【オーサーに聞け! Vol. 1 】右脳でも左脳でもどっちでもいい。脳の活性化に大切なのはそこじゃあない!

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新連載『citrusオーサーに聞け!』がスタート。第1回に登場するのは脳神経外科医の菅原道仁先生です。読者の皆さまから寄せられた「脳にまつわる疑問・質問」に回答してもらいました。

 

夢の中で、見知らぬ街並みや斬新な構図の絵画があらわれます。なぜ見たことのないものが夢に現れるのでしょうか? またその夢を忘れないようにするにはどうすればいいでしょうか?(男性・65歳)

一度は現実で目にしたことのあるものかもしれません(菅原)

人間は日々の生活で、道端の看板、今日会った人の顔や服装など、様々な情報を意識・無意識に関わらず得ています。常に脳に入り込んでくる膨大な数の情報は、無造作に詰みあげられた本を作者や出版社、不要な本として分別するように、レム睡眠(浅い眠り)の時に整理整頓しているのです。

 

夢はレム睡眠時にみると言われていますので、「経験したことのない……」とのことですが、もしかしたらテレビ番組や映画、本などで無意識に見ていたのかもしれません。

 

夢を忘れないためには、夢の内容を忘れないうちにメモをとるのは効果的です。

 


危険な頭痛と心配ない頭痛、どう区別すればいいですか?(女性・68歳)

                                        

「突然痛くなる」「今までに感じたことの無い痛み」の頭痛は、すぐに病院へ(菅原)

 

頭痛の原因は様々ですが、すぐに処置が必要な緊急性の高い頭痛には「クモ膜下出血」等が考えられます。これを見分ける大きなポイントは「突然痛くなる」または「今までに感じたことの無い痛み」であるかです。

 

こういった痛みを感じたときは、なるべく早く病院へ行くことをオススメします。逆に長期間続く慢性的な頭痛で特に多いのは、PCやスマートフォンの長時間使用による“肩こり”や“眼精疲労”等に起因する頭痛です。生活習慣による頭痛は、日々の生活スタイルを見直すのもひとつの手です。それでも頭痛が続く場合は放置せず病院で相談をしましょう。

 

 

最近物忘れがひどく困っています。物忘れを治す方法ってありますか?(女性・43歳)

 

人間は忘れる生き物です!(菅原)

携帯電話が無かった時代は、私も仲の良い友人の電話番号などいくつも覚えていましたが、今は電話番号なんてほとんど覚えていません。人間の脳は、いらないと判断した情報はどんどん忘れていくのです。

 

物忘れしないためにできる工夫があります。“大切な情報”だと脳に認識させることでその情報を忘れにくくなります。その条件を3つ、お伝えします。

 

■繰り返しでてくる情報
生活の中で何度も出てくる情報は必要な情報と判断されます。くり返してつぶやいたり、 メモに書き出したりと、何度かくり返すことで忘れにくくすることが可能です。

 

■興味のある情報
人の名前など、記憶しておきたい情報には興味を持ってください。名前を覚えているということは、自分がその人に興味を持っていることの証左です。スポーツが好きな男性は、選手の名前がスーッと頭に入る。女性の場合ですと、たとえば長~い化粧品の商品名も覚えちゃいますよね。

 

■感情に訴えかける情報
人は“怒り”、“悲しみ”、“喜び”など感情に紐づいた情報は忘れにくい傾向にあります。忘れたくない出来事に具体的な感情を紐付けることを日常化しましょう。

 

見方を変えれば、失恋や仕事の失敗などは悲しみの感情が伴うため、忘れたくても忘れにくい、つらい記憶になります。もし人間がすべての情報を忘れずに記憶してしまうとしたら、いずれ薄れるであろうつらい記憶も忘れられず、耐えられないはずです。

 

忘れることで気持ちが前を向くこともあります。忘れることが良い場合もあることを忘れないでください。

 


いくら寝ても眠いし、まるで脳にラップがかかったような感じです。これは何なんでしょうか?(匿名希望)

 

睡眠の質が悪く、脳が休めていない可能性があります(菅原)

 

脳の休息と睡眠の質の関係を知りましょう。夜にちゃんと寝ているのに昼間も眠い場合は、睡眠障害ではなく、睡眠の質が悪く脳がうまく休めていないことが考えられます。きちんと脳を休息させるには、深い眠りに入れていることが重要です。

 

そのためにはまず「寝具を見直す」こと。ベッドの硬さや、布団の重さで睡眠の質を下げていることもあります。そして「入眠前の入浴」をおすすめします。睡眠前に、お風呂に浸かったり半身浴をすることで体温を上げ、深い眠りへ入りやすくなります。また、寝る直前は、ブルーライトを視覚から取り込んでしまうPCやスマートフォンの使用は避けましょう。アロマテラピーなどで心をリラックスさせるのも効果的です。

 

リラックスというと「お酒」をイメージする人もいるかもしれませんが、やめましょう。寝酒は、深い眠りを遠ざけてしまいます。それならば、睡眠導入剤の服用をおすすめします。

 


落ち込んだり、ストレスがたまると、つい食べすぎてしまいます。脳科学でダイエットコントロールをする方法はありますか!?(匿名希望)

 

「摂取カロリーより消費カロリーを増やす」しかありません(菅原)

 

体重を減らすには「摂取カロリーより消費カロリーを増やす」ことしかありません。摂取カロリーをコントロールするには、どれだけカロリーを摂取しているか事実を認識することが重要です。細かく記録をしなくても、スマートフォンで食べた物の写真を撮り、自分がどれくらいのカロリーを摂取しているのか、まずは知ることから始めましょう。つい食べてしまわないためには「買わない・見ない・取らない」から始めてみてはいかがでしょうか。

 


パソコン操作で指を動かしたり考えたりすることは、脳の活性化につながりますか?(女性・38歳)

 

パソコンにはメリットもありますが、デメリットもあります(菅原)

指を動かすことは脳の活性化には良いでしょう。しかし便利なパソコンを使うことで日ごろ使っていた漢字が書けなくなったり、とっさの時に思い出す「思い出し力」が下がってしまいがちです。

 

高齢の患者さんの中でも、デジタルに明るくSNSやブログで情報を発信している方のほうが元気な方が多いのはたしかです。そういった方たちが他の高齢者と違うのは、パソコンを使っていることよりも、いつまでも好奇心旺盛が旺盛なことが理由ではないかと考えています。ただ「パソコンを使うこと」よりも、「パソコンを使って新しいことにチャレンジする」ことが重要なのではないでしょうか。

 


子供を「右脳教室」へ通わせるか迷っています。右脳を鍛えることに意味はありますか?(匿名希望)

 

右脳でも左脳でもどっちでもいいのですが、大事なことを忘れてはいけません(菅原)

人間は右脳も左脳もまんべんなく使っています。肝心なのは「右脳教室」か「左脳教室」かではなく、お子さんがその教室のカリキュラムに興味を持って取り組めるかどうか、です。ワクワク興味を持って取り組めれば、結果的に右脳も左脳も使うことになります。何かに特化して能力を高めたいのであれば、それを毎日継続して打ち込むことが重要ではないでしょうか。

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菅原 道仁

菅原 道仁

All About「家庭の医学」ガイド。現役脳神経外科医。脳血管障害を中心に、救急医療からリハビリテーション、予防医療までの現場経験を元に、くも膜下出血・脳梗塞・認知症などに代表される脳・神経の病気について、...

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