「かっぱ寿司」が再出発! なのに、客が来ないのはなぜ?

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新生「かっぱ寿司」を視察した。古くさいキャラクターは消え、ロゴも一新。
店の雰囲気もお洒落になり、以前のようなチープさは感じさせない。

 

何より変わったのは、味である。

 

「平日90円」を大々的にPRしていた頃は、加速度的にネタが悪くなり、「安かろうマズかろう」が、世間の評判となっていた。だが、新しい「かっぱ寿司」は、普通に旨い。明らかに美味しくなっている。これなら、日常的に利用しても良いと思う。ある意味、「かっぱ寿司」は復活したと言っても良い。

 

しかしながら、業績は上向きとはなっていない。2016年4〜12月期の連結最終損益は、55億7000万円の赤字となっている。「安くて美味しいお店」としては復活したが、事業としては危機的な状況のままである。安くて美味しいのに、なぜ客が来ないのか。

 

 

■ボリューム十分、でも高い…そんなネタは求められていない

 

ひと言で言えば、「安かろうマズかろう」のイメージが払拭できていない、ということ。同社が実施したアンケート調査でも、他店に比べて「安っぽい」「ダサい」「古い」というイメージを持っているユーザーが多いという結果が出ている。

 

そこで「かっぱ寿司」は、新たな戦略を打ち出した。定番ネタの他に、「旬ネタ」と創作メニューである「特ネタ」を月ごとに提供するというもの。「美味しいネタ」+「話のネタ」を作ろうという狙いである。テレビコマーシャルでも流していたが、「特ネタ」の第1弾は「全国お祭り寿司」。日本の祭りを寿司で表現している。

 

「さっぽろ雪まつり寿司(税別380円)」
「青森ねぶた寿司(税別280円)」
「仙台七夕まつり寿司(税別280円)」など。

 

見ためにインパクトがあり、ボリュームも充分。話題づくりを狙っていた。だが、その結果は……。

 

100円回転寿司において、ボリュームは不要である。安くて量が少ないからこそ、さまざまなネタが楽しめるのであって、1皿で腹が満たされては、他のネタが食べられない。また、1皿が300〜400円超えでは、客は手を出さない。

 

「安くて美味しい」が、100円回転寿司に本来求められるものであって、「美味しいけど高い」はいらないのである。目指すべき方向が間違っている。他にも、スマホによる座席予約や持ち帰りのネット予約も導入しているが、
「安かろうマズかろう」のイメージを払拭できていない現時点では、何の意味もない。

 

なぜ、イメージの刷新ができないのかを考え直すべきである。私の考察では、店名に大きな問題があるのではないかと思う。店もネタも変えたのに客が来ない、ということは、「あのかっぱ寿司だろ」と、客が固定観念を持っているからである。

 

いまさら何をやっても、「かっぱ寿司」であることに変わりはない、と思っているのである。加えて、「かっぱ」という言葉の古さにも原因がある。「スシロー」「はま寿司」「くら寿司」より、はるかに古くさい響きである。この店名のままでは、本当の復活は望めない。もう、店名を変えるしかないのではないか。まったく違う店名で、新興勢力のような顔をして、再デビューした方が良いのではないか。

「新しくなりました」ではなく、「新しいお店です」とアピールした方が、新しもの好きの、いまの消費者は注目してくれるのではないか。

 

経済界では、“「脱かっぱ」空回り”などと囁かれるが、「かっぱ寿司」の名前がある限り、「脱かっぱ」は成し得ない。

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コンサルタント

佐藤きよあき

1961年兵庫県生まれ。広告デザイン会社にコピーライターとして勤務の後、プランナー・コピーライターとしてフリーランスに。モノづくりへの興味から、仕事を継続したまま、木のおもちゃ制作を開始。ネット販売に着手...

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