ジャニーズ脱退後の3人が描く〝新しい地図〟を見守る複雑なファン心理

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出典:「新しい地図」公式サイトより

笑っていた。“楽園”を追われたのではなく、「逃げた」のだと。「逃げよう。」というメッセージとともに、〝新しい地図〟を携えて降りてきた3人の堕天使は、神妙な顔をするでも、涙するでもなく、ただ、ただ笑っていた。それも美しく。
 

「やってくれた!(笑)」

これが、〝AbemaTVでの生放送発表〟を機に始まった、香取慎吾さん、草彅剛さん、稲垣吾郎さんの再始動を見た私の思いだ。


香取さんの番組「おじゃMAP‼︎」(フジテレビ系)10月4日放送回では、ゲストに草彅さんが登場。草彅さんの愛車で“二人旅”を楽しんだ彼らは、旅の最後、どしゃ降りの新百合ヶ丘駅前でパフォーマンスを披露。スマホを向けるギャラリーに惜しげもなく動画を撮らせていた。こんなの、〝昔〟ならスタッフにスマホを叩き落とされる案件だ。これこそは、「僕らは〝こっち側〟のルールでやる」という、彼らの強い意思表示なのだと思う。


〝こっち側〟とは、私たちが当たり前に生きている世界。すなわち、スマホやインスタやブログやツイッターやYouTubeがある世界だ。彼らが〝あっち側〟にいるとき、私たちは彼らの真意を知りたくてもがいた。「本心が知りたい」「本心を知るまでは」「本心はこうなんじゃ?」。ファン同士で彼らの〝本心〟を推察し、慮り、時にやり過ぎて身動きが取れなくなっていたところ、「お元子してますか?」(※)なる香取さんのたったひとつのツイートに、あっという間にもつれは解かれ、心はふわふわになり、「これを待ってた!」と叫ばずにいられなかった。〝直の言葉〟が届く嬉しさ。これで、よかった。
 

続く体育の日。AbemaTVの番組表には、3人で組体操をしてみせる香取さん、草彅さん、稲垣さんの姿が現れた。ゴム付きの体育帽を首にかけ、赤い短パンにハイソックスと、小学生男子のようないでたちは、〝無邪気な子供時代〟を取り戻した心象風景の表れか。

 

3人は香取さんを中心に手をつなぎ、片手を床に付き、弧を描いている。遠目から見ると、矢をつがえた弓のよう。「3本の矢は折れにくい」というが、これまた彼らの決意の体現か。

 

9月8日のジャニーズ事務所退所以来、再始動するにしても、それは忖度の上に忖度を重ねた、注意深いものになるのではないか。そんな、大方の予想に反した彼らのぶっ飛びぶりは、もはやおもしろい。みんな、戸惑いながらも大喜び。けれど、すべてのファンが横並びに彼らのスタンスに賛同しているかというと、否である。愛するがゆえ、3つのまなざしがあるからだ。

 

それは、カノジョ目、ツマの目、オカンの目。ひとつずつ見ていこう。
 

まず、カノジョ目。
「やったー! もう何も気にすることないんだから、やりたかったことガンガンやろうよ‼︎ は? 遠慮? 誰に遠慮すんの? 関係ないのに? なんのために? 私、もうあなたのつらい顔なんて見るのヤダよ。笑ってほしい。ずっと笑っててほしい。だから、ね? やりたかったこと、全部やろう?」

 

続いてツマの目。
「再始動おめでとう。元気になってほんとに嬉しい。まぁでも、飛ばしすぎないでね。私たち、距離が近づくのは嬉しいけど、あんまりくっつきすぎるのもナンだと思うし、正直、安っぽくならないでほしいって思いもあるの。でもね、やっぱり今まで見られなかったあなたの一面を見られるのはワクワクするし、すごく楽しみだわ」
 

最後にオカンの目。
「ちょっとあんた! 新しいことをやるのはもちろんいいし、応援するよ。でもね、お世話になったところを刺激するのはどうなのかしら? だって、そこにはまだお仲間や後輩たちがいて頑張ってるんだろ? それをあんた、なんだかからかうような表現をして。そういうの、母さん心配だよ。前を向くのはいい。でも、そこにいたからこそ今のあんたがいるってことも、忘れないでほしいの」
 

……とまぁ、こんな感じで3つの思いがせめぎあっていたりする。彼らを思うがゆえに波立つ、女心の機微である。こうした〝女たち〟を彼らがどうあやし、なだめ、抱きとめていくのか。その手腕にも、ねっとりと注目したい。


〝新しい地図〟に、何が描かれていくのか。進む先に〝5人〟に通じる道はあるのか。それはまだ、わからない。けれど彼らは軽快に歩いていくのだろう。3人の〝華麗なる逆襲〟は、今、始まったばかり。

 

※おじゃMAP!!公式ツイッターからの、香取慎吾さんのツイートより。

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みきーる

みきーる

女子マインド学研究家、ジャニヲタ・エバンジェリスト。出版社勤務を経て、ライター&編集者として2000年に独立。女心を知って楽しく生きるためのライフハック“女子マインド学”を提唱。ふだんはファッシ...

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