「きゃりーぱみゅぱみゅ」を賞味期限切れ判定するマスコミへの違和感

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日刊ゲンダイDIGITALによると、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅ(24)の最新シングルCD「良すた」(4月5日発売)の初動売り上げ枚数を心配する気運が、どこからともなく高まっているようだ。
 

4月12日に発表されたオリコンシングルCD週間ランキングで、「良すた」は4440枚の15位。前作の「原宿いやほい」(3928枚・15位)を約500枚上回ったが、この結果にファンからは「全盛期のきゃりーは見る影もない」と嘆く声が掲示板を中心にチラホラ。

 
……なのだそう。初動売り上げ枚数もさることながら、近ごろはNHK紅白歌合戦出場を2年連続で逃すなど、勢いの衰えを指摘する声が徐々に目立ち始めているという。
 
もっとも、きゃりー本人は、あまり気に病んでいない様子で、某ネットメディアのインタビューには、自身の芸能活動についてこう答えている。
 

「(私は)人より向上心がないんですよねぇ」
 
「今後の野望とかよく聞かれるんですけど、なんかまぁ最終的に幸せになれたら良いです、みたいな感じで」
 
「あんまり向上心がないからこそ、6年間悩みなくやってこれたのかな」

 
さて。当記事を日刊ゲンダイDIGITALの記者は「このままでは賞味期限切れどころか、腐ってしまう可能性もある」と結論を括っているが、それはちょっと違うだろ、あまりに乱暴な「〆」っぷりなのでは……と感じたのは、はたして私だけであろうか。
 
たしかに、「きゃりーぱみゅぱみゅ」という(当時では)発想すら及ばない頓狂な芸名と、「原宿系の拡大解釈」では片付けられない、もはや“仮装”に近い奇抜でデコラティブなファッションを引っさげデビューした、見方を変えれば「突出した瞬発力が功を奏して売れっ子になった」一人の女性歌手が、お茶の間レベルの目線には「一発屋」としか映らないのは当然と言えば当然である。一発屋のわりには6年間も持ったのは、そのキワモノぶりが「あまりにキワモノすぎた」がゆえの“余韻”みたいなもので、「異常」が「常態」として社会認知されるまでに存外な時間を要した……ってことなんだろう。
 
ただ、こういったきゃりーぱみゅぱみゅ論は、繰り返すが「あくまでお茶の間レベルで語られる一般論」にすぎない。「人より向上心がないんです」「なんかまぁ最終的に幸せになれたら良いです」と、本心だか戦略だかは読めないけど、とりあえず宣言しているアーティスト、いや女の子に向けての「このままでは賞味期限切れどころか、腐ってしまう可能性もある」という言い草は、どうも違和感をおぼえてしょうがないのだ。
 
先日、私はここcitrusで『人生を「勝ち負け」で語るほど、貧乏臭くエレガンスに欠ける行為はない』というコラムを書いたばかりだが、“向上心のない人”を勝手に“向上心の塊みたいな人”の壇上に乗っけて、強引に「勝ち組・負け組」の二択にカテゴライズするのは、じつに貧相な判断基準だと思う。本当に彼女が「腐ってしまった」かどうかを正確にジャッジできるのは、マスコミの目にはほとんど触れることのない、ごく身近な友人や彼氏、そして両親くらいだけなのである。

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山田ゴメス

山田ゴメス

1962年大阪府生まれ B型。 ネットニュースパトローラー(※citrus限定肩書き。たまにスポーツ新聞や週刊誌も。略して「NNP」)。 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッショ...

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