世界遺産に登録勧告の沖ノ島、「女人禁制」の風習は外国人には謎だらけ

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沖ノ島の宗像大社「沖津宮」 Wikimedia Commons

<女は行けないの!?――新たな世界遺産誕生で、日本の風習に興味津々の海外>

福岡県の古代遺跡「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」に伝わる「女人禁制」のしきたりが、海外でにわかに話題になっている。

ユネスコ傘下のICOMOS(国際記念物遺跡会議)から世界文化遺産登録するよう勧告されたことで、海外メディアは「男性専用の島」、「タブーが残る島」など、この地に伝わる神道信仰を取り上げている。

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■「なんでダメなの?」

九州本土から約60キロメートル離れた福岡県宗像市に属する沖ノ島は、古代から「女人禁制」、「一木一草一石たりとも持ちだすことを禁ずる」などの掟を敷くことで、信仰の形を現在まで守り続けてきた。
 

 

しかしながら、外国人観光客にとって気になるのは「世界遺産を訪れることができるかどうか」だ。英BBCは、現在、性別によって沖ノ島への入域が制限されること自体は議論にならないとし、正式に世界遺産に登録されても「女人禁制」を守る自治体の方針を伝えた。
 

神が宿るにしても、なんで女性はだめなの?

英テレグラフ紙は2016年11月に、沖ノ島を紹介する記事を掲載した。このなかで、女性を「不浄」として上陸を許可しないという宗教的な理由を説明。また、日本で女性の入域を制限する場所があることは国外にはあまり知られていないと指摘。沖ノ島のほか、2004年に世界遺産に登録された吉野熊野国立公園内の大峰山の一部も同様に女性の立ち入りが禁止されていると伝えている。

【参考記事】マスターズを揺るがす「女人禁制」騒動

実際のところ、沖ノ島が「女人禁制」となった理由は定かでないようだ。島では田心姫神(たごりひめのかみ)という女性の神を祭っており、神が嫉妬するという説もある。文化情報サイトのスミソニアン・ドットコムは「女性の月経が島を穢してしまう」という一説を紹介した。



■外国向けに番組も

2015年に世界文化遺産候補として日本からの推薦が決定すると、海外向けに沖ノ島を紹介する番組が放送された。
 

 

カルチャーメディア「Blouin Artinfo」は、出土品を紹介。勾玉のほか、ペルシアのカットグラス碗など大陸からもたらされた宝物も多いとされている。古代の祭具発見された宝物は発掘されたのではなく、置かれたものを拾い集める表面採集で集められたものだ。

一方、地元は沖ノ島の世界遺産登録は手放しに喜ぶばかりではない。そもそも自治体が登録を推薦していた8つの構成資産の内、世界遺産への登録が適当とされたのは沖ノ島とその周辺にある4カ所のみ。選定基準が厳しいという声もあった。英BBCは世界遺産として認定されてから増加が予想される観光客の対応に不安を覗かせる声を伝えた。

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■一般人の上陸は年に1日だけ

「女人禁制」だけが独り歩きしているが、男性といえども、一般のすべてに入域が許されているわけではない。滞在が許されるのは、島の管理をする宗像大社の神官1人だけで、交代で宿直を務める。たとえ男性だとしても一般には年に一度だけ、日本海海戦の記念日である5月27日、参加を希望する一般男子の中から抽選で選ばれた約200人の男子に上陸が許される。

正式な登録は、今年7月にポーランドで開かれる世界遺産委員会で最終的な審査の後に決まる。

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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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