心配性な人ほど成功する!? 脳神経外科医による「不安」を「行動力」に変える欲求コントロール法とは

ヘルス&ビューティ

 

■「不安」「心配」は成功するために必須の感情なのです

 

「心配性な自分を変えて、ポジティブな人間になりたい」

「私は心配性でネガティブ思考だから、きっと成功できないんだ……」

 

そんな風に思い込んでいる人はいませんか? たしかに、世間ではポジティブ思考がもてはやされています。ポジティブでなければ成功できないと考えている人も多いかもしれません。しかし、それは大きな間違い。心配性は克服しなくてもいいのです。というよりも、むしろ心配性のほうが人生において有利なのです。

 

実は、成功する人ほど「心配性」で、いつも不安を感じているのです。これまでに成功してきた経営者、スポーツ選手、アーティストなど、著名人の多くは、病的なまでに心配性でした。経営の神さまと呼ばれる松下幸之助も、あのスティーブ・ジョブズも、イチローも、心配性であることがよく知られています。つまり、「心配性であることは、成功するための条件」ともいえるのです。

 

 

■心配性の人ほどリスクマネジメント能力が高い! 

 

私たちは、自分の人生目標を脅かすリスクを見つけたときに、大きな不安を覚えますよね。

 

「就職活動がうまくいかなかったらどうしよう」

「仕事でミスして、職を失ったらどうしよう」

「恋人にフラれたらどうしよう」

 

これは言い換えれば、不安は「将来のために、今、できることがある」というサインだということです。未来への準備を促すアラーム。それが不安の正体です。

 

このアラームを鳴らすセンサーは基本的に誰にでも備わっていますが、心配性の人の不安センサーは特に高感度です。どんな小さなリスクにも反応して、「危険物の可能性アリ! 準備せよ!」と頭の中で激しいアラームを鳴らします。心配性の人のリスクマネジメント能力が高いのはそのためです。

 

この「細心の注意を払う力」は、人生目標を叶えるためにとても必要なものです。私たち人類はこれまで、不安だからこそ、前に踏み出してきました。生きるために農耕技術や医術を発達させ、安全や安心を確保するために産業を発展させてきたわけです。創造や発展のためには、不安という感情はとても大切なものなのです。

 

しかし、ただ「不安」を持っているだけでは、成功へはたどり着けません。これにプラスして必要なのが、「前へ進む力」です。

 

例えば、道の先に石ころが落ちていることに気づいたとして、「あの石ころが原因で、自分や誰かがケガをするかもしれない」と考えて不安になるけれど、かといって拾い上げるでもなくただ悩んでいるだけならば、ずっと「心配」で「不安」なままです。一方、石ころに気づいたときに「何かあったらいけない」と拾っておけば、不安はあっという間に消えるわけです。成功者と呼ばれる人たちは、この不安解消のための適切な「一歩を踏み出す力」を備えているのです。

 

 

■「一歩を踏み出す人」と「踏み出せない人」の違い

 

では、この「一歩を踏み出す人」と「踏み出せない人」の違いはどこにあるのでしょう。それは、“物事の捉え方”です。極端に言えば、一歩踏み出す人は「やってみればできるかもしれない」と信じ、踏み出さない人は「どうやってもうまくいかないだろう」と心のどこかで信じているのです。

 

どうしてこんな考え方の違いが生まれるのかというと、人には誰にでも「考え方の癖」というものがあるからです。たとえばよく出る例ですが、コップに水が半分入っているのを見て、あなたは「まだ半分も入っている」と楽天的に受け止めますか? それとも「もう半分しかない」と悲観的に受け止めますか?1つの出来事に対しても、人によって受け止め方が異なりますよね。これは、人はみんな考え方の癖というフィルターを通して、物事を捉えているからです。

 

「考え方の癖は生まれつきだから……」「今さら治らないよ……」と思いましたか? でも、諦めないでください。このフィルター(考え方の癖)は、今からでもメガネを掛け替えるように、別のフィルターに替えることができるのです。

 

 

■極端で不合理な欲求を持っていませんか?

 

実は、踏み出さない人は、絶対にうまくいきっこない状況を自分で設定していることが多くあります。「そんなバカな!」と思うかもしれませんが、あなたは次のような欲求を持っていませんか?

 

「完璧にやり遂げたい欲求」…やるなら完璧でなければならない

「勝ち続けたい欲求」…常に人より高い成績を上げなければならない

「報われたい欲求」…努力は必ず報われるべきだ

「愛されたい欲求」…他人に愛される自分でなければ生きている価値がない

「認められたい欲求」…誰かに認められる自分でなければ生きている価値がない

「コントロール欲求」…すべてを自分の思い通りにしたい

 

ここに上げた欲求は、どれもが極端すぎて不合理。実現することは不可能です。まったくほつれのない“完璧”な状態な存在しませんし、人より高い成績を“常に”上げ続けることはできません。努力が“必ず”報われるとも限りません。

 

つまり、「どうせうまくいかないだろう」と考えてしまうクセがついている人は、このように、思い込みのベースにある欲求が不合理で、心の奥底の目標設定がやたらに高すぎるからなのです。

 

 

■極端な思い込みには「あいまいさ」をプラス

 

このムリすぎる欲求を変える方法があります。それが、“あいまいさ”を加えてみること。具体的には、欲求に「できたらいいな」という言葉を付け加えてみるのです。たとえば、「完璧でなければならない」を「完璧に近づけられるといいな」に。「常に人より高い成績を上げなければならない」なら「今回は人より高い成績を上げられたらいいな」に変えてみましょう。

 

「どうせムリだよ」とため息をつきたくなったら、「いやいや、○○に近づければラッキー」「△△までできれば十分だ」と、考え直してみるのです。これを繰り返し、常に考えを修正していけば、「どうせムリだよ」という思い込みのクセを徐々に変えていくことができるでしょう。

 

心配性だけれどなかなか一歩を踏み出せない、と悩んでいる人は、まず、自分の根本にある“欲求”を見つめ直してみてください。そして、叶えるのはムリなほど高すぎる欲求を見つけたなら、「~でなければいけない」ではなく「~できればいいな」という「あいまいさ」をプラスする練習をしてみてください。最初は難しくても、思考のトレーニングを続けていけば、いつか自由に「フィルターを掛け替える」ことができるようになるでしょう。

 

【関連書籍】

成功する人は心配性』(かんき出版)

 

 

citrusでは【1000円分のAmazonギフト券】が当たるアンケートを実施中

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

脳神経外科医

菅原 道仁

All About「家庭の医学」ガイド。現役脳神経外科医。脳血管障害を中心に、救急医療からリハビリテーション、予防医療までの現場経験を元に、くも膜下出血・脳梗塞・認知症などに代表される脳・神経の病気について、...

菅原 道仁のプロフィール&記事一覧
ページトップ