ここ1年、急増中の高齢者にまつわるトラブル。その対策方法とは?

人間関係

瀬戸口仁

 

「怒りを味方につけるやり方」の講演、セミナー、研修等を行ってきて、2年前までとこの1年間を比べてみると、明らかに違う傾向に気付かされます。2年前までは、職場(学校も含め)での人間関係で悩むというのがほとんどでしたが、この1年間は、IT企業やディーラーなどで機械(パソコンや車等)を相手にしているケースと高齢の方がからむケースが急増しています。

 

機械と言うのは、パソコンや車、工場での作業など、人間相手ではないということです。これもまさにストレスがたまる職場であり、自分との闘いになります。たまっているストレスをいかに“抜くか”というのがポイントであり、即効性のあるテクニックが有効とされています。その中でも「タイムアウト」が効果的で、その場から一時離れて、気持ちを入れ替えて、また戻ることをうまく行うことが秘訣になります。休憩時間を好きなことに充てるなど、気分転換がイライラを軽減させるのです。

 

問題は、高齢者がからむケースといえるでしょう。最近では、駅員に対し、高齢者がいきなりキレて暴力を奮うなど、昔はあまりなかった事例が多く起こっています。また、企業内では「パワハラ」です。高齢に近い上司から「パワハラ」を受けた若手社員が会社を辞めてしまうことが増え、離職率で悩む企業から研修の依頼が増えています。

 

一番の問題は、上司が「パワハラ」をしているという意識に欠けることです。上司が若い頃は「当たり前」だったことを、若手社員に押し付けるパターン。「オレが若い頃は、このやり方で成功した。だから、お前もこのやり方でやるべきだ」というものです。その時代はそれで良かったかもしれませんが、明らかに環境や状況も変わっている今に、そのやり方がそぐわないことが理解できず、若手社員へつい声を荒げてしまうのです。このギャップが「パワハラ」を生んでいるといえるでしょう。

 

上司側の対策として、「怒りの体質を改善させるテク二ック」が有効的だと思われます。「アンガーログ」で自分の怒りを文字に表し、「スケールテク二ック」でその怒りに10点満点中で何点かと点数を付け、怒りを「見える化」させ、コントロールしやすくします。そして、「ブレイクパターン」で今までのパターンを壊してしまいます。

 

これらによって、自分の意見を押し付けたり決め付けてしまうのではなく、「そういう意見(やり方)もあるのか」と相手を受け入れます。許容範囲を広げることで、イライラを軽減させることができれば、「パワハラ」も減っていきます。

 

能力や体力は年ともに衰えていきます。しかし、「体験」、とくに「成功体験」は輝かしい栄光とともに心の中に生き続けています。その「成功体験」も時代とともに移り変わっていることを、認めたくないのが高齢者でしょう。このことを受け入れる努力が今、必要になっています。

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瀬戸口仁

瀬戸口仁

1960年2月25日、東京生まれ。サンケイスポーツ新聞社でプロ野球を11年間担当。独立して1993年に渡米し、ニューヨークを拠点に13年間、メジャーリーグ、とくに日本人メジャーリーガーを取材。日本の新聞、雑誌、サイ...

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