落語とは違う?いまネットを騒がせる講談師「神田松之丞」ってナニモノ?

エンタメ

宗像陽子


今、講談の世界で人気実力ともに抜群の講談師「神田松之丞」さんを知っていますか?

ちょっと待って。
超人気と言われるとちょっと気になるけれど、そもそも講談ってなに?
落語とは違うよね?
落語と講談、どう違うの?
むずかしいのイヤなんだけど。

そんな人もいるでしょう。至極ごもっとも。そんなあなたのために、今アツイ!講談の世界をご紹介しましょう。そもそも講談とは、演芸というジャンルの中では、お話をすることでお客さんを楽しませる「話芸」のうちのひとつです。「話芸」に属するものは講談の他には浪曲や落語があります。

講談は、「釈台」という机を前にして張り扇を持ち、パパンパパンと調子を取りながら、歴史モノや仇討、怪談噺を臨場感たっぷりに読みます。ちなみに講談は、昔台本を「釈台」の上に置いていたので、「読む」と言います。今はみなさん諳んじており、台本を読んでいる人はいません。落語は「話す」、浪曲は「語る」のです。講談は、落語のように「八っつぁん、熊さんのドジな話を肩の力を抜いて聞く」というのとも違って、オチもありません。そのためか難しいようなイメージがありますが、聞いてみると決してそんなことはありません。

今講談師の中で大人気なのが、神田松之丞さん。メディアやネットでも多く取り上げられる松之丞さんは1983年生まれの33歳。今最もチケットが取りにくい講談師と言われているのです。まだ若い頃、立川談志に憧れ、談志師匠が勧めていた講談を知り、神田松鯉師匠に弟子入りしたという経緯がありますから、落語も講談もめっぽううまい。日本講談協会と落語芸術協会に属しており、落語と講談の良さを併せ持ったような芸風です。

ですから、実は今筆者が書いた「落語と講談の違い」など云々すること自体、全く意味のないことなんです。自分で書いていてスミマセン…。「講談とはなんだろう?」と調べるより、松之丞さんを聴きに行ったほうが早いし、おもしろい。

本題に入る前のマクラで、落語のような肩の力が抜けるような話しぶりにヘラヘラと笑っているうちに、本題にはいり、あれよあれよといううちに手に汗にぎる展開に!パパンパパン!いつの間にか入り込んでしまった講談の世界は、もちろんひとり語り。BGMなんざありゃしません。なのに、目の前には、風景が絵のように広がり、息もつかせぬ人間模様が蠢く。観客は仇討ものにハラハラしたり、うーんと唸ったり、人と人との濃い情けにギュギュッと心をつかまれたりするのです。

軽やかな落語の要素あり、濃密な講談の要素あり、落語が大切にする「間」があり、講談には欠かせない「リズム」あり。今までも実力のある講談師はいたし、噺家もいたでしょう。しかし、落語、お笑い、演劇すべてのジャンルを飛び越えてハートをグッと鷲掴みしてしまったのが、神田松之丞さんなのです。

松之丞さんは今、まだ二つ目。真打にはなっていませんが、それだけに貪欲に、失敗を恐れずその活躍の場を広げています。ジャンルを超えてファンが広がったのは、自らがジャンルを超えてチャレンジしてきた姿勢のたまものかもしれません。

2017年4月の独演会「講談春秋」では、落語家とコラボ。同じ忠臣蔵の四段目の話題で、落語のネタと講談のネタで観客を楽しませてくれました。落語では、三遊亭遊雀師匠が「四段目」を話します。これは芝居が大好きな小僧定吉と主人のユーモアあふれるお話です。同じ四段目を題材にしたもので、松之丞さんは「淀五郎」を選び、落語とはまた違う深い味わいのある話を読んでいました。

5月には連続読み物「村井長庵」を4日間連続して行う完全通し公演。長い話の途中だけをチョイスするので、ふっと終わってしまうのが講談のお約束ですが、翌日にはまた続きを聞けるのがうれしいですね。いやこれは聞かずにはおれません。
また、初心者でも低価格で楽しめるシブラクにもまだまだ登場してくれるよう。

松之丞さん、大変アクティブでもあり昨年1年間で、全国で496席を行ったといいますから、今年もかなりのハイペースで全国を回ってくれることでしょう。毎日どこかに出没しては、世の人々を講談の濃厚な世界に引きずり込んでいることになります。どこで行われているかは、サイトをチェックしてみてください。意外とあなたの近くでやっていることに驚くかもしれませんよ。

 

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

宗像陽子

All About 歌舞伎ガイド。初心者でも歌舞伎に気軽に親しめる記事を執筆。毎月演目を解説して一幕見を観る歌舞伎初心者向けツアーを開催。子育てサイト「ココフル♪」(http://www.cocoful.jp/)編集長。フリーランスラ...

宗像陽子のプロフィール&記事一覧
ページトップ