“私「ここ空いてますか」 女性「指定席券を買ってあります」”問題を考える

人間関係

citrus matsuzo

“私「ここ空いてますか」 女性「指定席券を買ってあります」”問題を考える

http://matsuzo.up.n.seesaa.net/matsuzo/image/cca1cbdc.jpg?d=a0

 

この投稿者63歳に対して冷たい反応が多いことに驚いた。なぜ、若者はこの投稿にこんなにも否定的なのだろう。スレに「老害」という言葉も目立つが、だいたい「老害」というのは、以下のようなことをさす。こういった状態であれば、たしかに「老」は「害」になり得る。

 

1.企業や政治の指導者層の高齢化が進み、円滑な世代の交代が行われず、組織の若返りがはばまれる状態。(大辞林 第三版)

 

2.企業や政党などで、中心人物が高齢化しても実権を握りつづけ、若返りが行われていない状態。(デジタル大辞泉)

 

しかしながら、何でもかんでも「老害」という言葉をもって反応するのはいかがなものか。この言葉は、決して感じのよい言葉ではない。

 

年齢的にいうと、私は、この投稿者の投げかけに対し面白半分馬鹿にした反応をみせる若者たちと、この投稿者の、ちょうど中間あたりにいる。わかっているようで何一つわかっていない(ということさえ、わかっていない)若さゆえの傲慢さも満喫したし、リタイア・老後というものもおぼろげながら意識する年代にはいった。ちらほらと白髪がではじめ、しわは増えつづけ、体力は落ち、肉体的な衰えは認めざるを得ない。

 

だから、両方の側からの景色が見える。63歳のこの投稿者の、混雑のなかでのしんどさも想像できる。威勢のよい若い世代に言いたいのは、「みな例外なく年をとる」ということだ。「衰える」、「老いる」、ということが体感できる年齢に達したら、この投稿者に対する彼らの見方は、きっともう少し優しいものにかわるだろう。

 

 

投稿者は、一つも非難がましいことは言っていない。ご自分の経験に困惑し、問いを投げかけられただけだ。そんな投稿者に対し、

 

人が座ってるとこ指して「空いてますか?」って超絶うざいな

これで63歳だからな
新聞に投稿する知的派だと思い込んでる可能性もある
おわた

ガキは人じゃねえっていう考え方なのかねこの老害

老害の極み

 

などとあざ笑うのは品がない。

 

病人とか今にも倒れそうな老人ならともかく、この場合指定席を買って犬を乗せている女性に何の落ち度もない。

 

自由席については、料金を払っておらず席を占領する親は実際にいるから、空けてもらって正解。別に居心地悪く主必要なし。

 

そもそも、年末の混雑が当然予想される時期に、指定席券を購入しないのが一番の落ち度でしょ。

 

60年以上生きていて、わからないのかな。

 

思いやりとか、人の気持ちを考えようとか、そんなことは個々人の基準で違う。私ならこの老人に譲る気は無いわ。

 

という意見もあった。確かに投稿者は、指定席券を事前購入していればよかったのかもしれない。だが、指定席券を持っているからいい、というだけの問題だろうか。JR東日本のサイトから抜粋した以下の規約をみてほしい。

 

有料のもの

 

●小犬、猫、鳩またはこれらに類する小動物(猛獣やへびの類を除く)で、
・長さ70センチ以内で、タテ・ヨコ・高さの合計が90センチ程度のケースにいれたもの
・ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内のもの

 

●手回り品料金は、1個につき280円です。ご乗車になる駅の改札口などで荷物をお見せのうえ、普通手回り品きっぷをお求めください。

 

閑散期ならともかく、乗車率150%などと報道される繁忙期に、「子犬の入った小さなバスケット」に指定券を買う、という行為じたい、そもそも妥当なのだろうか。たかだか数時間、自分の膝の上に愛犬の入ったバスケットを載せておくことがそんなに大変なことだとは思えない。「個人の自由」と言われてしまえばそれまでだが。

 

 

先の東日本大震災において、あの大惨事のさなかでも他人を思いやって行動する日本人の姿は、世界中の賞賛を集めた。不文律の「他人に対する思いやり」が「権利の主張」に優先されるのが、日本人の美徳のひとつではなかったか。

 

最後に気持ちが救われた意見をひとつ。

 

指定席の座席は車内で買える。同一区間のチケットは一人一つまでしか使えない。ペットは手荷物扱い。これだけ情報が出てて結論が老害って、何だこのスレ?

 

問題がないとはいえないが、相対的にみれば安全で、自由が保障され、豊かな現在の日本に暮らす有難さ。戦後の日本を支えてきた団塊の世代やそれより上の老年層に対し、私達はもう少し感謝の念をもって彼らに接するべきではないだろうか。

 

さらに言えば、老人だけでなく、身体・精神障害者、若年貧困層、ひきこもり、ホームレスなど、社会の「弱者」と呼ばれる人たちに対し、もう少し包容力を持つことを提案したい。このご時世、自分や自分の身内がいつ「弱者」になってもおかしくない。

 

参照:

私「ここ空いてますか」 女性「指定席券を買ってあります」 新幹線で、私は虚を突かれた思いがした(2chまとめとは限らない)

手回り品(JR東日本)
私「ここ空いてますか」 女性「指定席券を買ってあります」 新幹線で、私は虚を突かれた思いがした:哲学ニュースnwk(楽天Social News)

私「ここ空いてますか」 女性「指定席券を買ってあります」 新幹線で、私は虚を突かれた思いがした:哲学ニュースnwk(はてなブックマーク)

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

matsuzo

仕事、家庭、子育てに自分育て。はた、と気がつけば、海外生活20年。マルチカルチュラルな環境で、自転車操業的な毎日を送る、Working Mom。  現在フルタイムで大学勤務のかたわら、細々とライターのお仕事も。時事問題、自己啓発、スピリチュアル、ワーキングママ、海外関係(国際結婚、国際子育て、異文化コミュニケーション、etc.)などをテーマに、記事やコラムを書いています。

ページトップ