無駄な会議をなくす、たったひとつのシンプルな方法とは?

ビジネス

 

福岡県は「働き方改革」に関する県の取り組みとして、会議削減など県庁内の業務の無駄を減らすことで、職員の長時間勤務の解消を図るという方針を出したという記事がありました。

 

具体的には、

  • 会議の回数を減らして所要時間や参加人数を最低限とする
  • 資料を事前配布して人的コストを削減する
  • これまで庁内の会議は全て録音して、後で職員が文字に起こしていたが、できる限り要約筆記とする

ということが挙げられていました。

 

 

■「なぜ長くなるのか…」は永遠のテーマ

 

今まで、会議の内容をすべて文字起こししていたということにはちょっと驚きましたが、役所という特性ではやむを得ない部分もあるのでしょう。その他会議の効率化としては、一般的に言われていることばかりで多少の今さら感はありますが、これからの効果のほどを見ていかなければならないでしょう。「なぜ会議は長くなって無駄が多くなるのか」ということは、会議術などを専門に指導しているコンサルタントもいるくらいですから、企業の中では永遠のテーマというようなところがあります。

 

よく見られるやり方は、資料の事前配布や出席メンバーの絞り込みといった「準備を変える」ということや、議題を決めておいて時間内に必ず結論を出すなど「進行を変える」ということ、椅子なし会議のように「場の造りを変える」ということ、会議室の使用時間制限などの「しばりを加える」といったことがありますが、どれも決定打にはならず、それだけで解決に至るのはなかなか難しいというのが実際のところです。また、時間などを制限したとして、そのせいで必要なことが決められない、情報共有ができないなど、会議本来の目的が達成されないとなれば、それは「会議の効率化」とはいえません。

 

 

■「無駄な会議」を作り出しているのは誰か?

 

実は私自身、会社勤めの時代には、あまり会議会議と追いまくられた経験がありません。マネージャーだったので、出席義務がある会議はそれなりにありましたし、一つ一つの会議の中には、別に自分が出る必要もないと思うものもありましたが、無駄な会議が少なかったという一番の理由は、マネージャーである私自身がほとんど会議を企画しなかったからだと思っています。

 

情報共有だけならば、社内インフラで資料が見られればほとんどの用が済みますし、追加のやり取りは関係者だけで5分、10分の立ち話程度で足りることがほとんどです。検討会のようなものでは、基本的な議題はあるので、あとは時間のけじめさえあれば、そんなにダラダラ続ける必要はありません。マネージャーである自分が進行役として、時間と決めるべきことを意識していれば、必要以上に長引くことはありません。

 

私は、会議の効率化というのは「会議をやらないこと」が一番だと思っています。時間を短くなどといっても、大体その通りにはならないもので、「やらずに済ます方法」を考えなければ、無駄な会議は減りません。そもそも会議を企画する人というのは、それなりの権限者であるマネージャー以上が多いですから、無駄な会議もマネージャーが作り出しているということになります。

 

会議を企画する人にとっては、自分たちの仕事に必要という認識でしょうが、例えばある人が一日どのくらいの時間を会議に割かれているかなどと言う、全体最適が考慮されることはたぶんほとんどありません。ここから、会議ばかりで肝心な仕事が進まないというようなことが起こります。

 

 

■「とりあえず」集まって話すのが好きな人々

 

いろいろな会社を見ていると、社長をはじめとして「とりあえず集まって話そう」という会議をしたがる人が、思いのほか多いことに気づきます。報告会などというのは、だいたい上司が自分に必要な情報が欲しくて開催する訳ですが、参加した部下たちにとって必要な情報の割合が低いですから、無駄の度合いは高まります。定例会は、一度始めてしまうと最もやめづらく、マンネリ化しやすく、たいした議題がある訳でもないのに「とりあえず集まって話そう」が定期的にずっと続きます。やはり無駄の度合いが高くなりがちです。

 

 

■「無駄な会議」がもたらす損失額

 

ある会社では、「その会議にいくらかかるのか」という“会議の値段”で管理しようという試みをしているところがあります。実際にやってみると、単純に出席者の時給を積み上げただけでも驚くような金額になりますし、さらにそこに、会議出席のための移動コスト、会議のために後回しになった仕事で発生する損失などまで考えると、うかつに会議などは開けなくなります。役員やマネージャーなど上席者の会議であればなおさらです。

 

会議をやることの効果、やらないことの損失は、なかなか目に見える形にするのが難しいですが、かかっている人件費や経費であれば、はっきりとした数字にすることができます。この方法の是非はともかく、安易な会議開催をしないということが、実は「会議の効率化」には一番効果的なことではないでしょうか。

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小笠原隆夫

IT業界出身で現場のシステムエンジニアの経験も持つ人事コンサルタントです。 人事課題を抱え、社内ノウハウだけでは不足してその解決が難しい企業、100名以下から1000名超の企業まで幅広く、人事制度構築、...

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