脳神経外科医が警告! 「ぼっち」は「喫煙」と同じくらい体に悪い!?

人間関係
脳神経外科医が警告! 「ぼっち」は「喫煙」と同じくらい体に悪い!?

みなさんに質問です。この1週間ずっと職場と自宅の往復だけだった人はいらっしゃいますか?

 

この質問に「NO!」と胸を張って答えることができない人は、これからの健康に要注意です。

 

じつは2010年に発表された論文によると、人とのつながりが強ければ強いほど、生存率は上昇することがわかりました。そして、その「社会的なつながり」は、なんと禁煙と匹敵するような効果があるとのこと。

 

Social relationships and mortality risk: a meta-analytic review.

 

さらに2015年には、「孤独」や「社会的孤立」が死亡率を上昇させてしまうという論文も発表されました。

 

Loneliness and social isolation as risk factors for mortality: a meta-analytic review.

 

みなさんの健康をよりよいものにするのが医師の役目なので、診察のときに「タバコ吸いますか?」「お酒飲みますか?」というように嗜好品を聞いて生活指導を行うのですが、これからは「ひとりぼっちですか?」「寂しくないですか?」というふうにも聞かなくてはならないということです。

 

さて、私のところに通っていただいている元気な患者さんが、急に体調を崩すことがあります。

 

その原因の多くは、「別れ」に伴う「社会的孤独」なのです。

 

「最愛のパートナーが亡くなってしまった」「娘が嫁に行ってしまって、ひとりぼっちになってしまった」というようなことで体調を崩してしまう人が多いのですが、「職場」との別れにも注目する必要があります。

 

 

それはどのようなことかといいますと、仕事に一生懸命打ち込んでいた人が定年退職するときです。

 

会社にいれば、同僚や部下がいますから、社会的な孤独を感じることはないでしょう。しかし、定年退職をして家にいる時間が増えた場合はどうでしょう? 奥さんは、奥さん自身のコミュニティをすでに作っていることが多いので、「ちょっとランチに行ってくる」「旅行に行ってくる」と言って、夫のことなどかまってくれやしません。もちろん、勤めていた会社の同僚や部下が家に訪ねてくるわけではありませんので、昼間はひとりぼっち。そして、テレビの前から動くこともなく、外へ買い物に行くわけでもなく、誰ともしゃべることなく、一日を過ごしているので、自分の健康の変化にも気づいてもらえず、ついには病院へ……というパターンに陥るわけです。

 

そうならないためにも、仕事に一生懸命打ち込むことは悪いことではないのですが、職場以外のコミュニティを定年前に作っておきましょう。でないと、一気に「孤独感」が襲ってきて、そこから体調を崩してしまうこととなってしまうかもしれません。

 

将来、みなさんには健康的な90歳以上を目指してほしいので、薬を飲んだり、健康診断に行ったりするだけではなく、今のうちから「社会的なつながり」を意識して生活することをお勧めします。

 

自分の仕事だけ、自分の家庭だけというのではなく、幅広く人と出会ったり、趣味に打ち込んだりしたりして、自分の可能性をどんどん広げてみましょう。

 

「そんなこと言ったって、忙しくてそんな時間はない!」という人は、メールでもSNSでもいいので、昔の学校の友だちに連絡してみてはどうでしょう? 新たな「つながり」ができるかもしれませんよ!

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脳神経外科医

菅原 道仁

All About「家庭の医学」ガイド。現役脳神経外科医。脳血管障害を中心に、救急医療からリハビリテーション、予防医療までの現場経験を元に、くも膜下出血・脳梗塞・認知症などに代表される脳・神経の病気について、...

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