都道府県によってかかりやすい「がん」があった! 国立がん研究センターの調査で明らかになった死亡率格差とは?

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日本人の2人に1人がかかり、死亡原因のトップである「がん」。最近ではタレントの北斗晶さんが、闘病の末に芸能界復帰を果たすなど、早期発見や高度医療等により、必ずしも死に直結する病ではなくなったが、やはり、できることならばかかりたくはない。

 

そのがんについて、意外な事実が明らかになった。

 

1月7日に発売された『がんで死ぬ県、死なない県(NHK出版新書)』(松田智大/NHK出版)は、がんの罹患や死亡率について、統計結果から「地域差」が存在しているとし、都道府県別にがんをひもといた、本邦初の一冊だ。

 

根拠としたのは、著者である松田智大氏が所属する、国立がん研究センター公表のデータ。各都道府県が実施している「地域がん登録」をもとに、部位別の罹患率、死亡率をまとめたもので、2016年に初めて47都道府県分が出揃ったという。

 

この調査が画期的なのは、都道府県によって罹患しやすいがんが異なること、また、罹患後の死亡率にも罹患のしやすさとは異なる地域差があることを明らかにした点です。

 

例えば、新潟県は食道がん、鳥取県は子宮頸がん、石川県は咽頭がんに、それぞれかかりやすいことがデータの数値から読み取れる。

 

また、がんになる人は突出して多くないものの、全国で最も死亡率が高く「がんで亡くなりやすい」のは青森県、そうかと思えば、全ての部位のがん罹患率が高めにもかかわらず、死亡率は全国トップで低い長野県のような地域もあり、「かかりやすい」=「亡くなりやすい」というわけではないということも分かる。

 

一体なぜ、このような格差が生まれるのか。松田氏はこう解説する。

 

「地域」を見ることは、文化や環境要因を見ることにほかなりません。(中略)文化的な背景を持つ各地特有の要因が、がん罹患と密接に関係しているということなのです。

 

本書によると、塩分の濃いものを食べる、酒どころで飲酒量が多いなど、その土地固有の習慣は少なからず影響しているという。

 

食生活に限ったことではない。例えば、乳がんの罹患率が極めて高い東京都は、全国で最も出生率が低い。長期間分泌することで、乳がんリスクを高めるホルモン、エストロゲンが出産や授乳で抑制されることから、実は出生率と乳がんは強い関連性を持っているという。

 

女性の社会進出が目覚しい首都圏では、子供を産まない選択も一般的であることを考えると、がん発症は地域の特徴的なライフスタイルに起因すると言わざるを得ない、と松田氏は解説している。

 

死亡率に関しては、交通機関の不整備で物理的に検診へ行きにくい、がんと診断された患者が迅速に治療を開始できる仕組みが構築されていないなど、地域の行政や医療の課題もあるようだ。

 

食事や生活習慣の見直しに加えて、本書で居住地のがん傾向を知り、地域の行政と医療へ今以上に関心を持つことが、がんにならないための有効な予防策と言えるだろう。

 

文=吉田裕美

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