自分だけの「穴場」を持っている? 居心地のいい居酒屋を見つける方法とは?

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“いい大人”になると、自分だけが知る「穴場」を1軒くらいは持ちたくなる。しかし、今、その「穴場」になり得る個人経営の居酒屋が失われつつあるという。

 

『「穴場」の喪失(祥伝社新書)』(本村凌二、マイク・モラスキー/祥伝社)によると、穴場の喪失は、若者の店選びの変化にあるという。現代の若者が受けたゆとり教育では「個性を大事にする」ことが目標のひとつとして掲げられていたが、それは皮肉にも価値観の画一化に繋がり、「マニュアル世代」などと揶揄される結果となっている。

 

そんな若者たちは、個人経営の居酒屋のような、客も店主の空気を読みながらお互いに店の雰囲気をつくっていくようなスタイルを好まず、品書き、価格、店の雰囲気、店員の言葉遣いが店舗で統一されているチェーン店に足を向ける。

 

また、インターネット世代である若者は、「食べログ」「ぐるなび」で評価が高い店を選ぶ。価格、酒の種類、肴の質、サービスなどの情報が公開されているため、ある程度の安心感を持って店に入ることができる。

 

「食べログ」「ぐるなび」では、地域の穴場が掲載されていることもある。しかし、このような店がある日突然スポットライトを浴び、一見の客がスタンプラリー的に押し寄せることで、長年その店に通って店主と共に雰囲気を築き上げてきた常連客たちが弾き出されることになる。ブームが去った後は、一見の客も常連客も戻ってこず、穴場は静かに潰れる。

 

良いものは残り、そうでないものは淘汰される。チェーン店や「食べログ」「ぐるなび」での人気店によって穴場が失われることは、自然の理なのかもしれない。しかし、本書はそのような考えに異を唱える。穴場は、地域文化そのものでもあるからだ。

 

店に与えてもらうのは商品だけでなく、心を豊かにする雰囲気、人間の交流・やりとり、新たな感覚など、さまざまなものがあります。これは単に、価格や味だけに収斂できるものではありません。消費だけを目的にすると、特有の地域文化を見失うケースが多いのです。

確かに、チェーン店や「食べログ」「ぐるなび」の人気店に、心を豊かにする雰囲気や、客層強く期待する人は少ないかもしれない。

 

穴場の喪失は、その地域に住んでいる人たちが作り上げ、維持してきた構造の崩壊であり、それは人と人との繋がりを希薄化し、ひいては個人の感覚も貧しくしてしまうと危惧している。

 

本書によると、店選びは自分で行うしかない。結果、失敗することがあるかもしれない。しかし、自分にとって居心地がいい穴場も獲得できる、としている。

 

文=ルートつつみ

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