繊維業界歴20年のプロが教える! クオリティが高い服を見分ける10のポイント

ライフハック

後藤百合子

繊維業界歴20年のプロが教える! クオリティが高い服を見分ける10のポイント

「本当に良い品質の服だけを着たい」と思っても選ぶのは難しいもの。特に最近はアウトレットやバーゲンでも、値下げしているように見えて実は最初から低いコストで作り、高い定価をつけているものもちらほら見受けられます。繊維業界歴20年の私が、自分自身いつもチェックしている本当に良い服を選ぶためのポイントをお伝えします。

 

■(1)生地の糸は細く、目が詰んでいる
最近はオールシーズン通して生地は「軽く、薄く、柔らかく」がトレンドになっています。といっても、ただ薄いだけではNG。ネットの商品レビューで、ボトムスの生地が透けて困るという声をときどきみかけますが、原因は織りが粗くて生地の目がすかすかなこと。たとえ薄さが同程度でも、よい品質の服は細い糸をしっかりと詰ませて織っています。もちろん触ったときのしなやかさも違います(目が粗い生地はごわごわします)。

 

■(2)ニット生地の縫い目にバイヤステープが施されている
ニット生地はストレッチ性が持ち味ですが、縫製の際、これが災いして生地が伸びたまま縫ってひきつれができたり、針穴からほつれてきてしまうことがあります。これを防ぐために使われるのがバイヤステープ。薄いTシャツ生地の首回りなどの縫い目に別布で細くテープが当てられていれば、ないものより確実にクオリティーが上がります。

 

■(3)切った糸の始末がしっかりとされている
良い品質の服は縫製もしっかりしています。ここを見分けるコツは最後の糸の始末。きちんと処理され、どこが糸端か見えないようならば、管理が行き届いた技術の高い縫製工場で生産されている証拠。逆に、糸端が切りっぱなしになって飛び出していたり、糸くずがあちこちについていたりする場合は、検品も手抜きの恐れがあります。縫い目が曲がっていたり、ボタンがすぐに取れてしまうような粗悪品かもしれませんのでよく見てみましょう。

 

■(4)よい裏地を使い、表生地とぴったり合うように縫製されている
生地はよく見ても裏地までチェックする人はあまり多くないようです。しかし、裏地こそ肌に直接当たる部分が最も多いもの。裏地の品質の差は着用時の快適さに直結します。ベンベルグなど高級品を使っていれば最高ですが、そうでなくても肌触りをしっかり吟味しましょう。また、パターンや縫製が悪いと、表生地と裏地がちぐはぐになって引きつれができたり、表生地に裏地が響いたりしますので、試着して必ず確かめます。

 

■(5)テープや紐がよれよれしてない
品質のよい服には、生地と同じく品質のよいテープやひもが使われます。繊維製品なのでやはりしっかりと織られているかは重要なポイントですが、もう一つのチェックポイントはまっすぐかどうか。よれよれしているものは、糸を節約するために生地を粗く織ったり、織った後の整理加工をきちんとしていない可能性がありますので、一度洗うとさらにひどくなることもあります。

 

 

■(6)ボタンは手触りがよくバリがないか、色と形は均一
樹脂や貝、木製などのボタンでは、バリやざらつきがないか、色や形が均一でそろっているかを確認します。とがったところやざらざらしているところがあると生地を傷めますのでNG。ボタンは面積こそ小さいですが、服の印象を決めるポイントになることが多いもの。ありふれたボタンでなく凝ったデザインのボタンを使ってある洋服は、きちんとコストをかけて作ったものであることが多いのです。

 

■(7)金属類はとがったところがないか、メッキがきれいについている
ボタン類よりさらに気をつけなければいけないのは、ホックやハトメ、カシメ、バックルなどの金属類。バリが出ていると服だけでなく肌を傷つけてしまうことがあり、きちんと固定されていないと赤ちゃんが呑み込んで事故になったりすることもありますので必ずチェック。もう一つのポイントはメッキです。きれいに均等にメッキされて表面がなめらかで、サビや曇りがないものを選びましょう。

 

■(8)良い品質のホックは開閉時に「パチっ」と気持ちよい音がする
高品質の金属やプラスティックのホックは、開け閉めのときに「パチッ」と気持ちのよい音がするもの。こんな音が出るホックは着るときのストレスも少なく、取れてしまう事故も少ないのです。縫い付けボタンと違い、金属やプラスティックのホックは一度取れてしまうと自分では直すことができないので、しっかりと生地に打たれているかもみておきます。

 

■(9)ファスナーの開閉はなめらか
引手が取れてしまったり、ひどいものはムシ(テープについている小さい金属部品のこと)がばらばらと落ちてしまったり、先端が差し込み部分になかなかはまらなかったり、生地に噛んでしまったりと、ファスナーはけっこうトラブルが多いもの。良い品質の服には必ず良いファスナーが使ってあります。開け閉めしてみて、開閉がなめらかでひっかかったりしないか必ず確かめましょう。日本が世界に誇るファスナーメーカーYKK製でしたら鉄板ですが、ニセモノも多いので注意を!

 

■(10)パターンは自分の体型に合っているか
欧米ブランドのデザインが気にいっても、実際に着てみるとどうもしっくりこなかったという経験はないでしょうか。実はこれ、パターンと呼ばれる型紙の違いが大きいのです。欧米ブランドでも日本でよく売れているものは、デザインは同じでも、必ず日本人の体型に合わせてパターンを別に作っています。ただ、同じ日本人でも人によって体型は違いますので、その服が自分の体型に合っているかどうか、必ず試着して脇、襟ぐり、ウエスト、ヒップの線など細部をチェックし、合うもののみを選びます。高品質のブランドはパターンにもお金をかけますので、体になじむ確率が高いはずです。

 

良い服を大切に着るためには、まず、選ぶ段階から徹底的に吟味し、買いたいもの。ぜひお試しください。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

後藤百合子

大正5年創立、今年で100周年を迎える繊維会社の4代目社長。 日本語、英語、中国語(北京語と広東語)のトライリンガル。現在、シンガポールでも会社を経営中。 ツイッターアカウントは@sinlife2010

後藤百合子のプロフィール&記事一覧
ページトップ