友達の多い貧乏人、友達の少ないお金持ち

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<明るく社交的でつきあいのいい人こそ、貧困の谷に落ちかねない!? 「隠れ貧乏」を脱するための処方箋その4>

それなりの収入はあるはずなのに、なぜか貯金が貯まらない。そんな人は「隠れ貧乏」だと、桜川真一氏は言う。

「隠れ貧乏」とは、自覚のない、あるいは気づいているけれど認めたくない貧乏のこと。桜川氏によれば、考え方や行動の癖からくる、いわば生活習慣病だ。今は大丈夫でも、結婚したとき、子育てのとき、あるいは退職したときなど、ライフスタイルの変化を機に生活が苦しくなる。

兄の会社が倒産し、3億円の保証金を背負って自己破産寸前となった桜川氏は、そこから不動産と株で3億円の資産をつくることに成功したという。お金持ちへのステップを登り始めるなかで彼が見出したのが、「いつもお金がない」から抜け出す処方箋だった。

ここでは、その処方箋をまとめた『貧乏は必ず治る。』(CCCメディアハウス)から一部を抜粋し、5回に分けて転載する。第3回は「友達の多い貧乏人 友達の少ないお金持ち」より。貧乏な人とお金持ちを比較した40の項目の1つだ。

※第1回:買い物を「わり算」で考えると貧乏になります
※第2回:情報を多くもっている人が仕事ができるわけじゃない

 

 

■友達の多い貧乏人 友達の少ないお金持ち

貧乏な人というと、友達もいなくて寂しい印象があるかもしれません。実は、そうではありません。

 

ここでは、サラリーマンやOLで、ちょっと間違えば貧困の谷に落ちかねない人、そして老後までずっとお金に悩むことになる人のことについて、書きたいと思います。

 

この手の貧乏な人には、明るく見た目にも社交的な人が多い。つきあいもいいし、性格もいいので周りの評判も悪くないという人が多いです。そんな感じだから、友達同士の会や地域の活動などでもまとめ役になりがちです。会社でいえば、係長や課長、グループリーダーで、部下からも嫌われず、仕事もそこそこといったタイプの人です。

 

私の知人のYさんは、誰とでもすぐに友達になれるタイプ。飲み会があればどこにでもかけつけます。この人柄が好まれたのでしょう、地方の金融機関で働くYさんは、30代までは、同期の中で一番早く課長になったりと順調なサラリーマン生活を送っていました。60歳近くになっても、明るい性格もあって、ときには飛行機を使って飲み会に参加するなど友達を大切にする姿勢は変わりません。でも、明るい人柄だけでは社内の出世競争は勝ち抜けなかったのでしょう、今は同期に抜かれ間もなく定年です。

 

社内の出世競争なんて、彼の性格からすればどうでもいいことだったのかもしれません。それより、彼の現在の切実な悩みは、老後の蓄えがないことです。

 

つきあいの良さがあだになり、貯金がないのは当然でしょう。それでも、老後の貧乏を心配しながら、今も友達との飲み会に明け暮れています。ちなみに彼が今一番恐れているのは、退職と同時に言われるかもしれない妻からの離婚の申し出だそうです。もしかすると、自分自身の心の寂しさを紛らわすために多くの友達との交流を続けているのかもしれません。

 

また、社長業よりも、経営者の会に参加することに一生懸命になって会社を傾けた人も知っています。

 

こういったタイプの人が、よく口にする言葉があります。「人脈」です。

 

仕事をするうえで人脈は大きな武器になるということで、いろいろな会合に出ては名刺を配り人脈を広げたつもりになっています。では、名刺を配った人や飲み会で知り合った人が、仕事で大きな力となるのでしょうか?

 

私も、たまたま知り合った人から仕事の相談を受けることがありますが、そのほとんどが通常の価格より安くできないかとの申し出です。新規の取引先ができることはありがたい。でも、相手が期待しているのは、知り合ったから「安く」できないかという期待です。これでは、長いつきあいはなかなか成立しません。

 

成功した経営者に話を聞くと、その中にまさに盟友ともいうべき、友達の話が必ず出てきます。その友達がいなくては、成功はなかったというような人です。それは、取引先の相手だったり、ときにはライバル会社の社長だったりしますが、真の友達を必ず得ているものです。このように成功する経営者は、仕事を通して人脈をつくっていきます。

 

こうした人物は顔が広いし、人脈も豊富。電話一本で、簡単に大きな仕事を成立させます。「頼みます」の一言で、数千万、億の単位の仕事が成立するのです。そういうと、「やっぱり人脈だなー」と思うかもしれませんが、自分の実力で真の人脈・友情を成立させた人と、人脈を広げることに一生懸命な人とはその質が違います。

 

真珠は小さな核から、少しずつ大きくなり固く美しい丸い真珠の珠たまとなります。成功した人の人脈のつくり方は、まさにこのような感じです。信頼という核を中心に固いつながりをつくっていきます。

 

一方、名刺配りで人脈を広げる人は、雪のかたまりを転がして雪だるまをつくるようなもの。白く大きな球ですが、熱に弱くもろい。これでは、いざというときに何にも役に立たない人脈づくりです。

 

私は、友達をつくるなとか、知り合いを増やすなとか言っているのではありません。

 

ただ、友達を増やすことや知り合いが多いことを目的にしてはいけないと言いたいのです。貧乏な人は、友達の多さで心をまぎらわせ、しかも、その友達とのつきあいでお金がどんどん減っていきます。せいぜい、結婚式に呼ばれる友達の一人としてご祝儀貧乏になるのが関の山という感じでしょう。

 

信頼を軸にしっかりとした関係を築く。これが、いざというときに本当にあなたを助ける友情・人脈なのです。

 

人脈を広げることを目的にしないようにしよう

 



『貧乏は必ず治る。』
 桜川真一 著
 CCCメディアハウス




文・ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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