「心配性」はデメリットではなく才能。ちょっとしたコツで心強い武器になる

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■日本人には“心配性”が多いって本当?

 

「心配性な自分が嫌だ」「楽天家になりたい」と思っている人は少なくないかもしれません。もともと、日本人は心配性の人が多いと言われています。「空気を読む」という文化の中で、無言のうちに過度な協調性を求められてきた結果、私たちには他人の表情を深読みする癖が沁みついています。そのせいで他人の一挙一動が気になって、「この人は不快になっていないか?」「自分のしたことに失礼はなかったか?」とさまざまなことが心配になってしまいますよね。

 

遺伝子的に見ても、日本人には心配性の人が多いことがわかっています。「セロトニン」という人の気分を大きく左右する神経伝達物質があり、これが不足すると不安を感じやすくなるのですが、セロトニンの量を調節する「セロトニントランスポーター」の働きが弱いタイプの遺伝子を持っている人が多く、不安を強く感じやすい傾向があるのです。さらに、長く続く不景気も、日本人の心配性にさらなる拍車をかけているようです。

 

 

■「心配性」はデメリットではなく“才能”です

 

しかし、「心配性」であることは、本当に人より損なのでしょうか? 心配性の人は成功者にはなれないのでしょうか?いいえ、そうではありません。それどころか、成功するためには「心配性であること」は有利であるともいえるのです。

 

前回の記事にも書きましたが、心配性で不安を持ちやすい人ほど、将来の危機を感じ取る能力が高い、つまり、リスクマネジメント能力が高いといえます。しかも、心配性の人はIQが高く、クリエイティブであるともいわれているのです。

 

たとえば、フランスの児童精神科医オリビエ・ルヴォル氏によると、「IQ値数の高い子どもは、他の子どもに比べ心配性が多い」ことがわかったそうです。目端が効くのは、頭がいい証拠。心配性であるとは、頭がいいということなのです。

 

さらにもうひとつ、心配性の人に関する興味深いデータがあります。英国の神経生物学者でパーソナリティ障害の専門家、アダム・パーキンス氏によると、不安とクリエイティブな能力には深いつながりがあり「心配性の人は、不安を強く感じやすい。だからこそ、強烈な不安を払しょくするための豊かな想像力と処理能力を持っている」のだそうです。

 

つまり、「心配性」は才能なのです。この「心配性」な人が持つ「不安」に振り回されず、コントロールできるようになれば、成功への道を歩むことができるのです。でも、「不安に振り回されない」と言っても、なかなか難しいですよね。今回は、いくつもあるトレーニングの中から、具体的ですぐに実践できる2つの方法をお伝えしましょう。

 

 

■情報を遮断する「情報断食」とは!?

 

まずひとつめは、「不安なときは情報を遮断する」こと。迷ったときには、答えを求めてさまざまな情報を集めたくなるものです。しかし、特にインターネットなどでは「アレがいい」「いや、アレはダメだ、コレがいい」と多様な情報が錯そうしているため、余計に混乱し不安が強まるだけ、ということが少なくありません。

 

これには私たちの体内ホルモンが関係しています。新しくて刺激的な情報に触れるとき、体内では、ノルアドレナリンという神経伝達物質が放出されます。ノルアドレナリンは、心拍数を上げて不安を掻き立てることで、注意力や集中力を司るストレスホルモン。つまり、新しい情報に接してノルアドレナリンが放出されている間、私たちはずっと不安でドキドキしているということです。不安を解消しようと延々と情報を集め続けていると、ずっとドキドキしっぱなしで「新たな情報を集めたい」という欲求もずっと続くという悪循環に陥ってしまうのです。

 

このような「情報中毒」状態で必要以上に不安になっていると感じる場合は、思い切って「情報断食」してみましょう。やり方は単純で、SNSやネットサーフィンなどの情報収集を、3日間すっぱりと辞めてみるのです。最初は不安でたまらなくなるかもしれません。しかし、3日ほど新しい情報に触れないでいることで、その衝動はスッと収まるでしょう。

 

 

■返事は“いったん保留”するクセをつけましょう

 

2つ目は、「即レスせずにいったん保留」すること。心配性の人がパニックに陥りやすくなるのが、誰かに回答を迫られたときでしょう。たとえば「この仕事、明日までにできる?」と聞かれて、本当は手一杯なのに、反射的に「はい」と返事をしてしまったことはありませんか?他人に嫌われるのが怖くて、急かされたわけでもないのに「できます」「ひとりで大丈夫です」などと自分を追い込んで、さらに不安材料を抱えがちです。

 

このようなパニックに陥らない方法のひとつが、「回答をいったん保留する」ことです。相手には「スケジュールを確認しますので、ちょっと待ってください」と伝えて、余裕があれば一晩以上、余裕がなければ1時間程度でも構わないので、回答を待ってもらいましょう。

 

「すぐに返事をしなければ」と焦ってできない約束をするよりも、いったん時間を置いて冷静に自分の状況を見つめ直す余裕を持てば、「こういう条件ならば受けられるかも」「今回は無理だから断ろう」という現実的な着地点が見えてくるはずです。パニックになればなるほど、「回答をいったん保留する」というなじみのない考え方ができなくなるので、普段から「保留できる回答は、すべて一度保留する」と決めておき、保留するクセをつけるとよいでしょう。

 

以上のように、不安をうまくコントロールし、行動力に変えることができれば、“心配性”であることはあなたの強い武器となります。心配や不安を上手にコントロールして、心配性であることのメリットを伸ばしていきましょう。

 

【関連書籍】

成功する人は心配性』(かんき出版)

 

 

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脳神経外科医

菅原 道仁

All About「家庭の医学」ガイド。現役脳神経外科医。脳血管障害を中心に、救急医療からリハビリテーション、予防医療までの現場経験を元に、くも膜下出血・脳梗塞・認知症などに代表される脳・神経の病気について、...

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