LEGOが「文字も顔写真も使えない」子ども向けSNSを発表!ネットデビューには安全・安心が最重要

テクノロジー

出典「LEGO Life」公式サイトより

■レゴが作った「文字が入力できないSNS」

 

1月末、レゴによる子ども向けSNS「Lego Life」がスタートした。「Lego Life」は自分のレゴ作品をシェアできるSNSであり、13歳未満のユーザーは保護者の同意がなくては参加できない。アプリはApp StoreとGoogle Playで入手でき、日本版公開は近日を予定している。

 

「Lego Life」の子どもの安心安全利用のための仕組みはかなりユニークだ。たとえば、登録名は自分で任意の名前にできず、「DukeCharmingShrimp」など3語を組み合わせたものが自動で割り振られる。その上、プロフィールには写真が登録できず、洋服や髪型、アクセサリーなどを組み合わせてミニフィグ(レゴの人形)の画像を作成、利用する。

 

さらに、ユーザーは文字を入力することはできず、絵文字しか利用できない。これは個人情報や連絡先などが交換できないだけでなく、言語を超えたコミュニケーションが可能になるというメリットも意味している。

 

ニュースフィードには、ユーザーが作成・アップロードしたレゴ作品の他、ブランドコンテンツやお勧めの制作プロジェクトなどが表示される。その際、人力とアルゴリズムの両方を使い、アダルトコンテンツなど不適切なコンテンツが投稿されないように厳しくチェックされており、安心・安全に使えるようになっている。 他人の作品が見られたり、制作テーマが表示されることで、子どもの作りたい意欲が刺激されるだろう。

 

レゴで作品を作っても、他人に見てもらえる場はこれまでありそうでなかったが、このSNSはそのニーズに応える場となりそうだ。子どもだけでなく大人のレゴファンにも刺さり、受け入れられるのではないか。

 

 

■過去にはたまごっちのキャラを使ったSNSもあったが…

 

“子ども用SNS”とうたうサービスは、これまでにも多数生まれては消えている。たとえば、2010年にははてなの小中学生向けSNS「はてなランド」が、誕生からわずか2週間で休止となった。完全招待制で、自分の「ハッピィ」と呼ばれるキャラクターを作り、「はてなランド」と呼ばれる仮想空間で他のユーザーとコミュニケーションできた。終了の理由は明らかにされていないが、小中学生が出会いを求める書込みをしていた、コミュニティが荒れていたなどの情報もある。その他、バンダイナムコゲームスのたまごっちのキャラクターを利用した「たまGOランド」も、約2年で終了している。

 

子ども向けSNSでは、子どもが安全・安心利用できるかが最重要ポイントとなる。たとえば運営会社の監視により、アダルトコンテンツは投稿できないとか、個人情報は書き込めないなどの仕組みが必要だ。しかも、元々SNSは収益化が難しいサービスとして知られている。つまり、大人用SNSよりも運用に手間やコストがかかる上、収益化が難しいのだ。

 

最近はこのあたりの問題をクリアするため、小学生、特別支援学級小学部の児童及び教諭に限定したSNS「ぐーぱ」や、家族限定アルバムの「みてね」など、クローズドなものが多くなっている。

 

 

■子どもの想像力を刺激し、世界への興味をかきたてる効果に期待

 

「Lego Life」と似たコンセプトの子ども向けSNSは他にもある。絵・プログラム・動画など、子どもが自分の作品を公開できるクリエイティビティに特化したSNS「Creatubbles(クリエイタブルス)」だ。

 

子どものアカウントは少なくとも1名の監督者である大人のアカウントへの紐付が必要であり、公開の際も許可を受けなければならない。さらにアップロードされた画像は公開前にCreatubblesチームによるチェックを受ける仕組みだ。その上、オリジナルかつ自分が作った作品しか配信できないというこだわりようだ。国や地域を超えてコミュニケーションできるようになっており、日本語で検索すると世界各国の言語での検索結果が表示される。

 

SNSなどの文字を中心としたコミュニケーションは大人でも難しく、トラブルにつながりやすいものだ。子どもがいきなり自由に使ってしまうと、個人情報を公開してしまったり、出会い系被害などにつながりかねない。特に低年齢の子どもの場合は、適切なルールや仕組みを作り、大人が見守る中で使わせるしかないだろう。

 

しかし、自分の作品をもっと多くの人に見てほしい、認められたいという気持ちがある子どもは少なくない。そこで、作品を見てもらうためのSNSが生きてくる。「Lego Life」や「Creatubbles」は作品を多くの人に見てもらえ、プラスのコミュニケーションしかできない大人に守られた空間となっており、インターネットデビュー時の子どもには良い体験ができそうだと感じた。

 

子どもたちにとって、他の人に見てもらったり認められる経験は、さらに作り出す意欲につながったり、他の国への興味を抱くきっかけづくりとなりそうだ。「Lego Life」や「Creatubbles」などの安心・安全に作品を公開できる子ども向けSNSをうまく活用することで、子どもの成長に良い効果が得られるのではないだろうか。

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高橋暁子

高橋暁子

元小学校教員。Webの編集者などを経て独立、現職。 書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。SNS...

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