新世代のスーパーバンド「ワンオクロック」──彼らは世界を熱狂させられるか?

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生まれた時代がボーダーレスだった。彼らは当たり前のように世界を目指し、その道を着々と進んでいる。ONE OK ROCKは、ミレニアル世代を熱狂させ、問いかけ、インスパイアし続ける──。

 

Photos: Hiroshi Kutomi @ No.2 Styling: Tatsuhiko Marumoto
Hair: Jun Goto Make-up: NODA @ ATC Words: Kosuke Kawakami

 

シャツ ¥83,000、バッジ ¥44,000〈すべてDIOR HOMME/クリスチャン ディオール Tel. 0120-02-1947〉 左:ブルゾン ¥350,000、セーター ¥95,000、パンツ ¥110,000〈すべてVALENTINO〉、スニーカー ¥77,000〈VALENTINO GARAVANI/以上すべてヴァレンティノ インフォメーションデスク Tel. 03-6384-3512〉 左から2番目:シャツ ¥115,000、ジーンズ ¥70,000、ネックレス ¥51,000、靴 ¥135,000〈すべてDIOR HOMME/クリスチャン ディオール〉 右から2番目:コート ¥328,000、タンクトップ ¥45,000(参考価格)、パンツ ¥157,000、イヤリング ¥38,000〈すべてGivenchy/ジバンシィ表参道店 Tel. 03-3404-0360〉 右:ジャケット ¥500,000、シャツ ¥35,000、パンツ ¥130,000、靴 ¥195,000〈すべてDIOR HOMME/クリスチャン ディオール〉

■バックギアもブレーキもない

 

愛だ、恋だ、永遠だといった耳障りのいい歌詞はほとんどない。ほとんどが英語の歌詞から伝わってくるのは、むしろ怒りや焦りが生み出すエネルギーだ。奏でる音もビートが強く、ときに威圧的なほどに重厚で骨太だ。かといって昔ながらのロックとも異なる。ダンサブルで、ときにメロディアス。そしてその音楽の真ん中で、驚異的なほどの歌唱力のヴォーカルの声が響く。

 

ONE OK ROCKは、いまの10代から20代、ミレニアル世代の若者たちから圧倒的な支持を得ているバンドだ。人は、ティーンエイジのころに聴いた音楽を愛し続けるという。とすれば、彼らの音楽がこれからの日本の真ん中に存在し続ける一時代がやってくることは間違いないだろう。

 

結成は2005年。1988年12月、昭和という時代の最後に生まれた、ギターのTORUが中心となってバンドが誕生した。

 

「プロになりたいというより、自分たちの好きな音楽を作って、楽しみ続けたいという思いがスタート地点。そこから12年たって、その思いでいまも走り続けることができている。でもまだまだ夢はかなえられていません。僕らにはバックギアがない。ブレーキもない。つねにアクセルを踏み続けるしかないと思っています」(TORU)

 

彼らのライブチケットは発売と同時に完売するのが当たり前だ。2016年9月には、静岡・渚園に2日間で11万人の観客を集め、ワンマンライブを行った。この野外会場を満員にできるのは、サザンオールスターズやB’zなどトップクラスのスーパーバンドのみだ。ONE OK ROCKはもはや日本では、頂点といえるところまでのぼりつめている。だが、彼らにとっていまいる場所は、通過点にすぎない。ONE OK ROCKの夢は、世界でも知られるバンドになることだと、ヴォーカルのTAKAが語る。

 

このバンドで行けるところまで行きたい。今までは準備期間だったかもしれない

■ホームは日本、ゴールは世界

 

「僕らははじめから世界を目指してやってきました。理想は、ONE OK ROCKという名前を聞いたら、世界中の人が『ああ、日本のバンドでしょ』と言ってくれること。僕らは日本で育ち、この国の文化、音楽のなかで育ってきたし、そのルーツに誇りを持っている。ビートルズといえばイギリスというように、音楽と国がリンクすることで、自分たちのルーツをアピールすることができる。僕らの音楽を聴いて、世界中の人が日本ってカッコいいと思ってほしい」

 

彼らは、日本でのライブ活動の合間をぬっては、アメリカやヨーロッパに出かけ、小さな会場でのライブを繰り返している。スタッフと一緒にバスに乗って街から街へと巡るツアー。どこもキャパシティは日本でライブを行う会場の10分の1以下。彼らのことをまったく知らない観客たちの前で演奏することも珍しくない。そんな海外での活動が強い刺激を与えてくれると語るのは、ドラムのTOMOYAだ。

 

「日本でライブするときは、リハーサルをやって音をチェックして準備万端で始められる。でも海外でやるときは、だいたいぶっつけ本番。細かいことを気にせず、ただ自分たちの音楽をぶちかますことしかできない。でもそれを繰り返していくことで、自分たちの限界も、さらにその限界の先も見えてきたように感じます。うまくいかずへこむこともありますよ。でもそれが次のモチベーションになる。少しずつですが、見える景色が変わり、広がっていっているという実感があります」

 

 

手応えは、少しずつ確かなものになっているという。「ホームは日本。ゴールは世界」(TORU)という言葉にハッタリはない。彼らの本気は、昨年、LAにスタジオ付きの拠点を作ったことからも伝わってくる。

 

彼らが世界で戦っていくうえで、最大の武器は、TAKAの伸びやかで音域が広く、そして力強いヴォーカルであることは間違いない。

 

「とくに誰かに教わったこともないし、トレーニングをしたこともないです。この声を与えてくれた両親に感謝しています」

 

TAKAの両親─よく知られた事実だが、歌も声も最強のDNAを受け継いでいる。だが、あまりに偉大すぎる両親と、彼がかつて別事務所に所属していたという事実は、TAKAとONE OK ROCKの音楽にとって偏見、足枷になることも多かったはずだ。

 

「つねにそんな自分自身と戦ってきました。親のことも、前の事務所にいたことも、コンプレックスに感じて、ずっと超えたいと思っていました。最近は少し変わってきましたけど、昔自分が書いていた詞には、そんな怒りやフラストレーションがストレートにあらわれていましたね。でもその思いがあったからこそ、成長できた部分もある。昔は、親を超えてやるなんて思っていましたけど、少しだけ同じ目線で物事を見られるようになって、あらためて両親のすごさを感じています。歌手としてだけでなく、親としてもすごい。僕は、15歳で家出してしまって、バンドを始めていた。普通の親なら放っておかないですよね。でもうちの親は『帰ってくるな』と言って、僕がやりたいままにやらせてくれた。それが本当の優しさだと気づいたのは、自分が大人になってから。厳しいけど、ありがたかったなあと感謝しています」

 

 

TAKAもそしてほかの3人も、話しているととても素直で気持ちのいい若者だ。「セックス、ドラッグ、ロックンロール」という破壊的なイメージとはかけ離れた、純粋に音楽を楽しみ、その可能性を探る新しい時代のロックスター。ベースのRYOTAは「女とかクルマとか嫌いじゃないですよ」と言いながら、それよりも大きな欲望があると語る。

 

「このバンドで行けるところまで行きたい。それに比べたら、ほかの欲望なんて小さなものです。これまでの12年はあっという間でした。いろいろなことに挑戦してきたけど、最近無駄な音がなくなってどんどんシンプルになってきたような気がします。ここから世界に向けた新しいスタートが始まる。今までは準備期間だったのかもしれません」

 

真剣に、そして楽しみながらONE OK ROCKは音楽で世界を目指す。そんな彼らの本気の音楽をミレニアル世代に独占させるのは、もったいないかもしれない。

 

 

Profile

ONE OK ROCK ワンオクロック

2005年結成。バンド名は、スタジオの料金が安くなる深夜1時から練習をしていたことに由来する。アメリカのレーベルとも契約し、世界を視野に活動を続ける。最新アルバム『Ambitions』は北米でも同時リリース。

 

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