【決定版】シャイな人でも電車で席をサクッと譲れるようになるフレーズ&アクション

人間関係

 

高齢者に席をゆずる人が減ってきているそうです。「席を譲ったけど断られる」といった経験がある人が増えたこと、元気な高齢者が増えたことなどが背景のようですが……。筆者も席を譲ろうとして「スグ降りますから」と断られ、気まずい思いをしたことが何度もあります。そのまま元の席に戻るのも変な気がしますし、別の車両に立ち去るのも……とモヤモヤしました。そのせいか、最近は席を譲ることを躊躇してしまうことも。

 

シャイな人でもサクッと席を譲れるテクニックはないものでしょうか。席を譲ることを躊躇してしまう理由を考察し、その対策をコミュニケーションの視点から提案したいと思います。

 


■優しい人でも席を譲るのを躊躇してしまう3つの理由

 

席を譲るのを躊躇してしまう理由を調査整理した結果、下記の3つに集約することができました。

 

  1. 対象者に席が必要なのか確信が持てない
  2. 誰かが譲るだろう(自分である必要がない)と思う
  3. 拒否を連想する

 

困った人には手を差し伸べたいタイプの人も、席を譲らないことがある。その背景を解説したいと思います。

 

まずは(1)のケース。確信が持てない状況下では、私たちは周りの人の態度から影響を受け、自分の行動を決定します。解説するよりもわかりやすいので、有名な実験をひとつ紹介しましょう。

 

アンケートに答えてもらうという名目で、被験者に作業をしてもらいます。作業している最中に、換気口から白い煙を出します。すると、部屋の中に被験者が一人の場合、75%の人が異常を報告してくれました。では、周りに人がいて、その人たちが煙を無視した場合はどうでしょうか。その場合、なんと90%の人が無反応という結果になったのです。(Latane&Darl,1970)

 

席を必要としているかも知れない。でも、もしかしたら立っていたほうがラクなのかも知れない。次の駅で降りるかも知れない。こういった確信が持てないケースでは、席を譲らない他の乗客から影響を受け、「譲らない」という選択をしやすくなるのも納得ですね。

 

(2)の「誰かが譲るだろう」という気持ちも、その決定を後押しします。協力が必要な人を発見しても、周りに協力できる人が多いと援助行動をとりにくくなる傾向があります。また(3)で挙げたように、過去に席を譲るという申し出を断られた経験のある人であれば、さらにこの傾向は高くなることが予想できます。

 

電車の中というのは、たとえ優しい人でも席を譲りにくい環境が揃っていると思っていいでしょう。

 


■サクっと席が譲れる! 5つのフレーズ

 

うぅ、席を譲ったほうがいいのだろうか……そんな風にグズグズと悩まず、サクっと席を譲るためのフレーズをご提案します。

 

1. 「いや自分が立たないと」
高齢に見える人、妊婦さんらしき人、子供を抱っこしているお母さんなどが目に入った場合、皆さんは脳内でこんなセルフコミュニケーションをしていませんか?

 

「譲ったほうがいいのかな」
「いや待てよ、誰か譲るかも知れないしなぁ」
「やっぱり譲ったほうがいいかな」
「でも、断られるかも知れないし……」
「ま、いっか」

 

「誰かが譲るだろう」という状況下では、なかなか行動を起こしにくいのでしたよね。そこで、まずは脳内で「自分が立たないと」というフレーズを使ってみてください。コツは、つぶやいた瞬間に腰を浮かせること。「でもやっぱり……」というモヤモヤを感じずに席を譲れます。

 

2. 「どうぞ座ってください」
席を譲られることに対し「立ってくれた人に悪い」と感じる人も多いです。本当は座りたい場合でも、反射的に断ってしまうこともありますし、相手を慮って断ってしまうケースもあります。でも、断られると傷つきますよね。そこでオススメなのが「どうぞ座ってください」という声掛けです。依頼型のフレーズなので、譲られる人の「悪いな」という負債感を軽減する効果が期待できます。コツは声掛けのタイミング。立ちあがる動作の途中で言ってしまうのはNGです。しっかり席を立って、歩き出しながら言うくらいが良いでしょう。

 

ちなみに断られる率が高いのは「座りますか?」といった質問系のフレーズです。反射的に「いえ、大丈夫です」と言いたくなるので使わないほうが無難です。

 

3. 「そろそろ降りますので」
「あ、大丈夫です」など、反射的に断っているだろうと思われる場合には、「そろそろ降りますので」と笑顔で付け加えてみてください。理由をつけると、理由がないときより承諾率は上がります。「次で降ります」だと嘘になってしまうこともありますが、「そろそろ降ります」ならいつでも使えるので便利です。

 

4. 「いつでも言ってください」
なかには取りつく島もない断り方をする人もいるかも知れません。そんなときに気まずい思いをしないための、返しのフレーズです。「立ってる方がラクなんです」「子供が泣くので座るのはちょっと」など座らない理由があるケースでも、「結構です!」と強く断られたケースでも使えます。

 

「今必要ないのはわかりました。でも、もし状況が変わって席が必要になったら言ってくださいね」というニュアンスが伝わりますし、不思議と傷つかなくて済みます。この言葉を伝えておくと、元の席に戻って座っても居心地の悪さを感じません。申し出を断られたとき全般に使えますので、ぜひ試してみてください。

 

5. 「座ってくれー!」
迷ったときの対策、断られたときの対策を考えておいても、やっぱり恥ずかしくて……という人はこの方法を。心の中で「座ってくれー!」と対象者に向かって叫びながら、中吊り広告や路線図を見るフリをしながら席を立ってください。譲りたいと思った人が座ってくれないこともありますが、「座ってくれー!」と祈ったことが心の免罪符になります。バカらしいと思うかも知れませんが、「どうしよう!?」と逡巡する時間が節約できるので、筆者は案外気に入っています。

 

理想は、席を譲るのも譲られるのも当たり前になって、朗らかに応酬できること。いいことをするのにためらうのも変ですし、席を譲るための対策をマジメに考えるのもなんだか滑稽ですが……。「席を譲るのか問題」って、結構モヤモヤしますよね。今度、席を譲ろうか迷ったときには、5つのフレーズを試してみてください。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

コミュニケーション研究家

藤田尚弓

All About 話し方・伝え方ガイド。企業と顧客のコミュニケーション媒体を制作する株式会社アップウェブを経営。言語・視覚の両面から「伝わる」ホームページやパンフレットなどの制作を通し、日々コミュニケーション...

藤田尚弓のプロフィール&記事一覧
ページトップ