新曲がCD店で相次ぐ欠品! ゴールデンボンバーが「売れる理由」を同業者が語る

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2017年4月5日にリリースしたシングル『#CDが売れないこんな世の中じゃ』がタイトルに反し、CD店で欠品が相次ぐヒットとなり話題のゴールデンボンバー。

2012年頃“エアバンド”という前代未聞のスタイルとシングル『女々しくて』でブレイクした頃は「また一発屋か」くらいに捉えていた方も多いと思うが、大方の予想に反して5年を経た今でも話題に事欠かない人気を誇る彼ら。しまいには国民的人気アニメ『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)で主題歌まで担当する始末だ。

彼らはいったいどんな人々で、人気の秘訣はどういったところにあるのだろうか。ブレイク前からのゴールデンボンバーと親交があるパンクバンド「流血ブリザード」のユダさんにお話をうかがった。
 

“過剰演出の鬼畜ロック”を標榜するパンクバンド「流血ブリザード」のユダさん。ブレイク前からゴールデンボンバーと親交がある。GIG予定:5月2日(火) 新宿JAMにて「JAM FES 2017 ※共演:鳥肌実、つしまみれら」など多数


──ユダさんはけっこう前からゴールデンボンバーと交流がありましたよね

ユダ:2008年やったと思うけど、スタークラブ(神戸市のライブハウス)で対バンしたのが初めで。自分たちがまだ関西を拠点にしていた頃で、彼らはツアーで来てた。ジャンルもバラバラの平日のブッキングイベントやった。

──その頃のゴールデンボンバーはどんな印象でしたか?

ユダ:エアバンドっていう形態はインパクトがあったし、間奏中にキャベツの千切りやったかな。何かそんなんやったりしてた。俺らもめちゃくちゃなパフォーマンスをやってた時期やったし、親近感が湧いたね。ライブハウスのブッキング担当者も何か通ずるものを感じたのか、またすぐにブッキングされて対バンになった(笑)。


■「どのバンドよりストイックだった」ライブの打ち上げに参加せず反省会へ

ユダ:当時の流血ブリザードはツインボーカル体制で、相方のアトランティスが全裸になってその上に刺身を置いて客に「食え~っ!」なんて煽ったりしてたから客はドン引きで誰も前に来なかったんやけど、ゴールデンボンバーのメンバーがノリノリで前に来てその刺身を食べてくれた。こないだ久々に自分達の昔の映像を見返してたらそのシーンがあったよ(笑)。

──当時のゴールデンボンバーはどんな曲をやっていたんですか?

ユダ:『抱きしめてシュヴァルツ』とか『元カレ殺す』をやってて、キャッチーで面白いと思った。ポップス的な作曲センスはやっぱり優れてたと思うね。

(鬼龍院)翔くんにもらったデモCDを母親と車乗ってる時にかけたら「この子、歌上手やねぇ。この子ら売れるんちゃうか? あんたらと違って聴きやすいわ」って言われたことがあったね(笑)。俺は「曲ええけど、でも演奏してないからなー。どうなんやろなー」なんて言ってたけどおかんは先見の明があったわ(苦笑)。

──うちとけるのは早かったんですか?

ユダ:一番最初に話したのは喜矢武君で、そのあとは翔君やったと思う。すぐに一緒に写真撮ったりして、翔くんと連絡先交換して。その後も他愛のないメールのやり取りをしたり、企画イベントに誘って出演してもらったりしたね。池袋手刀(東京都のライブハウス)でGIGしたとき、レコーディング中で忙しいのに、翔君がわざわざ合間に抜けて遊びに来てくれたのは嬉しかったよ。

──当時のゴールデンボンバーのメンバーはどんなキャラクターでしたか?

ユダ:あくまで俺にとっての印象でしかないけど、喜矢武君はイケメンのヤンキー。翔君はとにかく真面目で謙虚。バンドの少し込み入った話もして色々考えている人なんやなって思った。当時のドラマーだった天空城君はカオス。「普段はスーパーでお惣菜売ってるんです」とか言うて総菜について熱弁されたんやけどリアクションに困った覚えがある(笑)。歌広場君は楽屋でひとり静かに弁当食べてるイメージ。

──交流する中で他のバンドと違いって感じましたか?

ユダ:最近はそうでもないけど、ロックバンドって終わったらだいたい打ち上げ行ってとにかく飲むみたいな風習あるやん。俺らなんかその典型例で、ステージの出来がどうであれ終わったら能天気に飲んで騒いでたし。

でも彼らは打ち上げとか行かないし、逆に反省会のような事をしていた記憶があるよ。MCひとつにしてもすごくこだわってて。マネージャーさんが厳しくダメ出ししてたりしてて、事務所側も熱心で「このバンドを売りたい」という気持ちが強いんやなと思った。

せっかく対バンしたんやから一緒に飲みたいなーと寂しい気もしたけど、逆にどのバンドよりもストイックさを感じたよ。


■ゴールデンボンバーこそ“現代のパンク”

──2012年にブレイクしてから売れ続けているゴールデンボンバーですが、最近の彼らについてどう思われますか?

ユダ:普段、テレビを観いひんから最近の活躍についてそんなに詳しいわけちゃうけど。でも街の看板やウェブニュースで話題を見かけたらやっぱり嬉しいし、本屋とかで見かけたら思わずチェックしてしまったりするね。俺はファンです。

──彼らが売れ続ける理由ってなんだと思いますか?

ユダ:多くの人の支持を集めるだけの器があるんやろうね。曲がいいし、歌詞も面白いしね。あと、こんな根本的な話はいまさらで恐縮やけど、“演奏しないエアバンド”っていう、これまでのバンドの概念を根底から覆したことについてあらためて考えるとすごいパンクやん。

タブーをぶち破ってこれまでになかった手法で世に出るっていうのはまるでセックス・ピストルズみたいでかっこいい。ゴールデンボンバーこそ現代のパンクですよ。パァァァァンク!!!!

***

音楽界、芸能界で成功を持続させるには才能だけでなく人格、人脈、運、精神力、体力、事務所の力などさまざまな要素が必要になる。なにもすべてが揃っている必要はないが「これさえあれば」という甘い世界ではないのが実情だ。

ゴールデンボンバーの場合も、なにかひとつではない素質や条件に恵まれていたと考えていいだろう。

また、社会に変革をもたらした者は初めキワモノや一発屋と呼ばれがちだが、ゴールデンボンバーほど長く人気を持続させたならそれは本物だ。ユダさんが言うように彼らこそが“現代のパンク”なのだろう。
 

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中将タカノリ

中将タカノリ

シンガーソングライター、音楽評論家。2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。深い文学性と、歌謡曲、アメリカンポップスをフィーチャーした音楽性で独自の世界観を構築している...

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