スマホの存在で能力低下 能力発揮したければスマホは別部屋へ

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スマートフォン(スマホ)がすぐ近くにあるのとないのとでは、タスクを遂行する能力に違いが出ることが分かった。 

 

 

■スマホで認知能力低下

 

スマホは、私たちの生活を変えた。当然ながら、「便利に」変えたわけだが、「デジタル認知症」と呼ばれる症状が生まれるなど、便利さの陰で私たちの認知能力はネガティブな影響も受けている。

 

テキサス大学の研究チームがこのほど、スマホと脳の関係を調査したところ、スマホが近くにあるだけでタスクを遂行する能力が低下するという、驚きの結果が明らかになった。サイエンス・デイリーが伝えた。

 

調査したのは、テキサス大学オースティン校にあるマコームズ・スクール・オブ・ビジネスのエイドリアン・ワード准教授のチーム。800人近いスマホ・ユーザーを対象に、スマホがそばにある時のタスク遂行能力を測定する実験を行った。この類としては初めてとなる今回の実験では、たとえ使用していなくても「そこにスマホがある」というだけで、スマホがどれほどユーザーに影響を与えるかに注目した。

 

【参考記事】iPhoneユーザーは、Androidユーザーとはデートしない?

 

 

■「スマホを気にしない」無意識の努力が能力を低下

 

まず1つ目の実験では、参加者にパソコンで一連のテストを受けてもらった。テストは、いい点数を取るには意識を完全に集中しなければならない難易度で、参加者がどれだけ認知能力(データを処理する能力)を発揮できるかを測定するものだ。

 

テスト開始に先立ち、参加者は全員、スマホの電源をオフにするよう指示された上で、スマホを「伏せてデスクの上に置く」か、「ポケットにしまう」か、「自分のカバンしまう」か、「別の部屋に置く」かのいずれかをするよう無作為に指示された。

 

テストの結果、最も成績が良かったのは、スマホを別の部屋に置くように指示された参加者たちだった。若干の差で、スマホをポケットやカバンにしまうよう指示された人たちが続き、デスクに置くように指示された人たちの成績は著しく悪かった。

 

ワード准教授は、「スマホの存在が目につけばつくほど、認知能力が発揮できなくなった」と語り、「(テストを受けた人たちは)スマホのことを意識的に考えているわけではないが、『あることについて考えない』というプロセスが、限定的な認知能力のリソースの一部を使いきってしまう。能力の流出だ」と説明した。つまり、スマホに意識を向けないようにしよう、という無意識の努力の方に、限りある能力が無駄に使われてしまっているのだ。

 

 

■スマホ依存者が能力低下を防ぐには

 

別の実験では、スマホ依存がどれほど認知能力に影響するかを調べた。前の実験同様に参加者はパソコンで一連のテストを受けるのだが、今回は参加者に対しスマホを「画面を上にしてデスク上で目につくところに置く」、「ポケットにしまう」、「カバンにしまう」、「別の部屋に置く」のいずれかをするよう無作為に指示した。ただし電源については、一部の参加者のみがオフにするよう求められた。

 

実験の結果、スマホに依存している人の方が、そうでない人より成績が悪かった。ただし、スマホを別の部屋に置いた場合には、両者の間に違いは見られなかったという。

 

ワード准教授のチームは、スマホの電源が入っているか否かや、液晶が下向きか上向きかは能力の発揮に関係なく、スマホが視界の中や簡単に手に届く場所にあることが、集中してタスクを実行する能力を低下させてしまうと分析している。

 

「スマホに通知が入るから参加者の気が散ったのではなく、スマホの存在自体が、認知能力の低下を引き起こすのに十分な原因だった」とワード准教授は述べている。

 

仕事やテストなどで実力をフルに発揮したいときは、スマホをロッカーに入れるなど、できる限り自分から離した方がよさそうだ。

 

 

文:松丸さとみ

 

 

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