明確な販売戦略なんてナシ!? コンビニの「チキン」が売れるホントの理由

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川乃 もりや

明確な販売戦略なんてナシ!? コンビニの「チキン」が売れるホントの理由

セブン-イレブンの「からあげ棒」、ローソンの「からあげクン」、ファミリーマートの「ファミチキ」。フライドポテトやコロッケといったポテト類、フランクフルトソーセージやアメリカンドッグなどのポーク類と色々とあるが、コンビニのファストフードはチキンがメニューの中心となっている。

 

揚げ物だけに絞って見てみると、セブン-イレブンは39品中13品、ローソンは45品中24品、ファミリーマートは29品中17品と、大手3社の揚げ物系メニューの47.8%をチキンが占めている。

 

私が店をやってた時も「またチキンかよ!!」そんな風にボヤいていたものだ。

 

なぜコンビニはチキンを売るのだろうか。

 

思い返せば、夕食での鶏肉出現率も高い。道理で「トンカツ食べたいなぁ」と夕食のリクエストしても、チキンカツが出てくる。スーパーなどで見る肉類で安いのは鶏肉だ。

 

そんなチキンを数多くメニューとして取り扱っているコンビニに明確な販売戦略があるかというと、そうではない。身も蓋もない言い方だが……。

 

 

一番単純な理由としては、レシピが豊富であるということだ。

 

大きくから揚げと総称できるモノにも、「から揚げ」「ナゲット」「竜田揚げ」など、少しの変化で多くのメニューが作れる。焼くメニューでも、「ソテー」「焼鳥」「照り焼きチキン」など、チキンのメニュー幅は大きい。

 

そして、価格的優位性として、豚肉や牛肉より量を確保できるという点も大きい。逆に言うと、豚肉や牛肉で同じ価格の商品を作ろうとしても、鶏肉のメニューに比べて量が減るということだ。同じ場所に並べるとどうしても見劣りしてしまう。その場で簡単に注文し、食すことができるファストフードにとって、見た目による大きさは販売数に大きく影響するものだ。

 

カウンターで販売するファストフードは、お客さんの本能的選択により購入されることが多い。「ちょっと小腹が空いたなぁ」「もうちょっと食べたいなぁ」そんな一瞬の考えと、最後に目にするカウンター商材であるファストフードの見た目は、お客さんの選択に影響を与えている。

 

レジに買い物かごを置いた時に、店員が素早く「○○チキン、いかがですか?」などと言ってくるのも、その本能的な選択に訴えているのだ。「あれ~、から揚げなんか買うつもりなかったのに……」読者の方も記憶にあるのではないだろうか。

 

 

唯一、戦略的にチキンを売っているのは、クリスマスシーズンだ。

 

クリスマスと言えば、ケーキと並んで消費が一気に伸びるのが、チキンだ。その昔は、ケンタッキーフライドチキンの行列が風物詩となっていたが、現在では、ケンタッキーの行列を避けてコンビニで購入する人も多くなっている。

 

10月ともなれば、コンビニ各社は「クリスマスチキン」を売るために、色々な策を打ってくる。新商品や商品リニューアル、一度食べてもらうための値引きセール……。クリスマス商戦はすでに始まっていると言っても過言ではない。

 

読者の皆さん、知らず知らずのうちに“コンビニチキン”のトリコになってはいないだろうか!!

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川乃 もりや

コンビニ本部社員からコンビニオーナーを経験。現在、コンビニ関係の記事を書いているコンビニライター&アドバイザー

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