斬新な利用法に驚き!手段としてクルマを利用する「カーシェアリング」最前線

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コインパーキングの生みの親であり、いまでは日本最大のネットワークとなったタイムズ駐車場を運営しているパーク24グループは、カーシェアリングの分野でもナンバーワンである。タイムズカープラスという名称のこのサービス、斬新なサービスを次々に打ち出していることでも知られている。

 

今月も広島空港駐車場で借りた場所と異なる場所に返却できるワンウェイ方式カーシェアリングを導入すると発表したり、引越しシーズンに合わせてワンボックスバンの日産NV350キャラバンを採用したりしている。この柔軟性がユーザーに乗り移ったのか、クルマを買う人より年齢層が若いことが影響しているのか、使う側も斬新なトライをしているようだ。

 

タイムズカープラスのウェブサイトには「みんなはこう使っている」というコーナーがあって、利用者の使い方を紹介しているのだが、「夜のママ会」「外回り中の電話BOX代わり」など、タイトルを見ただけでは???なアイディアが掲載されている。夜のママ会は、子供連れで参加することが多く、帰りに遅い電車で子供といっしょに帰るのが大変だと感じていたが、カーシェアリングでその点が気楽になったとの報告。外回り中の電話BOX代わりというのは、賑やかな街中から得意先に電話するのは失礼にあたるし、短時間なら喫茶店に入るよりお得なのでクルマを借りて中で電話するのだという。

 

タイムズカープラスでは、そんな利用シチュエーションのコンテストまで行っている。2016年は「平日のカーシェア利用法」がテーマで、ハッシュタグ「#平日カーシェア」と写真を付けてSNSで応募を受け付けていた。みごと金賞に選ばれたのは、歩くのが難しくなってきた義父の通院に利用、終夜営業している伊香保温泉に行って翌朝そのまま通勤、子供が生まれたばかりの子供を思いきり夜泣きさせてあげるためというものだった。移動手段だけでなく、プライベートスペースとしても活用しているようだ。

 

私たちがクルマを買うときは、デザインや走りなどに魅せられて選ぶことが多いので、使い方もクルマとしての楽しみを満喫する方向に行きがちだ。しかしカーシェアリングはもともと、目的ではなく手段としてクルマを利用するサービス。よってクルマ本来の楽しみ方から飛躍した考えが次々に生まれてくるのかもしれない。

 

これは日本に限った話ではない。そもそもカーシェアリングは、自転車を使ったサイクルシェアリングともどもヨーロッパで生まれたサービス。筆者は以前、パリで展開している自転車のヴェリブと電気自動車のオートリブについて利用状況を調べたことがある。その結果、驚くような理由が見つかった。高齢者が健康維持のために自転車を借りて乗っているというのだ。たしかに自転車に乗ることが健康に良いことは知られているが、通常であればそのためにロードバイクなどを買う。毎日乗るならそのほうが安上がりかもしれない。でも逆に移動のためではなく、健康のためだけに乗るなら、わざわざ自転車を買い置き場所を確保するのは無駄という意見もあるだろう。トレーニングマシンであれば買うのではなく、ジムへ行って借りる人のほうが多い。それと同じ考え方と言えるかもしれない。

 

一方クルマのシェアリングでは、大きな買い物をしたときに借りるという声があった。現在問題になっている宅配サービスが、買ってから数時間で届くというのは日本ぐらいで、欧米では2〜3日かかるのが普通だし、トラブルが起こることも多いという。それならカーシェアを借りて自分で買いに行き、積んで帰ってきたほうがいいというわけだ。宅配業界最大手のヤマト運輸が料金値上げを表明したことで、今後日本でも従来のような至れり尽くせりのサービスは受けられなくなる可能性もある。カーシェアを使ってお持ち帰りという買い物のパターンが増えるかもしれない。

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森口将之

森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担...

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