【大人の「ポケモンGO」講座】デート中の衝突を避けるマナー

人間関係

 

日本での公開と同時に大ブームが巻き起こり、いまや社会現象となっている「ポケモンGO」。熱中し過ぎて思わぬ衝突につながるケースが、全国各地で頻発しています。いや、歩きスマホなどによる衝突もたくさん起きていますが、ここで問題にしたいのはその話ではありません。大人として、歩きスマホなどはもってのほか。同時に気を付けたいのが、人間関係を壊しかねない周囲の人との衝突です。

 

職場でも家庭でもデートでも、「ポケモンGO」にハマッている人とハマッていない人が接すると、いろんな衝突が起きがち。お互いがほんの少し大人の気づかいを発揮すれば、無用な衝突を避けることができます。2016年8月現在の日本に生きる大人のたしなみとして、今回は「デート中の衝突を避けるマナー」について考えてみましょう。

 

 

その1「デート中だけど『ポケモンGO』を我慢できなくなった。どう言い訳するか?」

 

「ポケモンGO」にハマッているあなたとしては、たとえデート中でも、初めて来た街を歩いたり、レアなモンスターが出現するという噂のエリアにいたりすると、やらずに我慢することはできません。ただ、デート中にいきなり始めるのは気が引けるし、正直に「ゴメン、もう我慢できない!」と言いながらスマホを取り出したら、ぜんぜんそんなつもりはなくても、相手は「自分といてもつまらないのかな……」と感じるでしょう。

 

大切なのは「デートをさらに盛り上げるために、流行りのゲームを活用したいだけ」という姿勢を強調すること。その相手と「ポケモンGO」の話をするのが初めてなら、「これ、やったことある?」と言いながら画面を見せて、ポケストップの丸いのをクルクル回したり、モンスターにボールを投げて見せたりすれば、しばらくは「へえー、すごいね」とか言いながら話を合わせてくれそうです。そのスキに、こっそり欲望を満たしましょう。

 

ただし、その手は一度しか使えません。問題は二度目以降です。たとえば「今日の20時に何かが起きるっていう噂があるんだ」と、どうしても「ポケモンGO」をしなければいけない必然性をでっち上げるのはどうでしょう。「20時までにもう一匹捕まえないと、すべてがチャラになっちゃうんだ」と言ってみてもいいかも。どちらもウソ臭い口実ですが、やりたい一心でがんばって気を遣っていることは伝わるはず。相手に多少のやさしさとあなたへの愛情があれば、「しょうがないなあ」と許してくれるでしょう。

 

いちばん手っ取り早い解決策は、相手も「ポケモンGO」にハマるように仕向けること。ふたりともハマれば、最近のデートやふたりの関係がマンネリ気味になっていたとしても、うわべの盛り上がりは感じられるでしょう。デートにせよ男女の関係にせよ、大切なのはうわべの盛り上がりです。仮にこっちが先に「ポケモンGO」に飽きて、熱心にやり続けている相手に付き合わされたとしても、いわば自業自得なので諦めるしかありません。

 

 

その2「彼がデート中に『ポケモンGO』ばかりしている。望ましい文句の言い方は?」

 

試しにやってみたけどイマイチだったか、あるいは最初っからその手のものに興味がないかはさておき、自分は「ポケモンGO」にはハマれませんでした。しかし、彼はすっかりハマッていて、デート中もスマホ片手にモンスターの捕獲やジムでのバトルに余念がありません。何かというと、あてもなく延々と歩かされるのにも閉口です。

 

腹立たしい状況ですが、いきなり「あたしと『ポケモンGO』と、どっちが大事なの?」と詰め寄ったら、一瞬口ごもってから「も、もちろんキミだよ」と微妙な返され方をされて傷つきそうです。「私といるときはやらないで」と頼んでも、常にソワソワしたりウズウズしたりしている気配を感じて余計に腹が立つでしょう。「ポケモンGO」を思いっきりしたいばっかりに、彼がデートをしたがらなくなったら本末転倒です。

 

たとえば、ゲームをしている彼に向かって、唐突に「あなたは『ポケモンGO』の中ではレベル20かもしれないけど、リアルな女性に対してのレベルはマイナス20ね」と言ってみるのはどうでしょうか。必死でボールをぶつけているときに、懐かしのヒット曲「待つわ」のサビの部分を鼻歌で寂しそうに歌ってみるのも一興。あるいは、横から「なんで外れたの?」「なんで逃げられたの?」「なんでドードーばっかり出るの?」など、答えようのない質問をどんどんぶつければ、たぶんあなたの前ではやらないようになります。

 

こちらの不満を文字通り目に見える形で表現したい場合は、ゲームの特徴のひとつであるAR(拡張現実)を活用してみましょう。彼が人ごみでスマホをかざしてモンスターをゲットしようとしているときに、すかさずカメラのレンズの前に回り込み、ピョンピョンはねながら「ほら、ゲットして。ほら、つかまえて」と叫びます。彼はきっと、横にいる彼女をほったらかしにしてゲームに熱中していた己の愚かさに気づく……かも。少なくとも、そのまま叫ばれ続けたら恥ずかしいので、すぐにゲームをやめてくれるでしょう。

 

まあ、ある程度は大目に見つつ飽きるのを待つか、そんな失礼な男とは付き合えないと振ってしまうかは、それぞれの判断です。「本当にこの人と付き合っていていいのか」を考えるきっかけにしてもいいでしょう。ただ、あわてて別れても、次の相手は「ポケモンGO」のように簡単にゲットできないのでご注意ください。と、最後にうまいこと言ってみました。

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コラムニスト

石原壮一郎

1963年、三重県生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。大人の新しい概念と可能性を知らしめ、以来、日本の大人シーンを牽引している。2004年に出版した『大人力検定』は...

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