「ONE OK ROCK」ってどんなバンド?海外でも人気の理由とは?

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出典:「ONE OK ROCK official website」より

国内のレコード業界で音楽不況が叫ばれて久しい。そんななか立て続けに大ヒットアルバムを放ち、世界でも本格的に人気の高まりを見せつつあるロックバンドONE OK ROCK(愛称は「ワンオク」)、皆さんも名前くらいは聞いたことがあると思う。

 

ボーカルのTakaさんがジャニーズアイドルグループ『NEWS』の元メンバーで、演歌界の大御所(元)カップル、森進一さんと森昌子さんのご子息ということはよく知られているが、いかんせんテレビにはほとんど露出せず、10代や20代の若者が主な支持層ということもあって、具体的にどんなバンドなのか知らない方は多いのではないだろうか。

 

 

■「ワンオク」ってどんなバンド?

 

ONE OK ROCKは2005年、リンキン・パーク、RIZE、ELLEGARDENなどオルタナテイブ・ロック、エモーショナル・ロックの影響をうけたToruさん(ギタリスト)、Ryotaさん(ベーシスト)らによって結成された。

 

直後にTakaさんが加入し、2007年にメジャーデビュー。2010年には武道館公演を果たすなど、とんとん拍子で音楽シーンの階段を駆け上っている。結成当初から人気が出たのはTakaさんがジャニーズに在籍したことやToruさん、RyotaさんがそもそもHEADSというキッズダンスグループでデビューしていたことが大きく作用したことも考えられる。そんな前評判に依存することなく、デビュー以降はテレビ芸能界とは一線を引いて音楽本位でファンを増やしているのだから大したものだ。

 

彼らの音楽は英語詞の多さやリリック的な言葉遊びでスタイリッシュな体裁をたもちつつも、本質は若者らしい率直な感情表現や人生賛歌。コアなロック音楽を根幹にしつつも、ポップス的に洗練されており、聴きやすい工夫が随所にこらされている。

 

今、アジアでは英語と母国語を高度にミックスした歌詞と、欧米市場でも通用する本格的なダンスミュージック、ロックサウンドを取り入れたアーティストが増加しており、たとえば韓国のBIG BANGや2PMなどは日本でも高い人気を誇っている。ONE OK ROCKもそういったムーブメントのひとつではないかというのが僕の私見だ。

 

 

■和洋の音楽シーンに通じた在日カナダ人女性・じゃんぬさんの見解

 

欧米、アジアでのリリースや公演を成功させ、今後も世界の音楽市場に挑んでいくであろうONE OK ROCKだが、実際の欧米の音楽ファンは彼らの音楽をどのように受け止めているのだろうか。元FM COCOLOパーソナリティーで和洋の音楽シーンを研究している在日カナダ人女性・じゃんぬさんにお話をうかがった。

 

じゃんぬさん。ボカロ・アニソンDJ、ナレーター、翻訳家、かつては大阪のラジオ局FM COCOLOでパーソナリティーを務めるなど、多岐にわたる活動を日本国内で展開。奈良県在住のカナダ人女性 https://twitter.com/kagamisky

──じゃんぬさんがONE OK ROCKを聴き始めたきっかけはなんですか?

 

じゃんぬ:『るろうに剣心』の主題歌『The Beginning』だったかな? 時代劇みたいな話なのに全て英詞になっているのは不思議なチョイスだと思いました(実際はちょっとだけ日本語の歌詞が入ってますが)。それで気になって当時発売されたアルバム「人生×僕=」を借りてみました。

 

──じゃんぬさんにとってONE OK ROCKはどういうカテゴリーなのでしょうか。J-Pop……もしくは国籍は関係なくエモーショナル・ロック、ロックなどでしょうか

 

じゃんぬ: 簡単に言うと“アメリカっぽいJ-Rock”ですかね。決してポップスではないけどエモと言うのもなんだかしっくりこないですね。TakaさんはMy Chemical Romanceなどエモの歌い方を意識してるように聞こえるけど、それもどちらかと言うとMCRの流行った10年ぐらい前のエモだから、今の流行には当てはまらない気がします。J-Rockもアメリカっぽいものとそうでないものに今は分かれているのは確かなんだけど、それを話しだすと長くなります。

 

──文章単位で英語と日本語が入り混じった歌詞って、英語圏出身の方にとってはどう感じるんでしょうか?

 

じゃんぬ: 私にとっての印象ですが、日本の音楽は昔からそうでしたので、あまり気にならないです。特にロックに関しては全部英語詞で歌っているアーティストはぱっと思いつくだけでEllegarden、Boom Boom Satellites、Buck-Tick、The Yellow Monkey、Man With a Missionなどたくさんいます。英語の曲のカバーならL'Arc~en~CielのHydeや、そのずっと前にPenicillinもやっています。

 

──ネイティブの方から聴いてTakaさんの英語力っていかがでしょう。

 

じゃんぬ:Takaさんの英語力は確かに高いと思いますが、それも最近だとそう珍しくもないですね。

 

──じゃんぬさんはONE OK ROCKのどんな部分に魅力を感じるのでしょうか?

 

じゃんぬ:たぶんそう詳しくない人が聴いても「あ、ワンオクだね」とわかるような、彼ら独特のサウンドです。またそのサウンドにTakaさんの声がぴったり合っているのも魅力のひとつだと思います。さらに言うと日本語と英語のメロディの当てはまり方はだいぶ違うのに綺麗にブレンドできるところはすごい才能だと思います。

 

──これからONE OK ROCKを聴く方にオススメの楽曲はありますか?

 

じゃんぬ:定番のるろ剣(るろうに剣心)タイアップ『The Beginning』『Mighty Long Fall』やファンに人気の高い『完全感覚Dreamer』は興味のある人ならいいきっかけになると思います。個人的にはアルバム「35xxxv」の『Stuck in the Middle』もおすすめです。

 

あと、ちょっと話がずれますが、昨年シンガーのAimerさんが出したアルバム『daydream』にTakaさんがコラボで参加した曲もまた魅力的でした。

 

──和洋問わずONE OK ROCKに近い、似ていると思うバンドやグループはいますか?

 

じゃんぬ:難しいですね。日本のバンドだとSpyair、OldCodexやBut By Fallなど……Man With a Missionもそうですね。洋楽なら一緒にツアーしてたFall Out BoyやTakaさんがコラボしていたSimple Plan。今人気のオルタナティブ・ロックバンドなども似ていると思うので、興味ある方はチェックするといいですね。

 

──ONE OK ROCKに、今後さらに世界の音楽シーンへと羽ばたいていける要素はあると思いますか?

 

じゃんぬ:あると思います。才能も自分たちのスタイルしっかり持っていますし、すでに海外にもファンは大勢いると思います。

 

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英語圏出身の音楽研究家をもうならせるワールドワイドな才能を持つONE OK ROCK。彼らのような存在こそが今、国籍を問わない自由な音楽ファンたちに求められているのだろう。

 

歌謡曲や昔ながらの芸能界的な予定調和を愛する僕としては森進一さんや森昌子さんと和気あいあいとコラボする姿も見てみたいが……今のところそれは本人たちもファンもまったく望んでいないだろう。今後もより一層の健闘を期待したい。

 

※この情報は2017年5月現在のものです

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シンガーソングライター/音楽評論家

中将タカノリ

シンガーソングライター、音楽評論家。2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。深い文学性と、歌謡曲、アメリカンポップスをフィーチャーした音楽性で独自の世界観を構築している...

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