SNS時代だからこそ大切な「電話にしかできないコミュニケーション」とは?

ビジネス

小寺 良二

 

■電話は本当に非効率なコミュニケーション手段なのか?

 

堀江貴文氏の『多動力』が、発売からわずか3日で8万部を突破するという売れ行きだ。いつも世の中の常識に対してズバッと切れ味鋭い持論をぶつける堀江氏だが、この本の中でも「電話してくる人とは仕事をするな」と断言している。堀江氏に限らず現代のコミュニケーション手段は電話よりもメールやSNSが一般化しており、最近では仕事のやり取りもLINEやFacebookを使って行う人も多いようだ。

 

確かに私自身もフリーランスとして多くの企業や大学とのプロジェクトを同時に進める働き方をしているが、担当者とのコミュニケーションはほとんどメールで行っている。もしこれら仕事上のやり取りがすべて「電話」になってしまうと考えたら、確かにそれは非効率極まりないと強く感じる。

 

実際に時々やってしまうのは、仕事関係の人から携帯に電話があっても、よほど余裕がある時でなければ、あえてその場で電話には出ずに、後で留守電やメールで要件を聞いた上で対応するもの。ビジネスマナーに反するという人もいると思うが、自分としてはすぐに対応すべき案件と後で時間をかけて対応すべき案件とに分けてから対応したいという思いがある。

 

その場で考えた意見やアイデアを電話で伝えるよりも、一度冷静に考えてから時間をかけてメールで返信することの方が、自分自身としては納得した対応ができると思っている。そういった点では、私自身も電話よりも「メール派」なのかもしれない。しかしやはり日々の仕事をする中で、「電話でしかできないコミュニケーション」を実感することも多い。

 

■電話にしかできない“フィーリングコミュニケーション”

 

電話でのコミュニケーションを大切にする世代や業界の人たちがよく言うのは「メールでは気持ちが伝わらないだろ! 電話で直接話すから伝わることがあるんだ」といった「気持ち重視説」。メール派からすると古くて非効率な印象を受けるが、実際には的を射た言い分だと思う。

 

とてもタイムリーな事例になってしまうが、実はこの原稿を書いているちょうど今もある企業から私に電話があった。8月に私が講師を予定している研修について「講師2人体制でお願いしたい」という内容のメールをもらっていて、少し不思議に思いながらも許諾の返信をした後に担当者から電話がかかってきた。

 

電話で話すうちに担当者が「なぜわざわざ講師2人体制にしようとしたのか」という理由がわかってきた。受講者人数が予定よりも多くなりそうなので講師の私に気を使ってサポート講師をつけようとしてくれていたが、実はある程度の人数まで私1人で対応できることを伝えると、最終的には予定通り講師1人体制で実施することになった。単なる認識違いのように見えるかもしれないが、実はメールだけでは微妙に伝わり切ってなかったそれぞれの背景や考えが電話を通じて一瞬で通じ合った瞬間だった。

 

それは事前に文字にするのは難しい感覚やフィーリングの部分で、やはりお互いに会話をしながら感じ取る方が効率的だったりする。ビジネスでもプライベートでもこういった「フィーリングコミュニケーション」はとても重要で、電話は最も身近で効率的な手段である。

 

メールやSNSがこれだけ一般化した現代だからこそ、電話という手段がもつ役割を使う側が認識して活用していくことが「コミュニケーション上手」になるための近道と言えるだろう。

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小寺 良二

若者の就職支援を専門とするキャリアインストラクター。アメリカの大学卒業後、アクセンチュア(株)を経て(株)リクルートに入社し企業の採用支援を経験した後に独立。官公庁や自治体、企業が実施する数多くの若者...

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