ついにLCCでハワイへ飛べる時代に! 賢い大人の航空会社の選び方

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オーストラリアのジェットスター航空が関西国際空港中部国際空港に定期便を就航したのが2007年。それから10年が経過して、すっかり定着したような感じのLCC(格安航空会社)が、新たな一歩を踏み出した。

 

アジアにおけるこの分野の代表格であるマレーシアのエアアジアが2月10日、LCCとしては初めて日本とハワイを結ぶ路線を開設すると発表した。運行開始は6月28日で、マレーシアの首都クアラルンプールから関西空港を経由し、ホノルルへ向かうというものだ。太平洋を横断する初のLCCでもあるという。ただ個人的には、なんでこんなに話題にするのだろうと思ったのも事実。国際線自体は以前からジェットスターやエアアジアなどが飛ばしていたからだ。

 

LCCというと人材や機材、設備などを最小限としたうえに、座席の間隔まで切り詰めて運賃を安く抑えるという認識を持つ人が多い。狭いスペースで数時間過ごすのは耐えられないという人がいるかもしれない。

 

でもエアアジアには今回発表したハワイ線を含めてビジネスクラスもある。一部のLCCのビジネスクラスは、従来の航空会社のプレミアムエコノミークラス相当だったりするけれど、エアアジアはプレミアムフラッドベッドという名前で分かるとおり、従来のビジネスクラスとほぼ同じ環境を提供している。しかも飲み物食べ物はすべて有料が当たり前のLCCの中で、ビジネスクラスでは食事が一回無料になるなど、サービス面でも差を付けている。もちろん運賃はエコノミークラスの数倍するけれど、従来の航空会社のビジネスクラスの約3分の2ぐらいだ。

 

一方日本国内のLCCなら、乗っているのは1時間から1時間半というレベルが多いわけで、飲み物はいらない、その分運賃を安くしてよという人も多いはず。LCCはそんな人たちに支持されているのだろう。筆者も1時間程度のフライトに飲み物はいらない。あのサービスは飛行機に乗ることが贅沢だった時代の名残だと感じている。つまり従来の航空会社はクルマで言えばプレミアムブランドのようなものであり、飛行機の大衆化に合わせて登場したのがLCCではないかと思っている。

 

ただすべてにおいてLCCが良いというわけではない。前述したようにさまざまな部分を見直すことでコストを切り詰めた結果、格安を実現できているわけで、影響もいくつかある。そのひとつが遅れだ。人材も機材もギリギリなので、ひとつの遅れがその後に影響しやすい。

 

筆者が初めてLCCを利用したのは今から12年前。フランスのパリとドイツのケルンの往復に、ジャーマンウイングスというLCCを使った。エールフランスやルフトハンザはこの区間は飛んでおらず、飛行機はジャーマンウイングス一択。パリとケルンの間にはタリスと呼ばれる高速列車も運行していたけれど、飛行機のほうがもちろん早いうえに、運賃もタリスより安かった。筆者がケルンに向かったのは週末だったが、週末は逆にケルンからパリを目指す人が多く、そちらの運賃はかなり高かった。ところが逆方向はあまり需要がなかったようで、1万円ぐらいで済んだのだ。需要に応じて運賃が激しく上下するのもLCCの特徴である。

 

人生初LCCということで不安はあったけれど、欧州の中ではきっちりしていると思われるドイツの航空会社ということもあり、インターネットで予約し利用した。行きは問題なかった。しかし帰りはケルンの出発が2時間ぐらい遅れた。LCCらしさを味わうことになった。覚えている人もいると思うが、その後ジャーマンウイングスはフランスで墜落事故を起こし、搭乗者150名全員が死亡した。でもそれが理由でLCCを止めたりはしない。そのときの状況に応じて決めている。具体的には、時間に余裕があり、かつ運賃を安く収めたいときはLCC、そうでない場合は既存の航空会社を使っている。まさに「時は金なり」である。

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モビリティジャーナリスト

森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担...

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