クーペはやっぱり美しい──新型アウディ A5クーペに欧州でさっそく試乗

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人気が高いアウディ A5クーペがフルモデルチェンジ。本国で試乗会が開催された。乗ると驚くほど快適でスポーティで、感心する出来のよさなのだ。

 

文:小川フミオ

 

アウディ S5クーペ|Audi S5 Coupe S5クーペは新開発の2995ccV型6気筒エンジンにクワトロシステムの組み合わせを持つ

 

2016年初夏発表された新型アウディ A5クーペ。GQ読者なら興味を惹かれるだろう。なにしろクーペというのは魅力的だから。適度なぜいたく感と、乗るひとの趣味性を感じさせるスタイルがいい。アウディ A5クーペは2007年発表以来衰えない人気を保ってきたアッパーミドルクラスの2ドアだ。その長所は繊細な美しさに加えて、4人の大人が乗れる実用性にある。ほかに類のない独自のスタンスを確立したことが人気の背景だ。新型もいいところは受け継ぎ、伸ばすべきところを伸ばした感じである。

 

さっそくご報告の試乗はポルトガルのリゾート、ポルトとその近郊で。美しい自然と優雅なリゾートホテルによって、欧州をはじめ世界各地の観光客を惹きつけているところだ。クルマのおもしろさは、そのキャラクターによって、なんとなく合う場所を持つところだ。その点、欧州の富裕層が愛するポルトは、エレガントという印象が強い新型アウディ A5クーペにぴったりの場所のように思えた。

 

アウディでは、しかし、「走りのよさも味わってもらいたくてこの場所を選んだ」と試乗会に先立って本国の広報担当者が教えてくれた。雰囲気だけで終わらせたくないということだ。ポルトの空港前の特設会場にずらりと並べられた新型A5クーペに乗りこみ、そこから山岳部を走るコースで、山をいくつも越えて新型A5クーペの魅力を味わってもらおうというのが、アウディ本社の企図するところであった。

 

アウディ A5クーペ|Audi A5 Coupe アウディ A5クーペ 2.0TFSI クワトロには、1984cc4気筒(185kW/252ps、370Nm)とフルタイム4WDシステムが搭載される

 

乗ったのは、2リッター4気筒のアウディ A5クーペ 2.0TFSIクワトロ(185kW/252ps、370Nm)。加えてパワフルなアウディ S5クーペ。後者は新開発の3リッターV型6気筒TFSIエンジンを搭載し、260kW(354ps)の最高出力と500Nmの最大トルクを発生する。ともに日本導入が予定されているモデルだ。TFSIとは過給器を備えた燃料直噴エンジンを意味している。

 

シングルフレームとアウディが呼ぶグリルは幅広で低くかまえた印象が強くなり、前端が少し下にさがったボンネットには「パワードーム」というふくらみがつけられた。エレガンスとパワーの両立というむずかしい課題をデザイナーは上手にこなした感じだ。

 

はたして新型A5クーペ、とても楽しいのだ。

 

 

新型アウディA5クーペでポルトガルを走ってたどりついた結論。端的にいうと「このクルマ、欲しい!」というじつに明快なものだった。A5クーペ 2.0TFSIクワトロは、それだけいい出来なのだ。低回転から扱いやすく、それなりに回す楽しみもあるスポーティな感覚の4気筒エンジン。意外なほどシャープなステアリング。安定した挙動。しなやかな乗り心地。静かな室内。ネガティブな要素を見つけるのが難しいほど全方位的によく出来ている。

 

室内の作りもよく、シートの座り心地がよい。リアシートも大人2人にとってスペース的な余裕があるので、使い勝手も高得点だ。ゴルフ趣味を持つひとには大きなトランクを備えている点も長所だ。インフォテイメントシステムも使いやすく、欧州では外部との通信機能も拡大しているようだ。日本に輸入されたときも、これまでのアウディジャパンの動きを見ていると、通信機能の拡張に期待できるかもしれない。

 

同時に発表されたのが新型S5クーペだ。スポーティさでいうとA5クーペに輪をかけて出来がよい。新開発の3リッターV型6気筒エンジンはミラーサイクルといって吸気バルブを長めに開けることで燃焼をより効率的に行う機構が採用されている。ターボチャージャーは90度のバンクの内側に置かれる。それによってエンジンの冷却システムを活かして吸い込む排気の温度を下げ「最適な効率で動くようにしている」(試乗会場で話したエンジン開発担当者)そうだ。

 

アウディ S5クーペ|Audi S5 Coupe フルタイム4WDシステムを搭載するS5クーペは静止から100km/hを4.7秒で加速する

 

S5クーペのパワー感は従来以上だ。実際、出力で15kW(21ps)上がり、トルクも60Nm増大している。よさはターボ化の不自然さがまったくないこと。高回転域のパワーを求めてターボチャージャーを大径化すると低回転域の力不足感と過給(ターボ)が効き始めたときのちょっとしたぎくしゃく感が気になったりする。いっぽう小排気量エンジンにありがちな小径ターボチャージャーでは回転をあげていくときの突き抜ける快感にとぼしい。S5クーペの味付けは絶妙だ。下の回転域から上までパワー感が途切れることはない。

 

エクステリアデザインでは前後のタイヤの存在感が強調されている。その適度にアグレッシブな外観から期待する通りの走りが楽しめる。内実ともにスポーティクーペとして完成されているといえる。日本での発売は2017年になりそうだが、全長4637mm(欧州値)のミドルサイズクーペという普段使いにもぴったりのサイズとあいまって、待つ価値は十分にありそうだ。

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