【大人のSNS講座】読む人をウンザリさせるフレーズ

人間関係

 

じつは、最初は「こういうフレーズを使う人には要注意」というタイトルで書き始めたんですが、考え直してこう変えました。これから「無闇に攻撃的になるくだらなさ」みたいなことを書こうとしているのに、たまたま発した言葉を取り上げて、鬼の首をとったみたいに人格を丸ごと否定するのは、ちょっと違うかなと思った次第です。

 

たしかに、使う言葉はその人の「本性」を表わしてしまいがち。ただ、何気なく使っていることもあるし、周囲の人や環境の影響で「そういう言い方がカッコイイ」と勘違いしている気の毒なケースもあります。フレーズを憎んで人を憎まず。人間はいろんな面を持った複雑な存在なので、即座にマイナスのレッテルを貼る必要はありません。世の中のあれやこれやをすぐ「敵と味方」に分けたがる風潮にも、地道に異を唱え続けたいと思っています。

 

そんなわけで「こういうヤツはダメだ!」という勇ましい方向ではなく、「フレーズの危険性」に焦点を当てることにしました。知らないあいだに読む人をウンザリさせたり「もしかして困った人なのかな」と誤解されたりしないために、気を付けたほうがいいフレーズをチェックしておきましょう。

 

■読む人をウンザリさせているかもしれない4つのフレーズ

 

「最近の○○はダメになった」

「いま、いちばん△△な~」

「日本人ならそういうことはできないはず」

「そんなこと気にしていたらSNSなんてできない」

 

自分がたまに使っていたり、しばしば見かけたりするフレーズもあるでしょうか。これらがなぜ読む人をウンザリさせるのか。それぞれ手短にご説明します。

 

「最近の○○はダメになった」

「最近の政治家は」「最近のテレビは」「最近の池袋は」……などなど、どんなものにも使えます。たいていの場合は、客観的な根拠はもちろん理由すらありません。とにかく何かにダメ出しをして、自分の小さなプライドを安易に満たしたい場合に使われます。このフレーズを得意気に使っている人を見ると、年齢や経験にすがりたがる姑息さや頭の固さといった「悪い大人力」が漂ってきて、ウンザリせずにはいられません。お気を付けください。

 

「いま、いちばん△△な~」

「いま、いちばんオシャレなカフェ」「いま、いちばん注目されている女優」……などなど、これもいろんなものに使えます。このフレーズが好きな人は、それを「いちばん」と認定する自分の感性を自慢したいだけ。広い視野を持っているわけでも、その分野に精通しているわけでもありません。目にした側は、心の中で「おいおい、全部知ってるのかよ」とツッコミを入れつつ、無理な背伸びっぷりを痛々しく感じてしまいます。お気を付けください。

 

「日本人ならそういうことはできないはず」

このフレーズを平気で使っているのを見ると、「おいおい、ネトウヨかよ」と違和感や戸惑いを覚えずにはいられません。「どこぞの国」という極めて失礼でいやらしい言い回しも合わせて使っているとなると、違和感や戸惑いはさらに深まります。本人は「悪意はない」とおっしゃるでしょうけど、社会にはいろんな立場の人が共存して生きていることに対して鈍感で、差別意識を丸出しにすることに無自覚で、たまたま日本人であることにすがりついている残念な人というレッテルを貼られても仕方ありません。お気を付けください。

 

「そんなこと気にしていたらSNSなんてできない」

「SNSの使い方」系の記事を書くと、必ずこんな声をいただきます。もちろん、どう使おうと、その方の勝手です。本人は「自由奔放に振る舞う俺って、カッコイイ」という勇ましい自己イメージをお持ちかもしれません。ただ、「俺は相手のことなんて気にしないで好きに使うんだ!」と言い張れば言い張るほど、SNSだけじゃなくておそらく実生活でも、他人への配慮や当たり前の礼儀という概念がない困った人に見えるし、「会社でもさぞ嫌われてるだろうな」という印象を与えずにはいられません。お気を付けください。

 

これはこれで偏った意見と言われたらそれまでですが、知らないあいだに「読む人をウンザリさせている」という悲しい事態の発生を防ぐために、よかったら参考にしてください。こういうフレーズで周囲を「ウンザリさせている人」が、信念に基づいて積極的に使ってらっしゃる場合も、けっこうあります。その場合は他人がどうこう言う問題ではないし、聞く耳を持ってもらえるとも思えません。どうぞ気が済むまで、そのままの生き方を貫いていただければと存じます。都合よく美化された自己イメージを心の支えにしつつ。

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石原壮一郎

石原壮一郎

1963年、三重県生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。大人の新しい概念と可能性を知らしめ、以来、日本の大人シーンを牽引している。2004年に出版した『大人力検定』は...

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