優秀な人ほど辞めてしまう会社の共通点とは

人間関係

 

「優秀な人材ほど辞めてしまう」というような話は、多くの会社から耳にすることです。少し調べてみると、その理由が列挙されたウェブサイトが、数多くありました。そこでほぼ共通して挙げられていたのは、「過度な働きを求める」「貢献を評価しない」「スキルが伸ばせない」「目標を与えない」など、確かにどれも問題だと思うものばかりでした。そういう会社では、どんな社員でもやりがいが感じられず、定着せずに辞めてしまう人が多くなってしまうのは、当然のことです。誰も働き続けたいとは思えないでしょう。

 

ただ、ここであえて、「優秀な人は…」と切り分けて考えてみたとき、私がいろいろな会社を見てきた経験の中で、そういう人たちが辞めている会社に共通していると思うことがあります。一言でいうとそれは「閉塞感」ということです。「閉塞感」というと、市場や事業そのものの将来性など、会社としてはどうしようもない外部要因に対して感じるものもありますが、「過剰な締め付け」と表現した方が良いかもしれません。

 

例えば、社長の発言力が強大で何をするにもお伺いを立てなければならないような会社、新しい取り組みを好まず前例踏襲ばかりの保守的な会社、必要性が希薄な報告や手続きほかの社内ルールが細かい会社など、何かと枠がはめられていてその壁が厚いというような会社です。他にも、毎日同じような定型業務ばかり、何でもダメだという頑固な上司、ポスト不足や序列の固定化で昇進が見込めない組織、などといったこともあります。そして、こういう制約や障害は、実は「優秀だ」と評価される人ほど嫌うところでもあります。

 

「優秀な人」の定義は様々だと思いますが、よく言われるのは「自分で考えられ、自分で決められ、自分で実行でき、自分で責任が取れる人」です。主体的に行動できる人であり、俗に言われる「自律できる人材」ということです。会社として望ましい人材像や、社員の好ましい行動として位置付けられていることも多いです。しかし「閉塞感」の強い会社は、こういう力を発揮する場面がとても少ないか、ほとんどないのが現状。自分で考えてもそれが取り入れられず、何かを決めようとしても却下され、実行のしかたも制約されます。そんな状態で責任を取れと言われても、ただ押し付けられたと感じるだけでしょう。

 

ああしろこうしろと細かく指示をされたり、ルールに縛られたりということを、自分でいちいち考えなくても良いという意味で、面倒がない、気楽だなどと思う人はいるでしょうし、新人や経験が浅いうちであれば、それが必要なこともあるでしょう。しかし、自分の意志を持った行動できる人たちが、それを認められない環境にいても、決してやる気を持つことはできないでしょう。

 

「閉塞感」の強い会社を外部から見極めるのは難しい部分がありますが、そういう会社は必ず片鱗を見せるときがあります。私が見ていて感じるのは、相手に何かを強制することに慣れてしまっていて、相手目線が不足する傾向にあるということです。スケジュール調整で融通が利かなかったり、一方的に要求されるものが多かったりします。ちょっとしたやり取りの中でも、感じられることはあるはずです。また、「優秀な人が辞めていく」と感じる会社であれば、自社の指示命令のしかた、組織運営のしかたなどで、「閉塞感」を作り出していないかを確認してみる必要があると思います。会社として期待している人材、優秀と見ている人材が流出しているのだとすれば、それが無意識であったとしても、その人たちが働きやすいと感じる環境が用意できていないということです。そこには必ず「閉塞感」につながる何かがあるはずです。簡単には直せないことなのかもしれませんが、注目が必要な視点ではないかと思います。

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小笠原隆夫

IT業界出身で現場のシステムエンジニアの経験も持つ人事コンサルタントです。 人事課題を抱え、社内ノウハウだけでは不足してその解決が難しい企業、100名以下から1000名超の企業まで幅広く、人事制度構築、...

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