金を使ってまでSNSに非日常をアップする「リア充アピール」の気持ち悪さ

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日刊ゲンダイDIGITALによると、昨今では「リア充アピールを代行する会社」ってヤツが実在し、世間様からそれなりの需要を呼んでいるのだという。はあ? 当サービスを行う『ファミリーロマンス』に聞いてみたところ、どうやらこういうことらしい。

 

「もともとカラオケや買い物などを一緒に楽しむ『レンタルフレンド』というサービスを提供していたところ、<SNSに載せるために誕生会を開いてほしい>という依頼がありました。それがきっかけで『リア充アピール代行』を始めたのです。予約は月に20~30件ほど。<SNSでのアピール用にママ友としてオシャレなカフェに一緒に出かけてほしい><大学の卒業式に一緒に参加してほしい><バーベキューや海での遊び相手がほしい>などといったご依頼を頂いています。依頼主は20~30代が中心。男女比は半々です」

とあるリッチマンは、六本木の高級外資系ホテルで友だち15人と一緒に豪華ディナーで自身の誕生日を祝う“ふり”を、なんとSNSへの投稿目的で自腹100万円以上を突っ込んで“実演”。いくらリッチマンにとっての100万円が、私らにとっての1万円程度の価値でしかないとはいえ、ちょっと信じられない話ではあるが、リッチマンにはリッチマンなりの切実な事情があるようだ。

 

「経営者の方は“自分のブランディング”の一環としてSNSで(私生活の)充実ぶりをアピールするようになっています」

経営者や個人事業主、営業マンのあいだでは「仲間が多いほうが信用度も高い」ため、SNSでのリア充アピール合戦が激化している……と『ファミリーロマンス』は分析するが、単純に「リア充っぽいことを体験して自分を変えたい人」や「芸能人のインスタグラムのオシャレな写真などに触発され、自分も『こんなところに友だちと行って、自分も写真を載せてみたい』と憧れる人」からの依頼も多いのだそう。

 

ここ5年だか10年だかで急激に世に出回った「リア充」なる言葉に、SNSの一般化・多様化が加わったことによってケミストリーを起こした典型的な「病」、いわゆる「現代病」……とは、さすがに言い過ぎな気もするが、「リア充」を「非日常的なトピックスを日常的にSNSへとアップすること」と“イコール”で括る公式が成立しつつあるのは、やはり「なんかヘン」「気持ち悪い」と感じるのは私だけだろうか。

 

たとえば、私なんかは、古いタイプな人間の思考回路なのかもしれないが、Facebookやらインスタやらに、やたら“華麗なる私生活”をアップしまくっている人に対しては「このヒト、仕事ちゃんとやっているの?」みたいな印象をつい抱いてしまうし(※仕事をちゃんとやっていないヒトを「ダメなヒト」だとは思わない)、つい先日、ド平日のド昼間から脳天気に花見に興じている自身の写メを酔っぱらった勢いで、ついFacebookにアップしてしまったときなんかは、「〆切りを延ばして、ボクの原稿を待ってくださっている皆さまにサボっているのがバレちゃったらどーしよう…」とドキドキした。“華麗なる(=脳天気な)私生活”は本来だと「極力隠して然るべき」なのが“ゴメスの信条”なんである。

 

たぶん「凡庸な毎日にささやかな楽しみ・喜びを見いだすことこそが真のリア充」といった物の考え方が(50歳を超えた)私にはあるのだろう。あと、プライベートのすべてを曝したくない、第三者に尻尾をつかまれたくない、「このヒト普段はなにして生きてるんだろ?」と思わせぶりたい、どこかミステリアスな部分を残しておきたい、そう勝手に勘違いしてもらいたい……みたいな願望も否定はしない。

 

だから、私はFacebookでは原則として「職質に合ったこと」やら「渋谷駅構内にあった便器っぽい洗面台のこと」やら「靴を片方間違えて出かけてしまったこと」やらだけをアップして、私生活の90%をブロックする。はたして、これが“SNSの正しい使い方”なのかどうかはわからないが、ある意味、自意識の過剰度においては、リア充代行を利用する人たちより、ずっと強烈なのかもしれない。

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ネットニュースパトローラー

山田ゴメス

1962年大阪府生まれ B型。 ネットニュースパトローラー(※citrus限定肩書き。たまにスポーツ新聞や週刊誌も。略して「NNP」)。 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッショ...

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