自転車の取り締まりが厳しくなってからじゃ遅い! 法律でがんじがらめになる前にやるべきこと

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田中 宏亮

自転車の取り締まりが厳しくなってからじゃ遅い! 法律でがんじがらめになる前にやるべきこと

■ここまでされなきゃいけないの?
6月1日より改正された道路交通法により、特に自転車に対する取り締まりや罰則が厳しくなったことはご周知のとおりかと思います。雨の日、自転車に乗りながら傘をさす姿は珍しくない光景ですが、これも取り締まりの対象。確かにクルマやバイクに乗る側から見れば危なっかしいことおびただしいので、やむなしかと思いますが、いずれにせよ世知辛い世の中になったなぁ、と痛感する今日この頃。

 

特に昨今の自転車ブームを受けての法規制だとは思いますが、それにしても「やりすぎでは?」と思うところも。それぞれの国には私たち日本人では理解しがたい法律が存在しますし、アジア諸国の一部では無法地帯と化しているところもあるので、一概に比較はできませんが、にしても「各々が注意すれば済む話じゃないの?」と思える内容が罰則化とは、日本人として行き過ぎな感が否めません。

 

とはいえ、大きな車道の真ん中をすり抜けていったり、堂々と右折レーンに入る自転車を見ることが少なくないので、「こうでもしなきゃ収拾がつかないんだろうな」とも。

 

そこで、自分のなかに“別の違和感”が沸き上がってくるのです。法律で規制される前にできることがあったのでは?と。

 

■迷惑だと思うなら注意してやればいい
大阪から上京してきた私ですが、初めて都内をクルマで走って驚いたのは、全体的な行儀のよさ。今もなお大阪と東京を行き来するのでよく分かるのですが、良くも悪くもGoing My Wayな大阪に比べて、東京の交通状況は「一糸乱れぬ」という表現がぴったり当てはまるほど。

 

違いを挙げるとすれば、クラクションの有無でしょうか。東京でクラクションが聞こえるのは稀。実際、東京の職場の同僚と話していた際、「クラクションなんて人生で一度しか慣らしたことない」「別になくても問題ない」「鳴らす必要なんてあるの?」なんて声を耳にしました。

 

これ、東京だけなのでは?と思いました。そもそも意味のない機能が備わっていることなどあり得ませんし、私が訪れたアジア諸国はもちろん、アメリカやヨーロッパといった先進国の都心部でも、ここまでクラクションを聞かなかったことはありません。もちろん無作法に鳴らす必要などありませんが、程度で言えばちょっと極端なように思えます。

 

実際、突然飛び出してきた子どもを前に急ブレーキを余儀なくされながら、何も注意せず走り去ったクルマを東京で何度も見かけています。「いや、これは注意しなきゃダメだろう」ということにも、クラクションひとつ鳴らさない。

 

これでは意識が弛緩するのも無理ありません。

 

 

■“注意する文化”から生まれるより良い社会
あきらかに自分の行為が危ないと理解しつつも、注意を受けなければ意識に根づきにくいもの。子どもの教育と同様、他者からの指摘があって、善悪の区別が意識づけられるのです。クルマやバイクの性能は飛躍的にアップし、自転車までもが蔓延する都心部。それでいて、後づけの交通整備しかできないから都心の機能そのものがキャパシティオーバーを起こしつつあります。

 

1990年代のパソコンに、現代の画像ファイルを大量に流し込んでいるようなもの。機能不全を起こすのは当然のことでしょう。アメリカなどと比べると、街そのもののサイズ感が異なりますからなおさらです。

 

小さな箱のなかでスペックの高いマシンが行き来すれば、事故が増えるのは誰にでも分かること。しかし、私たちは機械ではなく、コミュニケーションを取れば分かり合える人間同士です。言うべきことを言わないというのは、他人への無関心に他なりません。

 

私は、都内を走る際でも遠慮なくクラクションを鳴らします。すると、まるですごいクレーマーに出くわしたかのように睨みつけてこられる方が少なくありません。関西はもちろん、諸外国では無作法な運転をしていればクラクションぐらい鳴らされますし、そのことに対してイチイチ過敏に反応する人などいません。東京の方々はかなりナイーブなのでしょうが、自身のベースに「注意する文化」を持たないと、社会そのものをより良くすることはできないと思います。

 

無作法な走り方をする自転車には、注意すればいい。それは自転車だけでなく、携帯電話を触りながら運転するクルマのドライバーやバイクに対しても同様。そうした“注意する文化”が根づいていけば、必要以上の法規制で縛られる社会にせずとも済むのではないでしょうか。

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田中 宏亮

ハーレーダビッドソン専門ウェブサイトの編集長経験を持つフリーライター。海外メーカー系モーターサイクルでの新しいライフスタイルの楽しみ方を提案する。モーターサイクルのインプレッションのほか、カスタムやフ...

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