【大人のメール講座】「半人前?」と思われる危険フレーズ

人間関係

 


文は人を表わすというか、文で仕事の能力を判定されるというか、おろそかに扱うわけにはいきません。ビジネスシーンでとくに気を付けたいのはメールの文章。せいいっぱい丁寧に書いたつもりでも、知らないうちに「この人、大丈夫か?」「うーん、まだまだ半人前みたいだな」と不安を与えたり失笑されたりしているケースは、ままあります。

社内でも社外でも、新しい人との出会いが多い時期。新社会人の方も中堅の方もベテランの方も、ビジネスメールにおける「危険フレーズ」をチェックしておきましょう。

●「半人前?」と思われるかもしれない危険フレーズ
その1「~させていただきます」「~していただければ」の連発
その2「~のほう」「~になります」など“バイト敬語”の頻出
その3「課長にお聞きしたところ」など身内に対する敬語
その4「参考になりました」「ご苦労様です」を目上の人に使う
その5「その日は予定があります」という素っ気ない断わり



その1「~させていただきます」「~していただければ」の連発

たとえば「資料を送らせていただきますので、お読みいただければ~」といった書き方は、ついやってしまいがち。丁寧に書きたい気持ちは何となく伝わりますが、同時に、余裕のなさや気の利かなさも伝わってしまうでしょう。「資料を送付いたします。ご高覧ください」と書いたほうが、「できる人」っぽく見えます。「ご」や「お」の使いすぎにも注意。


その2「~のほう」「~になります」といった“バイト敬語”

こんなにあちこちで「あれは恥ずかしい」と言われているのに、なぜいまだにしょっちゅう見かけるのでしょうか。うっかり「添付ファイルのほうをお送りいたします」「打ち合わせの資料になります」と書いてしまうと、未熟さとウカツさが漂ってしまいます。勇気を出して「添付ファイルをお送りいたします」「打ち合わせの資料です」と書きましょう。


その3「課長にお聞きしたところ」など身内に対する敬語

相手が外部の人の場合、話し言葉にせよメールにせよ、身内に対して敬語を使わないというのは常識中の常識です。話し言葉では気を付けていても、メールだとその原則がおろそかになりがち。とくに自分が新入社員だと、「山田課長にお聞きしたところ」と書いてしまいたくなりますが、「山田に確認したところ」と書くのが「一人前」への第一歩です。


その4「参考になりました」「ご苦労様です」を目上の人に使う

先輩や上司や外部の人に何かを教わったときに、お礼のメールで「参考になりました」と書くのは危険。偉そうな印象を与えます。「勉強になりました」「よくわかりました」と返しましょう。もちろん「ありがとうございました」というお礼も忘れずに。「ご苦労様です」も、基本は目上が目下をねぎらう言葉。目上の人に対しては「お疲れ様です」が適切です。


その5「その日は予定があります」という素っ気ない断わり

飲み会の誘いにせよ打ち合わせの日程の打診にせよ、都合が悪いときにどう断わるかで、人柄や「社会人としての成熟度」を見られてしまいます。「その日は予定があります」といった素っ気ない断わり方はあまりにも大胆。まずはお礼を述べ、都合が合わないことを詫びた上で、必要に応じて、別の日程を提案したり残念な気持ちを表明したりしましょう。


「半人前」と「一人前」の境目は、結局は小さなことがちゃんとできるかどうかの積み重ねです。こうした「危険フレーズ」に気を付けつつ、徐々に周囲に一目置かれる存在になっていってください。番外編ですが、携帯メールやLINEの癖なのか、自分の名前が書いていないケースがあります。メールソフトの「差出人」に表示されるから大丈夫、という問題ではありません。相手の名前を省略するのも、よっぽど親しい間柄以外はタブーです。


ただし、このへんのマナーは十分にわかっている側が、新人や若手が「危険フレーズ」を使っていたからといって、鬼の首を取ったように「だから近ごろの若いヤツは」と鼻の穴をふくらませたりダメなヤツと決めつけたりするのは慎みたいもの。自分だって新人のころは、似たような未熟さがあったはずです。ちょっと気を抜くとみっともない反応をしてしまうという意味で、わかっている側にとっても危険なフレーズと言えるでしょう。

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石原壮一郎

石原壮一郎

1963年、三重県生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。大人の新しい概念と可能性を知らしめ、以来、日本の大人シーンを牽引している。2004年に出版した『大人力検定』は...

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