「あやまち」「いやらしい」「きもい」―地方で違うその意味は? 共通語で誤解されやすい方言

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東京のそば屋で「たぬき」を注文すると、うどんであれ、蕎麦であれ「揚げ玉(天かす)」がのっています。しかし大阪で「たぬき」を注文すると、油揚げをのせた蕎麦が運ばれてきます。元来、うどん文化の大阪では油揚げをのせたうどんを「きつね」といい、標準と異なる蕎麦のものを「たぬき」と呼ぶのです。

 

地方から上京してきた人が、共通語のつもりで口にした言葉が実は地元でしか通じない方言だったという話はありがちです。『東京のきつねが大阪でたぬきにばける 誤解されやすい方言小辞典』(篠崎晃一/三省堂)では、共通語と似ているが、地域独特の意味がある方言をまとめた辞典です。方言の成り立ちを読み解くと、その土地ならではの文化や歴史がみえてきます。

 

今回は、共通語ではマイナスの意味で使われる、とくに誤解を招きやすい方言を10個紹介します。

 

(1)あやまち

富山・北陸地方では「骨折」や「脱臼」などの外傷を表します。「あやまち医者にかかる」とは接骨院に通うこと。共通語の「あやまち」の失敗という意味合いは奈良時代からあり、そこから怪我の意味で使われるようになったといいます。

 

(2)いやらしい

佐賀では「可愛い」という意味で使われます。「今日の服やらしかねー」は、服が可愛いと褒めています。語源は柔らかく愛らしい感じを表す「やわらしい」から「やらしい」に変化したようです。

 

(3)からかう

山梨では困難に対して知恵を働かせ「いろいろ手を尽くすこと」をいいます。「息子の体調が悪いのでからかってやった」といっても子供を虐待しているわけではありません。平安時代から言われ、相手に「かかわる」という言葉がより丁寧になった表現です。

 

(4)きもい

愛知・岐阜では「この靴きもい」のように、サイズが「きつい」の意味で使われます。「その服、きもくない?」というのは、「その服、小さくない?」ということ。若者言葉の「きもい(気持ち悪い)」が使われ始めるはるか以前の江戸時代後期からある言葉だそうです。

 

(5)ぐれる

「捻挫」のことを静岡では「足をぐらした」といいます。「友達がぐれた」と言っても非行に走ったわけではありません。素行の悪さを表す共通語の「ぐれる」が登場するのは江戸時代後期だそうです。

 

(6)だます

南東北・埼玉では子供を「あやす」の意味で使われます。「うちの子供がだましてもらった」というように使います。また「子供だまし」は、「子守り」のことなのだとか。

 

(7)だれる

九州南部では「疲れる」の意味です。「今日の仕事はだれた」といっても、だらだらと仕事をしていたわけではありません。ちなみにご当地では晩酌のことを「だれやめ(疲れ止め)」というそうです。

 

(8)はそんする

関東や南東北では「修繕する」という意味になります。「着物をはそんする」など、衣類の繕いに用いる地域が多く、鎌倉時代から使われていた針仕事を表す「把針(はしん)」が変化した言葉だそうです。

 

(9)もえる

徳島・鳥取では「増える」の意味で使います。「お金がもえた」「人がもえた」という他にも、「畑のお芋がもえとる」のように、成長して「大きくなる」の意味でも使われます。

 

(10)やつす

香川・近畿で「おしゃれをする」という意味です。「身をやつす」というと共通語では「みすぼらしくなる」と受け取られますが、まったく正反対になります。平安時代にはすでにあり、地域によって別の意味に分かれていったといいます。

 

同じ日本語なのに、地域ごとにまったく違った意味合いを持っていて面白いですね。地方に旅行した際には現地の言葉にも注目すると楽しい発見があるかもしれません。

 

文=愛咲優詩

 

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