それをやりたくなるように手助けをする。大谷はそういう指導者に恵まれたからこそ、今の大谷であるのです。あなたも「横から目線」でそういう指導者になってみませんか。

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瀬戸口仁

瀬戸口仁

1960年2月25日、東京生まれ。サンケイスポーツ新聞社でプロ野球を11年間担当。独立して1993年に渡米し、ニューヨークを拠点に13年間、メジャーリーグ、とくに日本人メジャーリーガーを取材。日本の新聞、雑誌、サイ...

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