家族との「仲」より「距離」を大切にする人が幸せになれる

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<家族との仲を大切にするだけでは、いずれお金に困ることになり、幸せにもなれない。「隠れ貧乏」を脱するための処方箋その5>

 

 

お金のことで家族ともめ、実は孤独なのがお金持ち。お金がなくても家族で仲良く暮らし、幸せなのが貧乏人。そんなイメージはないだろうか。

 

 

本当に大切なのは、家族との「仲」よりも「距離」だと、桜川真一氏は言う。

 

 

兄の会社が倒産し、3億円の保証金を背負って自己破産寸前となった桜川氏は、そこから不動産と株で3億円の資産をつくることに成功。お金持ちへのステップを登り始めるなかで彼が見出したのが、「いつもお金がない」から抜け出す処方箋だった。

 

 

桜川氏によれば、自覚のない貧乏、すなわち「隠れ貧乏」な人が、いちばん危険だ。今は大丈夫でも、結婚したとき、子育てのとき、あるいは退職したときなど、ライフスタイルの変化を機に生活が苦しくなる。

 

 

ここでは、桜川氏の著書『貧乏は必ず治る。』(CCCメディアハウス)から一部を抜粋し、5回に分けて転載する。第5回は「家族との仲を大切にする貧乏人 家族との距離を大切にするお金持ち」より。距離を大切にするとは、一体どういう意味なのか

 

 

※第1回:買い物を「わり算」で考えると貧乏になります
※第2回:情報を多くもっている人が仕事ができるわけじゃない
※第3回:友達の多い貧乏人、友達の少ないお金持ち
※第4回:「どうにかなる」と言う人はお金持ちになれない

 

 

 

■家族との仲を大切にする貧乏人 家族との距離を大切にするお金持ち

 

お金持ちのイメージの一つに、友達や家族にも相手にされず孤独という姿がよく描かれます。また、お金持ちの家では、遺産相続をめぐって家族がもめるなんて話もよく聞きます。最近では、「相続を争続にしない」といったような内容の本や雑誌の特集も見かけるようになりました。

 

 

一方、お金がなくても仲良く暮らす家族を、美しい家族の形として取り上げるテレビ番組を見かけます。家族の仲がいいのが一番ということで、番組は構成されています。こういったテレビ番組をよく見かけるのは、世間一般には、お金があるより家族仲がいいことが一番だという内容のほうが受けるからなのでしょう。

 

 

会社員で高い給料をもらっていても、貯金がほとんどない家庭があります。もちろん、住宅ローンが高いという理由もあるでしょうが、案外多いのが教育費の出費が多すぎてお金が貯まらないという家庭です。塾に水泳や英会話の習いごと、中学校から私立に通わせて、大学まで私立だったら、ほとんど貯金もできない。さらに悲惨なのが、40歳を過ぎてから結婚して、子どもが大学を卒業するころに自分は退職。結局、子どもの教育費にお金がかかりすぎて、自分の老後に向けての蓄えがなく、「老後破産」という現実が待ち受けているのです。

 

 

塾や習いごとに通わせ、私立のいい学校に行かせ、子どもの送り迎えに時間を割き、本当にお金も時間も子どものために費やしたのに、肝心の子どもは大学を卒業したら、家にも寄りつかないなんて話もよく聞きます。

 

 

こんなことを書いていると、これから結婚・子育てをしようと思っている人は、家庭を持つのは大変だと思うかもしれません。いえいえ、結婚・子育てって大変なところもあるけど、楽しいですよ。ただ、家庭が楽しくあり続けるためには、お金の面で冷静な家族の距離感が大切だと言いたいのです。

 

 

人にとって、幸せ・不幸せを左右する大きな要素に家族との関係があります。どんなに困っても家族が団結すれば大丈夫なんて言いますが、実際は、お金が左右することが多いのです。

 

 

やっぱり、お金がないと家族の間もぎくしゃくするし、問題も起こる。お金があるというのは、幸せを安定して支える大きな要素なのです。

 

 

家庭を築くとき、仲のいい家庭を目指すのは当然でしょう。でも、貧乏の坂を下りていく家庭は、この家族の仲の良さだけを目指し、家庭の幸せの基礎となっているお金についてあまり考えません。先ほど書いた教育費のこともそうです。一見すると、愛情いっぱいの親に見えるかもしれません。しかし、老後にお金がなく、子どもに頼る親を子はどう思うでしょうか? それが、家族への愛情の結果だとしたら悲しい限りです。

 

 

夫婦の間だってそうです。私の知り合いの共働きの家庭は、おたがいがいくら稼いでいるかを知りませんでした。共通の口座に決まった額を入れ、あとの残りはそれぞれが自由に使っていました。

 

 

2人の子どもに恵まれ幸せな家庭に見えましたが、結婚10年目に夫に多額のローンがあることが発覚。妻に問い詰められたときに、実は妻も実家からお金を借りていることがわかったのです。それまでは、たがいにお金を貯めているのだろうと思っていたそうですが、まったく逆だったのです。

 

 

おたがいのお金について干渉しないのが、仲の良さにつながると信じていたのですが、それは違いました。それからは給料を一つの口座に入れ、それぞれお小遣い制にしてから、貯金がぐんぐん増えていったそうです。

 

 

一口に家族といっても、多数のつながりがあります。独身だったら、自分の両親や兄弟、結婚していたら、配偶者や子ども、配偶者の両親とどんどん増えていきます。家族にまつわるお金は、教育費だけではありません。親が年をとってくると、介護の費用だって考えなくてはなりません。当然、将来的には相続なんてこともシビアに直面することになります。私は、知らなかった借金の相続で大変な目に遭いました。

 

 

家族だから、お金の心配をさせたくない。家族の仲がいいのが一番、お金は二の次。といった感じで、家庭でお金のことを話題にすることは少ないと思います。お金の話をすることで、家庭内をぎくしゃくさせたくないと思うかもしれません。

 

 

繰り返しますが、幸せな家庭を長く続けるには、お金の面での安定性が欠かせません。

 

 

それには、家族を冷静に見ること。くっつきすぎない適度な距離が必要なのです。「教育費には、いくらまでかける」「親の介護は誰が見て、いくらかかる」。家族のライフプランを冷静につくることが大切です。

 

 

ただ、愛している、仲がいいだけでは、貧乏の坂を滑り落ちていくかもしれませんよ。

 

 

家族をお金の面からとらえてみましょう



『貧乏は必ず治る。』
 桜川真一 著
 CCCメディアハウス

 

 


文:ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 

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