14歳の娘が緊急避妊をしていたら…

人間関係

清水なほみ

14歳の娘が緊急避妊をしていたら…

先日緊急避妊を希望して14歳の中学生が1人で受診されました。

 

緊急避妊薬を処方する時は、必ず「いつもはどのように避妊していますか?」という質問をします。14歳のその患者様は、臆することなくさらっと「いつもはコンドームで」と答えてくださいました。セックスを行うことは、彼女にとって当たり前のことのようでした。

 

診療を行う上で大切にしていることは、何歳であってもどのような状況であっても、その患者様を否定したり責めたりはしないことです。なので、その患者様にも普通に緊急避妊薬を処方し、今後の避妊についてきちんと考えて欲しい旨をご説明しました。

 

14歳がセックスをすることをどう思うかは、人それぞれだと思います。

 

 

昔は「15で姉やは嫁に行き」なわけですから、もしかしたら14歳でセックスするなんて早すぎる!と思うことは、偏見なのかもしれません。

 

でも、「親の立場」で考えると、やっぱり中学生の娘にセックスはしてほしくないと思うだろうな~、と考えてしまうわけです。私自身2人の娘を持つ母親ですが、娘が14歳で緊急避妊が必要な状況になっていたと知ったら、多少なりとショックを受ける気がします。

 

もし、自分の娘が14歳でセックスをしていたとしたら、きっとこんな風に話すだろうなと考えています。

 

まず最初に伝えておきたいのは、セックスは悪いことでもないし、不潔なことでもないし、むしろとても素晴らしいコミュニケーションの方法だよ。

 

でも、同時にリスクがあるものでもあるから、ちょっとだけお話しさせてね。

 

 

あなたの母親として、そして、ちょっとだけ先を歩いてきた同じ「女性」として、伝えておきたいことがあるの。

 

何歳だからセックスしてはダメなんてことは言うつもりはないし、もしあなたが今の彼との関係においてセックスはとても大切で、セックスをすることで幸せを感じられるのであれば、それを否定しようとは思わない。

 

でも、もしほんのわずかにでも「まだ早いかな」とか「本当にしていいのかな」とか、ネガティブな気持ちや後ろめたい気持ちがあるのだとしたら、今はセックスをするよりも先に、その気持ちを正直に彼に伝えることの方が大事。

 

そして、自分の気持ちを大事にして、どうやったら自分の体や心をきちんと守れるのかを学んでほしい。

 

セックスは素晴らしいコミュニケーション方法だけれど、同時に「安易な」方法にもなりうるから、他のコミュニケーション方法を学ぶ前にセックスばかりに頼ってしまうことは、彼といい関係を保つ妨げになってしまうかもしれないよ。

 

 

セックス以外のコミュニケーションをもっと楽しんだ方が、より深い関係になれるものなんだよ。

 

そして、ちゃんと色々考えて出した結論が、やっぱりセックスは必要ということであれば、安全にセックスをするために必要な知識をきちんと身に着けて欲しい。

 

セックスには、「妊娠」と「性感染症」というリスクが伴うもので、それらのリスクを背負うのは多くは女性側だから、女性であるあなたが自分で自分の身を守る必要があるんだよ。

 

もし彼が「コンドームを使いたがらない男性」なら、悪いことは言わないから今すぐに別れなさい。

 

あなたはとってもいい女なんだから、そんな男で妥協するなんてもったいない。

 

 

絶対に、もっとあなたの事を心から大切にして、本当に愛してくれる人が見つかるから、自分本位のセックスをするような男性はあなたからさよならした方が幸せになれると思うよ。

 

こんなにまどろっこしいことを話すのは、私にとってあなたがとても大切だからだよ。

 

できれば傷つくようなことはして欲しくないし、幸せに恋愛を楽しんでほしいと願っているからなんだよ。

 

あなたと恋バナができるのは、とても楽しいことだから、何でも話してくれると嬉しいな。

 

実際、娘たちが「お年頃」になった時に、どんな風に接することができるかは、まだわかりませんが、きっとその頃には娘たちは私の職業の事も分かっているでしょうから、その点も踏まえてお話ししていくことになるでしょうね~。

 

 

ちなみに、今はまだ、長女に聴診器を当てると「お母さん、お医者さんみた~い」と言われてしまいます……。

 

※情報は2016年3月24日現在のものです

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清水なほみ

女性医療ネットワーク発起人・NPO法人ティーンズサポート理事長。日本産婦人科学会専門医で、現在はポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長。女性医療の先駆者の下、最先端の性差医療を学び、「全ての女性...

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