資産価値が下がらない家の造り方

ライフハック

なぜ日本の家は、資産価値がどんどん下がるのに対して、他の先進国の家は資産価値が下がりにくいのか? そのことに対して、別の場の質問でもお答えしましたが、ではどうすれば日本において家の資産価値を高めることが出来るのでしょうか? 拙著「なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか?」でも、軽く触れていますが、これから「資産価値を高める家造り5つの方法」と題してお伝えしたいと思います。

 

 

【資産価値を保つためにはあらゆる角度から家のことを考えることが重要】 

 

その1)耐久消費財の家から不動産の家に変えよう

 

海外のように不動産価値を高めるには、「家の長寿命化」を図ることが必須です。
なぜなら、25年程度が日本の家の寿命だという認識が広がっており、25年経つと家の価値は0になると思われているからです。

 

「長期優良住宅」や「200年住宅」などに代表される家の仕様など、80年、100年以上耐久性をもたせることで、「家の価値が下がらない不動産」にすることが重要です。

 

もちろん、国の基準に合わせて作る以外にも独自の工法で、長寿命化を図ることも出来ます。ただ、一つ気をつけたいのは、特殊な構造で作り上げた建物は、将来、修繕や改修をするときに費用が高くつく、誰でも施工できないという問題を生じる点です。

 

こういったことも含めて総合的に判断しましょう。

 


 
その2)ワン&オンリーのコンセプトを考えてライフスタイルを確立しよう

 

「将来家を売りに出すのならあまり特殊な間取りにすると売れなくなる」と一般的には言われています。

 

しかし、世の中に800万戸以上の空屋があることから考えると、逆にありふれた間取りや特徴のない家の場合は、家に付加価値もないため、資産価値が下がっていくのは必至です。

 

だからと言って特殊すぎる間取りはやりすぎだとは思いますが、「本に囲まれて過ごす家」「家庭菜園が出来る家」「省エネ住宅であったかく涼しい家」「風水が入った家」「天然素材で内装を仕上げた家」「リビングに大きな吹き抜けのある家」「坪庭のある家」など、特徴を持たせることは重要です。

 

その他大勢のものよりも「一点物」に高付加価値をつけることが出来るのです。
 
 


その3)高断熱・高気密化によりエコな家に仕上げよう

 

欧州などでは、不動産に省エネの等級をつけて、それに合わせて不動産価値も連動させる動きが出てきています。遅かれ早かれ、この流れは世界的に広がっていきます。

 

日本では2020年に、これまで次世代省エネ基準と言われているものが義務基準として施行されます。しかし、この基準は欧州などの省エネ先進国と比べると、7割ぐらいの性能しかありません。

 

世界の基準は日本の次世代省エネ基準の2倍ぐらいの性能を全体的に求めていく傾向がありますので、付加価値のある家にするには、次世代省エネ基準の2倍近くの性能を持たせることが一つの特徴になります。

 

ただ、やみくもに性能を上げるのではなく、「高断熱・高気密化」を図ることで生じた費用を、光熱費などで10年ぐらいで償却できる見込みをつけることなども合わせて重要です。
 


その4)メンテナンス出来る素材で家を作り上げよう

 

「出来ればメンテナンスしたくないので、メンテナンスフリーの素材でお願いします」という人は、結構います。

 

メンテナンスが容易な素材も含めて、メンテナンスフリーと言われることが多いのですが、例えば、壁に貼る「ビニールクロス」。子供がマジックで落書きしても、洗剤をつけてゴシゴシと雑巾で拭けるので、人気が高い商品です。しかし、ビニールクロスは10~15年ぐらいたつと、寿命が来て、張り替える必要が生じます。

 

イメージで理解していただきたいのは「メンテナンスフリーの素材ほど、使い捨ての材料になる」という事実です。

 

逆にメンテナンスの必要な材料ほど、手を入れやすいものです。例えば、壁の場合、紙のクロスの上に塗装をする仕上げ方法がありますが、塗装は上から塗り重ねることが出来ます。

 

このように家の長寿命化を図るためには、出来るだけ「手を入れやすい素材」を使ってみましょう。
 

 


その5)三代で資産を築き上げる意識を持とう

 

日本では、一代で家を建て次の世代がその家を継ぐ場合でも、家を建て替える傾向があります。

 

しかし、欧米などでは「一代目で借金して家を建て、二代目で家に手を入れて維持継続させながら、三代目で、資産を構築して、家系の繁栄の礎を築く」という考えがあります。

 

例えば、二世帯住宅を建てて、親子で住宅ローンを組みながら返済し、孫の代で、不動産価値の高い家に住みながらさらに次の世代につながるように資産形成をしていくようなイメージです。

 

自分の世代だけでどうにかしよう、と考えるよりもよりロングスパンに、孫の代に誇れる資産を残すことが可能になります。そのためにも家の長寿命化は、必須ですし、これまで挙げた項目を意識すればするほど、その資産価値も高くなるでしょう。

 

 

 

・・・いかがだったでしょうか?不動産価値を考える場合は、立地条件も重要ですが、今回は土地の資産価値の話と分けて、「家自体の資産価値」を高める方法を紹介しました。
 
土地の資産性だけでは見落としがちな視点ですので、ぜひ合わせて考えてみましょう。

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八納啓造

八納啓造

「幸せを育む家」をコンセプトに、家づくりを手がける建築家。住むひとが豊かに生きる空間のつくり方を指南します。 得意分野 「幸せを形にする」をキーワードに木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造を中心とした注文住...

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