そもそもサッカー日本代表は強くなっているのか?

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田中 宏亮

そもそもサッカー日本代表は強くなっているのか?

ここ最近はラグビー日本代表の快挙で大いに湧く日本スポーツ界。バスケットボールなどと同じく、身体能力が多分に影響するこの競技でこの結果は快挙というほかありません。こうしてスポーツへの関心度があがるのは、嬉しい限りです。

 

さて、ワールドカップと言えばサッカー日本代表も予選の真っ最中。先頃シンガポールとカンボジアを退け、アジア2次予選のグループEで首位に立っています。残り2試合、2位との勝ち点差がわずか1ですので、気の抜けない試合が続きますが、最終予選までコマを進めてほしいもの。

 

そんなとき、知人からこんな言葉を投げかけられました。

 

「日本代表って、強くなってんの?」

 

ううむ、改めてそう言われると、つい「強くなってるよ」って答えてしまいそうになりますが、実に定義付けが難しい。

 

しかし、明確な物差しはあります。それはワールドカップ。

 

日本は1998年ワールドカップ・フランス大会にて初出場をはたし、以降5大会連続で本大会出場を決めています(うち2002年日韓大会は開催国にて予選免除)。それまで一度も出場できなかった暗黒時代を思うと、その発展ぶりたるや目覚ましいものがあると言えますね。

 

そんな我らが日本代表のワールドカップにおける成績は以下のとおり。

 

・1998年フランス大会 予選グループ敗退(0勝0分3敗/計3試合)
・2002年日韓大会 ベスト16(2勝1分1敗/計4試合)
・2006年ドイツ大会 グループリーグ敗退(0勝1分2敗/計3試合)
・2010年南アフリカ大会 ベスト16(2勝1分1敗/計4試合)
・2014年ブラジル大会 グループリーグ敗退(0勝1分2敗/計3試合)

 

一大会ごとに決勝トーナメントにコマを進めているものの、すべてベスト16止まり。「強いかどうか」の基準をどこに置くかにもよりますが、勢い次第ではベスト8まで進んじゃう国がいることを思うと、ベスト16の壁が破れるほどの勢いすら持てていないと見るならば、世界から見た日本は「強いと言っても、注目するほどじゃない」というところでしょう。

 

で、せっかくなので、日本が初出場をはたした1998フランス大会から2014ブラジル大会までで、ベスト8に進んだ国をまとめてみました。

 

 

■日本が出場した1998仏W杯以降のベスト8以上の国

※★は優勝

 

●5回(2ヶ国)
ブラジル(1998、2002★、2006、2010、2014)
ドイツ(1998、2002、2006、2010、2014★)

 

●4回(1ヶ国)
アルゼンチン(1998、2006、2010、2014)

 

●3回(2ヶ国)
フランス(1998★、2006、2014)
オランダ(1998、2010、2014)

 

●2回(3ヶ国)
イタリア(1998、2006★)
イングランド(2002、2006)
スペイン(2002、2010★)

 

●1回(14ヶ国)
クロアチア(1998)
デンマーク(1998)
セネガル(2002)
トルコ(2002)
韓国(2002)
アメリカ(2002)
ウクライナ(2006)
ポルトガル(2006)
ウルグアイ(2010)
ガーナ(2010)
パラグアイ(2010)
コロンビア(2014)
コスタリカ(2014)
ベルギー(2014)

 

複数回を誇るのは、最多5回のブラジル、ドイツを筆頭に、アルゼンチン、フランス、オランダ、イタリア、イングランド、スペインという、名だたる強豪国が並びますね。

 

5大会分というと、年数にして16年。その16年のあいだに何度もベスト8に進める国というのは、こうした強豪国のみ。クリスティアーノ・ロナウド擁するポルトガルやかつてフォルラン(元セレッソ大阪)に率いられたウルグアイですらたった1回なのです。

 

そんな強豪国のなかに混じって、名前だけ聞くと「そんな強かったっけ?」という国名がいくつか並びます。セネガル、韓国、アメリカ、ウクライナ、ガーナ、コスタリカなどがそういう印象を持たれるところで、いわゆる一発屋的なダークホース。トーナメント形式の大会では勢いのあるチームが一気に駆け上がることがあり、そのうちのひとつというところです。

 

大きな花火のように、派手に大輪の花を咲かせた後は、闇夜に消えるのみ。ベスト8進出という経験を生かすも殺すも彼ら次第ですが、言い換えれば、まだ日本が見たことのない世界を見た国々でもあるのです。

 

 

そういう意味で言えば、ベスト16止まりの日本は“一発屋にすらなれていない国”となりますね。決して蔑んでいるわけではありませんが、強豪国はもちろんながら、5大会連続出場ながら一度もベスト8まで進めていない国は、世界から見れば“強い、弱いを議論する以前のような存在”でしょう。

 

思い起こせば、グループリーグで敗退した2006年ドイツ大会と2014年ブラジル大会で共通していた日本代表の言葉は「自分たちのサッカーを」でした。翻って、リアリストに徹した専守防衛のサッカーを展開したのが、ベスト16進出を決めた2002年日韓大会と2010年南アフリカ大会です。

 

自分たちのサッカーを貫くのは結構ですが、そんなでかい口を叩くのは、ベスト8へ進出してからでしょう。まだ強豪国にツバすらかけられていないのです。守備に関してはある程度のレベルに通用することは立証されたので、“守から攻へ”、ボール奪取からどれだけ速く相手陣内に攻め込めるか、という高速カウンターを身につけるべき。それが、ベスト16止まりの日本がまずやらねばならないことだと思います。

 

本田圭佑がどうだ、香川真司がどうだ、というのは、日本代表というチームを推し量るうえではディテールの域を出ません。ハリルホジッチ監督についても同様で、彼の現在の手腕よりも「なぜ彼が起用されたのか」が最大の問題。「ベスト8に進むために必要な指揮官としてハリルホジッチが適任なのか」という議論がまったくなされていないことが問題だと思います。

 

シンガポールに勝った? 結構。カンボジアに勝った? 結構。内容がよかった? 結構。誰それの調子が上向き? 結構。

 

で、ベスト8に進めるんですか?

 

ワールドカップ・ベスト8というのは、世界における強さをはかる物差しです。その物差しの使用を一度も許されていない日本代表は、強いかどうかを議論するレベルにすら達していないのです。まずは一発屋になる努力からはじめるべき。一発屋だって、誰もがなれるわけではありませんからね。

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田中 宏亮

ハーレーダビッドソン専門ウェブサイトの編集長経験を持つフリーライター。海外メーカー系モーターサイクルでの新しいライフスタイルの楽しみ方を提案する。モーターサイクルのインプレッションのほか、カスタムやフ...

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