宅配業者の苦労はまだまだ続く? Amazon的な即配サービスが次々と出てくるワケ

ビジネス

 

■ドンキがAmazonに「宣戦布告」

 

ヨドバシカメラは2016年9月、東京都内の対象地域でヨドバシ・ドット・コムの注文商品を最短2時間30分以内に届ける「ヨドバシエクストリーム(Yodobashi Xtreme)」をはじめました。17年2月にはドン・キホーテが、対象店舗から半径約3キロ以内のエリアに58分以内で商品を届ける「マジカプレミアムナウ」(majica Premium Now)をはじめ、競争が過熱しています。なぜこのような即配サービスが相次いで生まれたのでしょうか。

 

最大の要因は、Amazonに対する小売業者の危機意識だと考えられます。Amazonは15年の11月に1時間配送の「プライム ナウ(Prime Now)」をはじめ、その後も革新的なサービスを次々投入しています。国内の小売業者は、こうしたAmazonの動きに強く警戒しているのです。実際に、マジカプレミアムナウの配送時間はプライムナウ(1時間)より2分速い58分。1時間便の送料も、プライムナウが890円なのに対し、マジカプレミアムナウは750円とAmazonを意識した条件です。

 

 

■日本人も利便性に負けた

 

元来、ネット通販のネックは商品受け取りまでの時間でした。配送スピードのアップは、このネックを解消して実店舗との競争に勝つための手段だったのではないでしょうか。

 

それがいつの間にか、ネットショップ同士の競争に変化していったと考えられます。もちろん、企業が生き残るには時代の変化に合わせたサービスを提供しなければなりません。ただ、消費者は果たして、ネット通販にここまでの配送スピードを求めていたのでしょうか。

 

Amazonの「出自」は国土の広さや国民性、文化などが日本と異なるアメリカです。広大な土地を持つアメリカでは、家から最寄りの店舗まで車で1時間以上かかる人も多くいます。また、夫婦共働きが主流であったため、買い物の時間を少しでも縮めて効率性や利便性を求める国民性があります。
Amazonの即配サービスはこうした背景のもとで生まれました。

 

一方の日本人は、速まるネット通販の配送スピードに「過剰に甘やかされている…」と感じることもあるでしょう。しかしながら、利便性に負けて、ちょっとそこまで行けば買えるものでも即配サービスを頼る人は少なくありません。プライムナウはこうして、「即配」という新たなニーズを日本にもたらしました。

 

 

■Amazonを追うだけじゃAmazonに勝てない

 

日本企業は現在のAmazonしか見ていませんが、Amazonは未来のショッピングの姿を見据えています。その典型例がアメリカでオープンした、レジを通らず決済できるコンビニ「Amazon Go」です。

 

現在のAmazonに追随するだけでは、日本企業はAmazonを超えられません。Amazonが見据える未来の、さらにその先を見通すことができて初めて、Amazonを越えられるのではないでしょうか。過熱する日本での即配サービス、成功のカギは「脱・対アマゾン」と言えます。

 

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ECアナリスト/ネット通販コンシェルジュ

遠藤奈美子

ネットショップの運営に携わり、自身でも日常生活のほぼ全ての買い物をオンラインで行っていることから、ユーザー目線かつ運営者としての厳しい視点で情報を発信。EC事業者と消費者の橋渡し役を目指す。

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