恋愛に臆病な女子にとっての「仮氏」とは

人間関係

 

今日は、ちょっと前(12月12日)に情報ニュースサイト『Abema TIMES』から発信された「男をバカにしている? “仮の彼氏”こと『仮氏』がネット上で話題に」というタイトルの記事をピックアップしてみたい。

 

最近、若者を中心に「仮の彼氏=仮氏」なる言葉が流行っているらしい。本気の恋で失敗しないように恋愛の準備運動をするためのものだという。

 

この言葉の生みの親は、『夢を叶えるゾウ』などで知られるベストセラー作家・水野敬也氏で、元々は「理想の男を手に入れるための『仮』の彼氏をつくるのだ。そして仮氏を踏み台にしてより高い男へと飛び立つのである」(『スパルタ婚活塾』の一節より)といった、恋愛に臆病になってしまった女性へのアドバイスであったのだそう。

 

「仮氏」には「男性心理を勉強できて恋愛スキルを高められる」「寂しさから来る焦りを抑えて心に余裕ができる」「女性としての自覚が持てる」……などの利点があり、これら女性目線のご都合主義に「男も同じようにしていいってこと?」「恋愛において男性に決定権はないのか?」……との反感の声も少なからずあがっているとも聞く。

 

とりあえず、「仮氏」とはなかなか上手く言うなぁ……と純粋に感心した。まず、パッと見では誤読してしまうほど「仮」と「彼」の字面が似ている点が、造語として相当に完成度が高い。「(か)れ」と「(か)り」が同じラ行であるのも語感として心地良い。「仮氏」があるなら、当然「仮女(かりじょ)」だって確実に存在するわけだが、「(か)の」「(か)り」と、ナ行とラ行に行がズレてしまうぶん、「かりし」よりも語呂が悪い。

 

私は「仮氏」だけが「仮女」を置いてきぼりにしてフィーチャーされている理由としては、「女子が男子より恋愛に臆病」であることより、単純にこういう耳馴染み的な問題が大きいのではないかとにらんでいる。イマドキ若い子たちは、むしろ「男子のほうが恋愛に臆病」な気さえする。なので、別に「男をバカにする」ような悪意もないのではないか。「仮氏」のほうが、“流行語”としてのスペックが「仮女」より若干勝っているだけなのだ。

 

 

 

■ややこしいことをいわずに手っ取り早く付き合ってみたら?

 

 

さて。「完成度の高い流行語」として、いきなりちまたに流通し出した「仮氏」であるが、表現を変えれば、いわゆる「つなぎの彼氏」ことである。そう解釈すれば……女子側にも男子側にも昔から普通にありましたよね? こういうケースって。とくにクリスマス前とか……。数年前に流行った「ソフレ(=添い寝フレンド)」なんかも、拡大解釈すれば「仮氏」「仮女」の一種なのかもしれない。つまり、さして目新しくもない現象が、たまたまそれにジャストフィットする造語と出会い、そのフォローによって、追い風に乗ってしまったとしか私には思えない。

 

ただ、ニュアンスとして「つなぎの彼氏」より「仮の彼氏」のほうが、取り付く島もない印象は否めない。「つなぎ」はまだ「腐っても彼氏」、すなわち“本命”への昇格の可能性も辛うじて残されているが、「仮」はあきらかに「彼氏とは一線」を画している。「仮氏」という言葉の響きには、「恋愛に臆病な女子」が無駄なモラトリアムを自身に許容してしまい、結果として、いつまでたっても“筋トレ”期間が終了しない「恋愛に対して、より頑なな女子」を増産しかねない危険性が潜んでいる。彼氏が欲しいなら「仮」だとかややこしい段階を抜きにして、「つなぎ」でもいいから手っ取り早い男子と試しに付き合ってみれば、“試合”を組んでみてもいいじゃないか。

 

私は「好きなタイプの女性の性格は?」と訊ねられたとき、「初めて出会ったその日に告白して付き合ってくれるような話の早い子」と答え、よく「え〜!? それって誰でもいいってことじゃん!」などとひんしゅくを買ったりするのだが、私が言う「話の早い子」とは、前述したような奥深いメタファーが含まれていることを、女子の皆さまにはゼヒとも汲み取っていただきたい。

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山田ゴメス

山田ゴメス

1962年大阪府生まれ B型。 ネットニュースパトローラー(※citrus限定肩書き。たまにスポーツ新聞や週刊誌も。略して「NNP」)。 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッショ...

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