40代未婚、不意に夢や子どもをあきらめる瞬間が訪れたら?

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<未婚・晩婚が社会問題化しているが、当の独身者たちはどう思っているのか。30~40代の独身男性から悩み相談を受けてきた人間関係コンサルタントの木村隆志氏は、残り40年を充実した人生にするために、夢や希望を言いふらすべきだと言う>

 

未婚・晩婚は、日本社会を物語るキーワードとなった。結婚するか否かは個々人の選択であるにもかかわらず、日本の人口減少とも関わることから、社会問題と化している。高い生涯未婚率がニュースとなり、いまや自治体が婚活を支援する時代だ。

 

では、当の独身者たちは、何を考え、どう思っているのだろうか。

 

これまでに5000人を超える30~40代の独身男性から悩み相談を受けてきたという人間関係コンサルタント/コラムニストの木村隆志氏は、『独身40男の歩き方』(CCCメディアハウス)を上梓。「恋愛と結婚」だけに限らず、「メンタル」「仕事」「人間関係」「趣味とお金」「ファッション」「健康」と計7ジャンルにわたり、40代独身男性のリアルなエピソードと具体的なノウハウを紹介している。

 

「これから恋愛・結婚をするもしないも『自由』。仕事、趣味、友人関係のどれに重点を置くかも『自由』。お金の使い方もファッションの選び方も、健康に対するスタンスも『自由』。そんな独身だから得られる数々の自由がある中で、どんな選択をしていくのか?」と、木村氏は「はじめに」で問いかける。

 

男性の平均寿命は80.5歳であり、残り40年を充実した人生にしてほしいと木村氏。「汚部屋に引きこもる休日。家族や友人を失ったとき、圧倒的な孤独が訪れる」、「『3人に1人は結婚できない』生涯未婚率の現実。1人で生きていく覚悟はあるか?」、「上司も部下も距離感が遠く、会社に話し相手がいない。ワーカホリックな日々に拍車がかかる」などなど、一見すると過激な"43の危機"を提示しつつ、その危機を把握し、回避するための方法を伝えている。

 

ここでは本書から一部を抜粋し、5回に分けて掲載する。第1回は「第1章 メンタル」より。

 


『独身40男の歩き方』
 木村隆志 著
 CCCメディアハウス

 

 

 

 

 

不意に、夢や子どもを完全にあきらめる瞬間が訪れる。「自分には何もない」虚しさが直撃



「同期の中で一番出世して、部署を取り仕切りたい」(41歳、金融業)
「いつか退職して、自分のお店を開きたい」(46歳、地方公務員)
「文学賞で入選して小説家になりたい」(43歳、人材派遣業).........仕事の夢や希望


「生きがいのテニスで、マスターズ大会に出場したい」(45歳、教員)
「犬と猫を2匹ずつ飼って、ペットに囲まれて暮らしたい」(44歳、介護)
「船舶免許を取って船の運転がしたい」(47歳、電気工事).........趣味の夢や希望


「友人がうらやましがる美人と結婚したい」(42歳、IT業)
「若い子と結婚して子どもを作ってキャッチボールしたい」(43歳、バス運転手)
「恋人と世界一周旅行したい」(45歳、宅配業).........恋愛・結婚の夢や希望

 

これらは、私の相談者さんと友人・知人に夢や希望を語ってもらったものだ。

 

仕事、趣味、恋愛と結婚。いずれのジャンルにしても、あなたはこのような夢や希望を持っているだろうか? その答えが「NO」という人も、20~30代のころまではこのような夢や希望を持っていたのではないか。

 

「はじめに」で書いたように、平均寿命まで生きるとしたら、まだ人生を折り返したばかりの40代で、「もうあきらめた」のであれば、それは残念というほかない。「本当はやりたかった」ことに挑戦する。あるいは、新たに夢や希望を探し直してもいいだろう。

 

【参考記事】未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

 

出版社の営業マン・忠司さん(41歳)とは、あるイベントの懇親会で出会ったのだが、見るからに温和そうで、仕事もプライベートも充実しているタイプに見えた。しかし、話せば話すほど、その印象は悪くなる一方。口をついて出る言葉は、「いやあ、僕なんてダメですから」「営業くらいしかできなくて、部下からバカにされていますし」「こんなオッサンだから結婚も無理だし、いつ孤独死してもおかしくないので」などグチのようなものばかりだった。しかも、苦笑いを浮かべ、自虐ネタとして笑わせようと思っているところが何とも痛々しい。その佇まいから「50代前半かな?」と思っていたところ、41歳と聞いて驚いた。眉間には深いシワが刻まれ、髪の毛はペチャンコで白髪交じり、疲れているのか何だか眠そうだ。忠司さんはなぜ10歳以上も年上に見えるほど、老け込んでしまったのだろうか。  

 

ところが、話を掘り下げて聞いてみると、「実は、かつて携わっていた編集の仕事に戻りたい」「実は、できることなら結婚して子どもが欲しい」という夢や希望を持っていることが発覚。自信はないながらも、夢や希望を話すときの顔はうれしそうであり、魅力のある男性に見えた。こんな表情を同僚や女性たちに見せられないから、けっきょく一人のままだし、自信が持てないのかもしれない。

 

 

忠司さんのように「夢や希望を素直に言えず、いったん胸の奥にしまっている」という40代の独身男性は多く、あきらめたようなフリをしているが、本心でないのは明らかだ。話し相手に「そんなことないよ」「まだ全然大丈夫」とフォローして欲しいのであって、「何とかしてあげようか」「助けてあげる」という申し出をじっと待っている。

 

そんな姿は周囲の人たちには"くたびれた中年男"や"ひがみっぽいオッサン"にしか見えず、特に年下女性たちからは、「気持ち悪い」と冷たい視線を浴びてしまう。そもそも「夢や希望を素直に言える」からこそ、「年下女性とつき合う若々しさがある」とみなされるのだから仕方がない。「ただ遠慮も自虐もせず、構えることなく素直に夢や希望を言えばいい」だけ。たったそれだけのことができないのが、40代の独身男性なのだ。スッと言えれば、「いい歳してみっともない」「今さら往生際が悪い」なんて言われることはないし、むしろ「若々しくていいね」と思われるのだから、大風呂敷を広げて欲しい。

 

夢や希望の中でも、40代の独身男性にとって特別なものは、自分の子ども。かつては「いらない」と思っていた人ですら、「自分の子どもがいないまま人生を終えるんだ......」という切ない実感が押し寄せる。人によっては、突然強い喪失感に襲われることもあるが、それは「本当は子どもをあきらめたくない」という本心に他ならない。

 

【参考記事】全米一の「しくじり先生」が書いた不幸への対処法

 

 

「この歳で子どもが欲しいなんて、図々しくて言えない」と考えるのは仕方がない気もするが、むしろ考え方は逆。もしあなたが30代の年下女性とつき合いたいのなら、ハッキリ言うほうが間違いなくチャンスに恵まれる。なぜなら彼女たちは、最も「妊娠・出産がリアルな目標」の年代だから。彼女たちにとっては、子作りの意思があいまいな30代男性より、ハッキリと意思表示してくれる40代のほうが結婚に踏み切りやすいことを覚えておこう。実際、私の相談者さんにも子作り願望が一致した40代男性と30代女性のカップルは多く、出会って数か月でスピード結婚している。

 

60代以上の高齢者を見れば、老け方の個人差が大きいことは一目瞭然だ。若々しい高齢者が例外なく持ち合わせているのは、形のないもの。老け込まないためには、お金や物などではなく、愛情、友情、信頼、生きがい、幸福感など、形のないものが重要であり、その最たるものが、夢や希望と言える。

 

前項目で書いた"言霊"の考え方をここでも採用して、夢や希望は「聞かれなくても自分から言いふらす」くらい言葉として発していったほうがいい。そうすることで自ら実現に向けて動き出しやすくなるし、周囲のアシストも受けやすくなるものだ。反面、「あきらめた」なんて言っていたら、ますます夢や希望が遠ざかってしまうし、その目は日に日に輝きを失い、老化のスピードは加速度を増していくだろう。

 

これを読んだ今この瞬間から、あなたの夢と希望に向けて歩き出して欲しい。

 

 

.........夢や希望を言いふらし、「子どもが欲しい」と意思表示しよう

 

 

※シリーズ第2回:40代独身男性はスーツをどのように着ればダサくないか 

 

 


『独身40男の歩き方』
 木村隆志 著
 CCCメディアハウス

 

 

 

文:ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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