醤油の種類が、「はま寿司」を急成長させた!?

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出典:はま寿司総合サイト

 

「はま寿司」の成長が著しい。この調子を維持すれば、業界トップに立つ日がやって来るかもしれない。なぜ、ここまで急成長したのか。

 

経営母体である「ゼンショーホールディンクス」の巧みな戦略が功を奏している。さまざまな業態で蓄積してきた、市場分析力、商品開発力に加え、多店舗展開のノウハウを有していることは大きい。「すき家」「なか卯」「ココス」「ビッグボーイ」「ジョリーパスタ」など、多種多様なブランドを展開している。

 

こうした強靭な経営力が、「はま寿司」を急成長させているのだが、店舗運営の細部においても、巧みな戦術を披露している。「はま寿司」は、定番の寿司の種類が多い上、何種類かの醤油を用意して、客の多様な志向に応えようとしている。

 

「スシロー」「くら寿司」「かっぱ寿司」などでは、醤油1種類と「甘ダレ」を置いている程度だが、「はま寿司」は、醤油4種類と「ポン酢」「甘ダレ」を用意している。醤油は、「特製だし醤油」「北海道日高昆布醤油」「九州甘口さしみ醤油」、そして地域によって、「濃口醤油(東エリア)」と「甘口醤油(西エリア)」のどちらかを揃えている。

 

これが、何を意味するのか。好みの醤油が選べる、という単純な話ではない。

 

ネタによって替えることができるだけではなく、寿司としての味そのものを変えてしまうのである。

 

同じネタでも、醤油を替えるだけで、まったく違う味となる。考えれば当然の話だが、醤油が違うだけで、「美味しい」「マズい」が分かれてしまうのである。

 

昔聞いた、寿司屋の大将の言葉を思い出した。

 

「寿司屋に客が来なくなったら、醤油を替えれば良い」

 

ネタの違いは素人にはわかりづらいが、醤油の違いは誰でもわかり、客の好みを左右するということである。醤油は寿司にとって、それだけ重要な役割を果たすのである。もし、1種類しかなく、口に合わなければ、ネタがどれだけ良くでも、二度と行かないのである。

 

「はま寿司」の醤油は、「ポン酢」を入れて5種類。単純に考えると、客の好みに合う確率は5倍。混ぜて使えば、さらに数倍。

 

「はま寿司」の味を好きだと思う人が増えるのは、当然のことなのである。なぜ、他の店がやらないのかが不思議なくらいである。

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佐藤きよあき

佐藤きよあき

1961年兵庫県生まれ。広告デザイン会社にコピーライターとして勤務の後、プランナー・コピーライターとしてフリーランスに。モノづくりへの興味から、仕事を継続したまま、木のおもちゃ制作を開始。ネット販売に着手...

佐藤きよあきのプロフィール
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