デマ拡散に注意!SNS時代、最低限身につけておきたい情報リテラシー

テクノロジー

 

■Facebook、フェイクニュース注意喚起へ

 

2016年11月、米国の大統領選で、Facebookにおいて候補者のフェイクニュースがユーザー間で拡散され、選挙結果に影響を与えた可能性があるという指摘があったことは誰もが一度は耳にしたのではないでしょうか。

 

これをうけてFacebookは、ニュースフィードに表示されるコンテンツが正しくかつ意義があるものであることがとても重要だと考え、利用者の方達の声や傾向をきくことでニュースフィードに表示されるニュースの質を上げるよう、試験運用など取り組みを行うことを発表しました。

 

提携する第三者機関がニュースをチェックし、疑わしいと判断したニュースには「虚偽を疑われたコンテンツ」という表示が付きます。また、そのニュースをシェアしようとすると、「本当にシェアしてもいいか」という確認画面が表示されます。同時に、​利用者がコミュニティで真偽が疑われるニュースを見つけた際、簡単に報告できる運用を試験的に行なっています。

 

米国の大統領選では、Facebookでは様々なフェイクニュースがシェア、拡散されました。たとえば、「ローマ法王がトランプを支持」という記事は10万件シェアされましたが、このニュースがデマであると報じた記事は7万件のシェアにとどまりました。その他、「トランプの集会で抗議した人は3500ドルで雇われていた」「WikiLeaksによるとヒラリーはISISに武器を売った」などの、数多くのデマが拡散されました。

 

調査した結果、トランプ支持派だけでなく、10代の少年たちが広告収入目的で大量のトランプ支持デマニュースサイトを配信していたことが分かっています。「トランプ支持」とした理由は、その方が多数のアクセスを獲得でき、儲けられると判断したためでした。


 

■日本でもはびこるフェイクニュース

 

このように、インターネット上で得られる情報は必ずしも真実ではありません。同様のことを感じさせる事件が、日本でも起きています。たとえば昨年末頃に大きく話題となった、DeNAの運営していた医療系キュレーションサイト「WELQ(ウェルク)」問題です。

 

「WELQ」は医療・健康情報を扱うメディアでありながら、薬事法違反や他のサイトからの無断転載が多く見られました。検索結果で上位に表示されていたものの、SEO対策(GoogleやYahooの検索結果の上位に表示されるようにする対策)を施していただけで、専門家はまったくタッチしておらず、内容はまったく正確ではなかったのです。

 

その結果、同じくDeNAが運営する「MERY」「iemo」などの9つのキュレーションサイトと共に閉鎖となった他、サイバーエージェントの「Spotlight(スポットライト)」、Yahoo!の「TRILL(トリル)」、リクルートホールディングスの「ギャザリー」なども一部記事の公開を取り下げるなど、大きな影響がありました。大手企業が運営しているサイトというだけでは、信頼できないことがわかったのです。


 

■正しい情報は情報の発信元を確認

 

「知りたいことがあったらまず検索」という人は多いでしょう。けれど、検索結果で上位に表示されている記事でも、安易に信用しすぎないことが大切です。Googleなどの検索エンジンは、あくまで自社の考えるアルゴリズムにより有用性が高いと思われる記事を上位に表示しているだけであり、検索結果の正確性については保証していないのです。調べものをした際によく目にするWikipediaの内容も、正しいものばかりではないことは有名です。

 

情報が正しいかどうかを判断する材料は、情報の発信元が信頼できるかどうかが一番重要です。たとえば省庁などの公的機関の情報は一番確実です。その他、新聞社やテレビ局などの大手メディアが報じている情報や、企業などが公式サイトなどで報じている内容も、正しい可能性が高いでしょう。インターネットで情報を得たら、複数の情報元を当たることも大切です。複数の信頼性の高い情報元が同様な情報を発信している場合は、やはり情報が正しい可能性が高くなります。


 

■SNSでのデマ拡散に注意
 

冒頭でご紹介したとおり、SNSではデマが拡散されやすい点は忘れてはいけません。2016年4月に起きた熊本地震では、「おいふざけんな、地震のせいで うちの近くの動物園からライオン放たれたんだが 熊本」というデマツイートが流れました。写真付きだったこともあり信用されて拡散されましたが、実際はこの写真は海外での映画撮影時の画像を流用したものでした。ツイートをした20歳男は、偽計業務妨害罪で逮捕されています。

 

デマを拡散してしまうと、自らの信頼性に傷がつくだけでなく、他人に迷惑をかけることになってしまいます。SNSで多数シェアされている情報や知人・友人がシェアしている情報でも信頼できないことがあるので、注意が必要です。先程のライオンが逃亡した例で言えば、検索してこのツイート以外情報元がないこと、他の画像がないことに気がつけば、信頼できない情報であることがわかったはずです。写真は簡単に加工できるので、写真付きというだけでは信頼できないことも忘れてはならないでしょう。

 

残念ながら、インターネットで得られる情報は必ずしも正しい情報とは限りません。情報の真贋を見極めたり、正しい情報を探し出す能力を身につけることが求められているのです。

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ITジャーナリスト

高橋暁子

元小学校教員。Webの編集者などを経て独立、現職。 書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。SNS...

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